放課後

制服の上にパーカーを着た
身体から浮いたLサイズは
私を子供だと言ってるみたい

ポケットのスマートフォンが変に重く感じて
それも、すぐに忘れて
一瞬、我に返る感覚
私がどこにいるかもわからないまま
目をやった中庭に見えたベンチ
座っているのは一人で弁当を広げるいじめられっ子

目をそらして

意味もなく、隣のあの子の髪を触った

不思議そうに私を見てるあの子が何も知らない顔をしている

私も、なにか知ってるわけじゃないけど
ただ一言

「ふわふわ」

私に笑みを返して

「xxちゃんもふわふわだよ」

私の髪を撫でてくる

いつものノリ

いつもの私達 

今日はただ漠然と泣きたくなった

夜が楽しみな自分が

少し浅ましく思えて

間違えてその場で泣いてしまった

摺りガラス越しに、夕日が後ろから差し込む

悩みも苦しみも何も無いのに

何も無いのに

放課後

放課後

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-02-19

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