花野絵

 絵のなかの国で。花に埋もれて。ララ。わたしの瞳にうつるのは、永遠の青。雨の日の夜、フロントガラスのしずくが、高速道路の街灯で、オレンジ色に輝く世界。運転席のあのひとは、おだやかなハンドルさばきで、夜明けをめざす。金星は臨めずとも。カンヴァスの牢屋で、白磁の花に肉体をかくして。ララ。画面のむこうのディストピアには、やさしいだれかの祈りの詩を。くるしい。こわい。かなしい。つらい。ねむたい。きらいにならないで。そういう感情をまるごと、抱擁して、溶かして。あのひとのからだにとりこんで。
 わたしは、ここにいる。

花野絵

ひさしぶりにナイトドライブ@剛さん聴いてた。
色褪せない名曲。

花野絵

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted