いとしき polar bear
地下室にて。白い花を青く染めて、だれかの詩に戒められる、途方もない空気のような、不安。みずうみの底に、沈んだ月の欠片を、新人類たちは潔くあきらめて、地球に寄生をはじめましたというニュース。いみがわからなくて、こわい。
雨。
黒いヴェールをかぶった少女と、犬。
暴力性の高いあのひとが、唯一、おだやかに眠れる、森。
忘れられた故郷を想う。白熊。わたしのために呼吸をして、オムライスをつくって、やさしみをあたえてくれる。無償で。近所のお花屋さんのひとが、このあいだ、本屋さんで、しんけんに立ち読みしていた本が、拷問器具の詳細が描かれたものだったので、にんげんって、いろいろだなぁと思った。地下室にいる、きみとは、気が合いそうな気がしないでもない。春なのに、とつぜん、真冬に舞い戻った日。落下する、どっかの惑星。
燃える。
いとしき polar bear