パレード -Parade

あしもす

賑々しく、賑々しく

パレードが始まる

楽隊の列がこちらへやってくる

金管楽器のベルが

日の光を跳ね返し

空気を押し返し

大地を蹴り返しながら

音を響かせ

重ね合う

また別の楽隊が、続いてくる

さっきのとは全く違う曲を奏でながら

ときに乱暴に、ときに寄り添うように

楽隊同士が重なる

賑々しく賑々しく

目の前を通り過ぎてゆく

・・・

次第に音は遠く、姿も霞んでゆく

それでも

賑々しく、賑々しく

・・・

金管楽器の反射がチラチラと

あれほど激しかった音の圧も

小川のせせらぎのようにさらさらと

・・・

パレードのいち団の中に、古い友人の姿を見た気がする

かれこれ十数年会っていない

一緒に音楽をやっていた

ときにぶつかり、ときに心合わせながら

あんなに音楽で熱く語り明かした仲なのに

今では、連絡もまったくしない仲になってしまった

忘れていたはずなのに、あんがい覚えているものなんだな

多分、今の懐かしい気持ちも、パレードのようにそのうち消え去っていく

それでもなお

賑々しく賑々しく

輝いていた時間は紛れもない事実で

あいつも今は誰かとパレードの中で奏でているし

自分も誰かときっとパレードをしていくのだろう

ときに乱暴に、ときに寄り添うように

賑々しく賑々しく

パレード -Parade

パレード -Parade

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-23

CC BY-NC-SA
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CC BY-NC-SA