お地蔵さん

七瀬 幸

私は、真由。
県立高校に通う2年生。

私は、子供の頃から不思議な体験をする事があった。
「決して誰にも言わないように」
これは母との大切な約束だった。
だから誰にも話さず、母に聞いてもらう。
これが、母との日常だった。
ある日、前日の夢の話をした事があった。

それは、暗い中で2人の子供が私を揺り起こして、「遊ぼう。」と言う。
私は、小さな子供が好きだったので、その子達と遊ぶ事にしたのだけど、いつの間にか暗がりでは無くお花の咲く美しい場所へ移動していた。
そこには、沢山の人が集い楽しそうに会話している。
子供達を探すが見つからず、川にかかった古い木製の橋を渡り始めた時、子供達は川に流されていた。
助けようと、周りの人に助けを求めても、誰もたすけてくれない。
私は、必死に手を伸ばすが上手くいかない。
途方に暮れて、橋の上を進もうとした時、お地蔵さんが現れて首を横に振られた。
お地蔵さんの衣にすがりついて、助けを求めたが…
何度も首を横に振る。

そこで、目覚めたのだけど私が眠っている間に息をしていないので、祖母が揺り起こしてくれたらしい。
私は、お地蔵さんに救われたのだ。

それから、何十年経っただろうか…
夫婦でお寺参りをしていた時、参道に小さなお店を見つけた。
そこには、大小様々なお地蔵さんが飾られていたが、私が助けていただいたお地蔵さんによく似たお地蔵さんがいらっしゃる。
手作りで作っているとの事。
買わずには居られずに、お地蔵さんを買って帰った。

それから10年程の時を経て、主人の地元のお地蔵さんの前掛けを縫って欲しいと、依頼されてお手伝いさせて頂くことになりました。

夢から、覚めて何十年経っただろうか…
改めてご縁と言うものは、巡り巡ってまた私の元へ戻って来たようです。
これからの人生は、短いけれどお地蔵さんと共にありたいと願うばかりです。

お地蔵さん

お地蔵さん

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-10

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