３月３日

今日の朝方思いついたんです。で、今日書かないと意味ないと思って書きました。

車に轢かれて異世界に飛ばされて、その飛んだ先で、別に特別な力はないものの、字が書けるという事で、
「旅の記録係として同行してほしい」
という事を言われて、
「はあ」
と、その役目を受けることになった。

プライベートライアンで言う所のアパムの役どころであろうか。プラべと違うのは、タイプライター、つまり私が持ってる筆記用具類を責任者に捨てられなかった事かなと思う。

あと、
「お前の書く字は、凄く個性的だから」
という理由もあるらしい。

その情報が万が一敵に渡ったとしても、読めないだろうから。っていう事で。

でもまあ、そんな訳で、
「ああ、こんな温暖な気候の場所で余暇を楽しみたい」
という私個人の思惑は叶わない感じになった。

勿論魔王を倒す旅を終えて帰ってこれたら、それなりに、それなりに過ごせるかもしれないけど、大体の場合、そういう出来事が終わったとしても、また新しい敵が出てくるか、あるいは異世界から元居た世界に帰らされることになるか。そういう感じになるんじゃないかなって思う。それはもうそういうシステムだから。

とはいえ、旅自体は順調だった。んで、私も戦わなくて済むのはありがたかった。戦いとか無理なんだ私。敵を倒してやろうって気概が無い。
「家族いるかも」
って考えたりするし。

そんな訳で、与えられた記録係に集中した。ハウスオブザデッドのゲームで、ボスが出てくるたびにメモ帳を開いて確認するじゃないですか。弱点の場所とか。ああいう感じで記録をつけていった。それプラスポケモンとかみたいに、弱点火とか、水とか、電気とか、風とか、そういうの、あと敵の形状とかをスケッチ。

で、それをその日の夜のまあ、宿屋の時もあれば、野宿の時もあるんだけど、その際に、こうこうこうで、こういう感じ。というのを伝える作業。

それからあとはまあ、おこがましい事なんだけど所感の発表。後ろで見ている人間にしかわからない事もあるって言うのが記録係の一つの役目らしいんだけど、
「勇者さんと剣士さんはちょっと突っ込みすぎなんで、魔法使いさんと僧侶さんが手薄になりますんで、あと魔法使いさんは大きい魔法を狙いすぎなんで、マジックポイントの消費が激しいですね」
こういうの、後ろで見てたからわかる事。最初こそ、「やだ！そんなのやりたくない！」って思ったんだけど、ぎくしゃくするって思ったんだけど、現場と管理職が揉めるみたいな感じ嫌です！って思ったんだけど、でもやってみいると確かになって思う。思った。

んでまあ、そんな感じで旅を続けて行って、それなりに私の意見も通るんだよね。そういう異世界なんだろうな。多分。
「前に来た異世界の人間がそういう役目の存在もいるって言ったんだってさ」
「へー、前にもいたんですねえ」
なんて話ながら、歩いていると、また突然に敵が出てきた。ドラクエで言う所の魔物の群れ。色々な姿形の敵のハイブリット。で、

そのほとんどが見たことがある。っていうか、今まで倒してきた敵と同タイプの奴等だったんだけど、その中に一体だけ、
「あれなんだ？」
っていうまあつまり新顔っていうかな。新しいエリアに入ると出てくる敵も変わるじゃん。それみたいな事かな。のがいた。

で、
「あれは新顔だ！」
って、戦闘態勢に入ったパーティーに後ろから伝えると、

「あれは３月３日だ！」
って、勇者さんが言った。

はあ？はえ？ってなった。
「３月３日？」
「そう、そういう名前なんだ。俺たちの前の勇者一行がその時代の魔王を倒しに行った時、その時に出てきた新しい敵なんだ。で、その時記録係をしてたやつが、その敵の事をそういう風に名付けたんだ。なんだったかな、日付とかって言ってたかな。お前が元居た世界にも、その日付とかってあったのか？」

「う、うんまあ」
この世界、この異世界には日付が無い。似たようなものはあるけど、日付とは言わない。

そうしてるうちに、他の敵たちは倒されていって、残り、その３月３日だけになった。
そこで、
「あとはさんみ一体だけだ！」
って剣士さんが言った。

それで私はまた、あ？ってなった。

ああ、３月３日だからね。略してさんみってなるのかな。

でも、私の頭の中では三位一体がもう。三位一体っていう言葉がもう。その四文字熟語がもう。それはもう私、頭、心、三位一体。三位一体が私の中に三位一体でもう三位一体。

それから後あれだ。

「自分の前に異世界から来た人って西尾維新とかか？」
とか、
「XXXHOLiCの作者の人とかか？」

って言うのを考えてた。いやほら、キャラクターにそういう名前の付け方するよね。あの人達って。いや、個人的なイメージで悪いんだけどさ。