日本刀女子高生。
湿った路地裏を進んでいく。
どぶの臭いに混じって、別の臭いも漂っているような気がした。
アングラ街ライターとして、恐る恐る臭いの元を目指す。
左手に曲がる。
沢山の室外機が並ぶ路地裏。
切れかかった街路灯の下に、女子高生が立っていた。姫カットされた黒髪、人形のように整った顔、血塗れの制服。
日本刀を持った女子高生の足元には、俯せに倒れた男。大きな赤黒い湖が出来ている。
外敵から街の住人を日本刀で守ってくれる女子高生、「日本刀女子高生」。
この街に伝わる都市伝説は、本当だった。
血を浴びて赤黒く染まった日本刀女子高生は、室外機のファンの回転音を聞きながら、ゆらゆらと横に揺れていた。
日本刀女子高生。