腐ったリンゴ

腐ったリンゴ

腐りかけの……より。



何十年も何百年も、
何千年も……

いや、
もっともっと昔から。

リンゴで目醒めた祖先から、
ボクらは生きてきた。

それ以外それ以前、
ボクらの先祖は見たことない。

進化して今が在る?
それは、
随分と馬鹿げた話しだ。

四足歩行が二足歩行、
進化はそんな容易じゃ無い。

丹精込めて編んだ絹、
やがて虫らが喰い尽くす。

四足歩行が丹精込めて、
自然の流れで育った惑星。

リンゴのせいで、
危ない汚れた惑星に。

もう、
後戻りはできない世界。

何もかもが濁ってる、
まだまだ壊れゆくこの惑星。

それが今、
ボクらが当たり前に息をする、
この惑星、
未来も濁った地球の姿。

地上で一番有害な、
二足歩行の生き物たち。

生まれ故郷の惑星ならば、
汚さず快く生きれるだろ?

奴らの食べた、
腐ったリンゴが。

奴らの汚した海原の、
潮に浮かんで流されて、
夕陽の向こうに消えてった。

休日の波打ち際で、
心に叫ぶ老いたボク。

影だけ一丁前に大きく長く、
偉いのは自然界の先輩なんだよな……

腐ったリンゴ

腐ったリンゴ

キミハイキノビルコトガデキルカ?

  • 自由詩
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-06

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