枯渇

器から溢れだしていた。縁からなみなみと溢れていて、それは終わることなど無いと思っていた。
それが数年後、溢れるまではいかないのだけど、それでも器にはいっぱいだった。そういう状態が更に数年続き、そんなものだろうと高を括っていたら、かなり減っていることに気が付いた。もう半分くらいか、それよりも下にあるようにも見えた。
なにも出来ずに過ごす。なにもかもが見せかけだったと気付いたときには、もう枯渇していた。

枯渇

枯渇

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted