Soleil
Soleil
それは夢
たぶんね
ソレイユ
お日様
日の輪
天使の梯子
夢占いのつづきは
断絶されている
日記のつづきは
塗り潰されている
歌を歌うのは
セイレーン
船はみんな
沈んで消えた
嗚呼可哀想に
可哀想可哀想
三六五日を心だけが走り抜けた
水を切る風に憧れていた頃の
蜃気楼にのまれていく病よ
退屈で怠惰で耐えがたいわ
濃霧の中の病が鳥を殺すの
忘れていたことの
ひとつひとつを
ほつれた糸に
たとえた貴方へ
金の糸を持たせたの
それから貴方の国は滅びたわね
みんなみんな消えていったのよ
可哀想にね可哀想、可哀想よ
ソレイユ
私の陽だまり
安らかな水彩
安寧のお茶会
天使の竪琴
人はみんな救われるのよ
救われてしまうのよ
結局、頼んでもいない時に
無慈悲にも、救われるのよ
不幸に酔う自由を奪うの
可哀想な人達の表情なら
私は一つも見ないわ
誰かさんを思い出した日には、
砂糖を多めに入れた紅茶を飲むの
けれども、
誰かさんの無事と幸福を
少しも祈ったりはしないわ
ソレイユ
私だけの陽だまり
私だけの居場所
私だけの世界
私だけの理解
さみしいことは、かなしいことじゃないの
かなしいことは、かわいそうなことじゃないの
みんな、救済されてしまえばいいのにね
そうすれば、みんな私を忘れてくれるのにね
その日が来れば、私は陽だまりの中で叫ぶの
「さようなら、薄幸で薄情な日々!」
Soleil