一斗缶の中の吸殻
僕のバーテン時代の話を元に執筆しました。
何気ない生活が本当は良かったりするのかもしれませんね。
バーテンダーのたかしに起きた出来事とは
騒音荒れる街角で慣れない煙草を吸う
この一斗缶の中には吸殻の他にどんな思いが入っているんだろうか…
「おい!たかし!」
馬鹿でかい声で店長に呼ばれ店に戻る。
俺はこの店で働くただのバーテン。
「あれ?何か発注ミスしましたか?」
店長の顔を見ると機嫌のいい顔をしていた。
「ちげぇーよ。たかし!今日もバカラで150万勝っちまってよ。店終わったら焼肉でも食いに行くか?それともキャバクラか?」
俺は軽く頷いた
店長は三ヶ月前くらいからカジノに出入りしハマり始めている。
それと同時に店に来る客層もだんだんと変わってくるのが分かった。
店長がいないときは俺とバイトで店をまわしていたので店長が店をあけても問題ないのが基本だった…
ギャンブルにハマる店長それからというもの負けがこむと店の売上にまで手を出しはじめ終いには借金を作ってしまう…
もうこの店も終わりかな。
普通に働けば月20万円くらいの給料はもらえた…だがギャンブルにハマり借金を抱えた店長は売上をあげるために悪足掻きとしかいいようがない行動に移す。
バーからボーイズバーとして経営することを提案し無理矢理みんなの反対を押し切った。
すると不思議なことにお店の客入りが以前より調子が良くなりはじめしだいには人気店になってしまった。
店長の借金も返し終わるほどの売上になる。
指名料が1000円プラスα個人売上の半分バックというシステムを店長が作り出し働く側にもメリットを持たせることに。
俺の給料はいつの間にか倍になり
よかったのか?よくないのか?
内心複雑な気持ちになっていて店長の考えがたまたま当たってうまく行ったものの結局店長のギャンブル癖はよくならず。
借金を返せて味を占めたのか
それから店長はギャンブルにのめり込み二日あけて店に顔を出し集金…一週間に一度顔を出して集金…いつしか店に顔を出さなくなっていた…
俺は心配になり携帯に電話をするが電源OFF…
警察に捜索届けを出したが警察は動いてくれず
一ヶ月後
店は別の人に受け渡し別の店になってしまう
店長…
騒音荒れる街角で慣れない煙草を吸う
ここにあった一斗缶はいつの間にかなくなっていた。
一斗缶の中の吸殻
最近心配小説と言われておりますが、執筆者は心配ないのであしからず
今の自分と真逆にいた時の実体験は臨場感を持ちやすいのかもしれません。
読んでいただいた方には感謝します。