またたぎ
 今日に語る月の羽に
 知る人のため息を白線に乞う
 苦心に浸る水溜りも
 口を洗ぐには丁度いい
美しくあるために踊るけど
 排気ガスに曇る青空じゃ
 星だって輝いちゃくれないから
 鳴らす指に合わすように
 君の声を聞く
硝子を削りだした瞳を取り出して
 粉砕したくなるくらい
 絶望に暮れて
 それでも慣れてしまえば
 プリントアウトに滲んだ、インクのドラマツルギーに過ぎなくて
 点を失うだけで意味すらも失う
 欠点だらけの世の中で
 手に取る月の群れに
 ただ君へ見えない世界を語らおう
 環状に視界を遮るプレッシャーで彩られた張りぼての子供部屋に囚われることへの
 美しさを
またたぎ