小さな種
嫉妬の形をした鹿が駆け回っている
叱りつけてはいけない
目を合わせてはならない
果物で手なずける
よく熟した黄色い果実だ
まず私が口にすることで
安全であることを示す
中身が露わになった果肉を
鹿がそっと口にする
小さな種が地面に零れ落ちる
鹿の眼は静かな緑色に変わっている
(もう目を合わせても構わない)
少し笑っている気がする
また来るよと言いたげな表情だ
わかっている
君は何度でもここにやって来る
ここでは雨が降らないから
私が種に水を遣らなくては
小さな種
嫉妬の形をした鹿が駆け回っている
叱りつけてはいけない
目を合わせてはならない
果物で手なずける
よく熟した黄色い果実だ
まず私が口にすることで
安全であることを示す
中身が露わになった果肉を
鹿がそっと口にする
小さな種が地面に零れ落ちる
鹿の眼は静かな緑色に変わっている
(もう目を合わせても構わない)
少し笑っている気がする
また来るよと言いたげな表情だ
わかっている
君は何度でもここにやって来る
ここでは雨が降らないから
私が種に水を遣らなくては
小さな種