短々落語「干支のことわざ(犬猿)」

400文字以内のショートショート落語臭

「干支のことわざ(犬猿)」

(動物が出てくる(ことわざ)は多くありまして、例えば仲が悪い者同士を犬猿の仲(けんえん  なか)といいますが、何でも干支(えと)の順番を決める(さい)、猿が悪戯(いたずら)して犬よりも先に神様の(ところ)に着いてから、互い(たが  )の仲が悪くなったそうで…)


キャンキャン、負け犬の遠吠(とおぼ)えみたいに吠えるじゃないよ


キーキー煩い(うるさ  )ねぇ、モンキーか将又(はたまた)小猿か、お前が俺より先は宝の持ち腐れ、そう所謂(いわゆる)、猫に…


おい負け犬、猫に何だっていうんだい


おい小猿よく聞け、猫にご飯(  はん)だよ


バカか、それをいうなら、ご飯じゃなく猫に小判(こばん)だよ、猫にご飯だったら、ねこまんまそのままだろ、だから諺は大事って言ってんだ、といってもお前さんには馬の耳に…


おい小猿、馬の耳に何だって?


馬の耳にぶつぶつだよ


アホか、馬の耳にぶつぶつって汗疹(あせも)か、それをいうならぶつぶつじゃなく、馬の耳に念仏(ねんぶつ)だろ


あっしとした事が、猿も木から落ちるだ


木から落ちた猿に先越(さきこ)されたおいらの心境は…


何でい、負け犬の心境って(やつ)は?


犬も歩けば棒に当たる

短々落語「干支のことわざ(犬猿)」

お後がよろしいようで。

短々落語「干支のことわざ(犬猿)」

(動物が出てくる諺は多くありまして、例えば仲が悪い者同士を犬猿の仲といいますが、何でも干支の順番を決める際、猿が悪戯して犬よりも先に神様の処に着いてから、互いの仲が悪くなったそうで…)、その顛末やいかに。400文字以内のショートショート落語臭。とても短い創作落語。原稿用紙一枚(20×20=400文字)程度だから、およそ60秒で読める「一分落語」。爆笑は期待できないが、じんわりとくる面白新作落語臭。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-26

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