BREAK2

「ただいまぁ」陽が差し込んで艶光りする上がり框にスーパーの袋を置くと、目先に旦那が項垂れて座り込んでいた。
「どうしたの? 何かあった?」
「いや、大掃除をして家が綺麗になったのはよかったんだが、ホコリを失っちまった」
「………またバカな事言ってる」
「何だと? ホコリが溜まっても死にはしないが、ホコリを失って死んだ奴は大勢いる」
「はいはい、ご苦労様でした」
「冷たいリアクションだな」
「ふふふ、でも冷たいの好きでしょ?」
 夫の顔がパッと輝いた。
「ビールなら買って来たわよ」
「さすがは我が妻、よく分かってる。早速夕飯にしよう」

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  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-02-03

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