ごめんなさいが言えない
ネオン。元素。さいきん、街で見かけなくなった。人工の光。きずついた。そういう気配を、かくさない。わたしは、あなたのことばにきずついたのだと、うったえてくるひとの、視線は、まるで…。
海を想い、宇宙を馳せる。海洋生物も、天体も、どこか、架空の存在に思える瞬間があって、ガレキの教室で、きみが、節足動物と交わるのを、無感動に眺めていたときのような、茫洋さを感じる。だれかのやさしさが、ときどき、わたしの首を絞める。もう、むかしのように、正常な機能をしなくなった、この星は、これから生まれてくる子どもたちのためにも、一度、滅んだ方がいいのだと言い切るのは、学校のプールに棲みついた、わにさまと、ノエルだ。(そもそも)ほんとうに正常だったのか、という疑念は、だれしもが抱えていて、そして、黙殺している事柄であり、永遠に解けない問いでもある。
沸騰したお湯で、インスタントコーヒーの粉をとかしながら、今夜の、わたしのかなしみもいっしょに、とけていけと思う。
(ぐるぐる)
ごめんなさいが言えない