ハイリ ハイリホ(7)

一―四 パパ

 大きくなっちゃってだって。確かに、昨日まで、いや、さっきまで、俺の胸ぐらいまであったはずの竜介が、今は俺の臍のあたりまでしかない。竜介が縮んでしまったのか。成長著しいはずの子どもが、縮むなんて。お蔭で、俺の親としての面子は、当分の間、保たれる。ありがたいことだ。
「一体、どうしたんだ、竜介」
 仁王立ちの姿勢で、尋ねる。威厳を取り戻せねば。今がチャンスだ。

ハイリ ハイリホ(7)

ハイリ ハイリホ(7)

パパと僕の言葉を交わさない会話の物語。一―四 パパ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-14

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