とげ

きれいにしないで
昇華しないで
弔わないで

1輪のばら 手をのばし
ゆびが痛んだ
美しかった ばらは朽ちれど
いつまでも抜けず
とらわれた痛み
じんじんまわりをおかしゆく
色も香りも 思い出せねど
このゆびこそが 彼女の証
ゆびをつたう死がからだにまわるとも
とらわれた私 とらえた彼女
痛みの限り
彼女とともに 永遠に

とげ

とげ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted