pianissimo

斜めに射す陽が影を落としていた
鍵は壊してしまって、
わたし
しぬかも、あした、
閉じていく
排気口のような喉ごと
告白が流れ落ちて
そうかな そうなら



傷ついた背中に額をつけてなだめた 夜明けまで起きていたのは勘違いじゃなかった 春と血液の匂いに中てられて なにかが喉を駆け上がってくるのを、わからなかったことにして 終わりのことばかり考えるのを 無駄だとは遂にいえなかった 教えられて教えていた かぞえられるものだけが温度ではなかった
悲しい思い出にしないで下さいといったのはわたしだ。ヒステリックな愛すらすべて絶対にうれしかった。



滑る指が絵具を引くようにきれいで、
隣に座って指をみていた
きれいなだけで許されることなんてこの世にはないのに
極悪の殺人犯でもこの絵具があればそれでいいと思った
薄暮が鳴っている
とてもかすかに
空気の弦をさがして
ねえ!
この音楽室でいま踊っていいなら

pianissimo

pianissimo

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-02-19

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