短々落語「干支のことわざ(犬猿)」
400文字以内のショートショート落語臭
「干支のことわざ(犬猿)」
(動物が出てくる諺は多くありまして、例えば仲が悪い者同士を犬猿の仲といいますが、何でも干支の順番を決める際、猿が悪戯して犬よりも先に神様の処に着いてから、互いの仲が悪くなったそうで…)
キャンキャン、負け犬の遠吠えみたいに吠えるじゃないよ
キーキー煩いねぇ、モンキーか将又小猿か、お前が俺より先は宝の持ち腐れ、そう所謂、猫に…
おい負け犬、猫に何だっていうんだい
おい小猿よく聞け、猫にご飯だよ
バカか、それをいうなら、ご飯じゃなく猫に小判だよ、猫にご飯だったら、ねこまんまそのままだろ、だから諺は大事って言ってんだ、といってもお前さんには馬の耳に…
おい小猿、馬の耳に何だって?
馬の耳にぶつぶつだよ
アホか、馬の耳にぶつぶつって汗疹か、それをいうならぶつぶつじゃなく、馬の耳に念仏だろ
あっしとした事が、猿も木から落ちるだ
木から落ちた猿に先越されたおいらの心境は…
何でい、負け犬の心境って奴は?
犬も歩けば棒に当たる
短々落語「干支のことわざ(犬猿)」
お後がよろしいようで。