ウクライナの灯よ『2』

  大地を揺るがす砲弾の雨が 一夜のうちに

  穏やかで幸せだった日常の全てを

  愛する夫を家族を それを支えていた我が家を

  後かたもなく打ち砕き瓦礫の山に変えてしまった

  美しかった街並みも笑顔に満ちたなんの罪もない友人達をも

  
  何もかも失くしてしまった私はただ一人

  耐え難い恐怖と悲しみに震え慄きながら

  冷え切った体の奥底に一つだけ残った

  今にも消えそうな小さな命の灯を

  必死に抱きしめながら泣き続けている

  いわれのない戦火の嵐に見舞われ

  絶望の壁に取り残されたままの

  このウクライナの地を離れることができずに 


 

  

  

  

  

ウクライナの灯よ『2』

ウクライナの灯よ『2』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-12

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted