安寧を願う
膿。あふれて、腐り、爛れる。生命体はときどき、あいすることをわすれて、ためらいなくナイフをいれる。母星に。
幽霊船が浮いてる。夜の海で、だれかを待っている。ぼんやりと光ってる。青白く。あたらしい皮をてにいれた、せんせいが、ヒステリックに叫ぶのは、雲ひとつない夜明けの空の日。ぼくとともに、無慈悲な争いの終焉を祈るのは、人類が失いかけたものをたいせつにしている、かなしきカイブツ。こもりうたは寄り添うように、傷ついたひとびとを癒やしてくれる。あたたかい、血液。みんな等しく、ながれているはずなのに。
安寧を願う