ウクライナの灯よ『2』
大地を揺るがす砲弾の雨が 一夜のうちに
穏やかで幸せだった日常の全てを
愛する夫を家族を それを支えていた我が家を
後かたもなく打ち砕き瓦礫の山に変えてしまった
美しかった街並みも笑顔に満ちたなんの罪もない友人達をも
何もかも失くしてしまった私はただ一人
耐え難い恐怖と悲しみに震え慄きながら
冷え切った体の奥底に一つだけ残った
今にも消えそうな小さな命の灯を
必死に抱きしめながら泣き続けている
いわれのない戦火の嵐に見舞われ
絶望の壁に取り残されたままの
このウクライナの地を離れることができずに
ウクライナの灯よ『2』