短々落語「それ明大前じゃない」
400文字以内のショートショート落語臭
「それ明大前じゃない」
(とある飲み会で出会った彼女と僕、その二人が互いに恋愛感情を抱く「明け方の若者たち」が、長い人生でみれば、ほんの短い時間ではあるけれども、互いに共感共鳴し、「花束みたいな恋をした」なんて事が、青春時代を過ごした都内の小さな駅周辺では、たまに起こったりするものでして…)
店員を後目に、彼らは何を探していたんだい?
何々、僕が絹で、彼女が麦、いや僕が麦で、彼女が絹、なにぃ探しものは偶然にも彼女と僕で同じだって? そんな事ってあんのかい?
で、そうこうしている内に、尻と尻がぶつかって、知り合ったっていうのかい、奇遇だね、で、その2人がどこで、恋に落ちたというんだい? もしかして、それ明大前じゃない? 映画「はな恋」のロケ地だし。
えっ、違う? 違うの? じゃ、お互いの尻と尻とがぶつかって、たまたま知り合い、たまたま探し物が同じで、たまたま恋に落ち合った場所って一体どこだい?
そりゃケツとタマタマだけに…、下落合だろ
短々落語「それ明大前じゃない」
お後がよろしいようで。