あの時まだ幼かった僕は

夏の空、映画のようだ
二年前、僕は出会った
一瞬で離れ離れて
全ての想い出は浮かぶ

あの時まだ幼かった君は
目を瞑って風を浴びていた
『人生が終わってもいいから
幸せのままでいたい』と言った

つまらない未来
終わりない世界
もう二度と笑って話せない
汗と涙で朧気な君の夕影が見えない

青い窓の向こうに映った
切ない顔した君を見ていた
腕の傷の理由を知りたくて
静かに眠る 君を起こした

あの時まだ幼かった僕は
思い切って痣を見せた

懐かしい時間も
抱きしめた瞬間も
闇に染まった暗い雨の夢
誓いも約束も破れた今では
全ての記憶が浮かぶ

今までも この先も
季節巡って星が降っても
もう二度と笑って話せない
汗と涙で朧気な君の夕影が見えない

あの時まだ幼かった僕は

あの時まだ幼かった僕は

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-03

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