放課後
制服の上にパーカーを着た
身体から浮いたLサイズは
私を子供だと言ってるみたい
ポケットのスマートフォンが変に重く感じて
それも、すぐに忘れて
一瞬、我に返る感覚
私がどこにいるかもわからないまま
目をやった中庭に見えたベンチ
座っているのは一人で弁当を広げるいじめられっ子
目をそらして
意味もなく、隣のあの子の髪を触った
不思議そうに私を見てるあの子が何も知らない顔をしている
私も、なにか知ってるわけじゃないけど
ただ一言
「ふわふわ」
私に笑みを返して
「xxちゃんもふわふわだよ」
私の髪を撫でてくる
いつものノリ
いつもの私達
今日はただ漠然と泣きたくなった
夜が楽しみな自分が
少し浅ましく思えて
間違えてその場で泣いてしまった
摺りガラス越しに、夕日が後ろから差し込む
悩みも苦しみも何も無いのに
何も無いのに
放課後