危険なつばさ第7章

自然回に生きる物は、絶望を、考えたことが、あるのだろうか。  
苦しみに、耐える時、蘇る事を想像するだろうか、今の積み重ね
そのまま、与えられたことに、抵抗する、力は、無い。初めて考えた
立ちあがるということ 、倒れている時間が、僕を変える。
スズメの知らない、新しいスズメ、、、

チ チ チ 鳥が、鳴いている。まぶたの裏が明るい。嵐はやんだのか。
僕の口を、むりやりあけようとしている。 僕は、ぎギュツと口をつぐんだ。
 その時、僕は、あの手の中にいる感じがした。「スパロー口をあけろ。」両方のくちばしにグツと力が込められた。 ジムニーの声がする。すこし口が開いた。
 ほの甘いザラザラした水が ほんの少し、はいってきた。
「これは、何だろう。こわかった。」
「スパロー のむんだ。」確か、そういった気がする。
ジムニーが言っているんだ。何だって構うものか。僕は勇気が出た。 ゴクリとのんだ。
僕のおなかが、かすかにうごいた。
グイ 無理やり口が開かれた。 ザラザラした水滴が今度は、ポツン ポツン と、ニ、、、三,滴はいってきた。僕は力なく口ばしの先からそれを、こぼした。
残りを少しのんだ。 
「スパロー スパロー。」 ジムニーは泣いていた。泣き声なんて、はじめてきいた。
「これは俺が、毎日こねているパンの粉だ。 わかるかスパロー、今のお前は、パンをツッツクのは、無理なんだよ。俺が、甲板にまいてやっても、 
お前は、眠ったままじゃないか。だから、パン粉を水で溶かしてやった。少し口ざわりが悪いか。まだ、俺様が、こねていないからな。」 「げんきになれ。」「元気になるために、我慢して飲め。」
「アー解ったよ。ジムニー。」チユンと鳴いたような気がする。
からだにせいいっつぱい、力を入れた。 尾羽根を光らせるんだ。ジムニーに、答なければ ならない。
 次の水滴が入ってきた。僕のからだのどこかが ドクン ドクン と動き出した気がする。
尾羽根が光ったかどうかは、知らない。         
 ジムニーの船の中だよ。四角い箱が、置かれている。僕は、その中にうずくまっている。首をダランと、下へ伸ばして ガクンとおれ曲げた、足を柔らかい腹の羽根がつつんでいる。からだの力が、無い。ジムニーが。ドアを、ソウウと開ける音がする。、
「またパンを、残しているのか。」ペッタリ伸ばした僕の頭の、あたりに、パンのかけらが、散らばっている。
「今日は お前の為に焼いてやったぞ。」
「ニンジンと、牛乳がタプリはいているぞ。お前が、弱っていることは、解っている。少しだけでも、食べろ、お前、それでいいのか。このまま、へこたれる気か、波に、揺られながらボーッと、してていいのか。」
「俺だって、船乗りが、嫌に なったこともあるぞ。この俺の分厚い手を見ろ、はじめはこんなんじゃあ、なかた
んだっぞ。毎日、毎日パンをこねたんだぞ。」
「お前のパンは なんて、マズイ、んだ。フックラしていない。」
中途半端な味だ。こんなので。長い船の旅を ガマンできるか。」
船長に、にらみつけられて、俺はちぢこまって、うつむいていた。そんな日が、毎日つづいたぞ。
俺は、毎日くふうした。こねる回数、塩かげん、バターの香り チーズのとろけ ぐあい。それでも、毎日、失敗ばかりさ。俺の手は、ダンダン分厚くなり、俺の目は、毎日、涙で、濡れていた。
俺はガンバッタンじゃない。パンを作るほかに、俺にできる事がなかったんだ。俺は、船員の顔を、見たぞ。
ショッパそうな顔、甘そうな顔、そしておもったんだ。
「負けるもんか。」
「お前は、今、パンを、たべるんだ。」
「からだが、だるい、食欲がない。それが、なんだ。俺が作った、パンを食べろ。足に力が、入るかもしれん。うなだれた、首が持ちあがるかもしれん。」
「アー俺が、悪かった。お前は、弱っているんだ。ユックリしろ、気にするな。」
「でも、負けてもいいのか。」
小さな、パンのかけらを、ソウーと置いた。ニンジンの匂いがした。
僕は頭を少し持ち上げた。チクと、食べた。からだの、どこかが、反応した気がする。
「負けるもんか。」

危険なつばさ第7章

危険なつばさ第7章

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-13

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted