たぶん、愛

 あお。細胞が、きみを好きだという。たいくつだぁと思っているあいだに、うまれてしんでゆく微生物。ひとしく。二十三時からの、ぼくらがうまれた意義を推し量ろうの会、などというインターネットとくゆうの、ふしぎなあつまりにきっと、ネオはいる。いつも、真夜中の、繁華街の、にぎやかしくも、どこか陰鬱な気配を纏い、徘徊する怪物。熱に浮かされて、美術品のコレクターみたいに、うつくしいひとの肉体の一部を求めている。森の、さびれた教会にて。
 祈るのは、星をあいするひと。
 跪くのは、神さまをしんじているひと。
 屈折する月明り。淡く光るステンドグラス。花を吐く、きみ。連鎖的な、憎悪。すべてを包み込むのは。

たぶん、愛

たぶん、愛

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-02-28

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