ハイリ ハイリホ(6)

二―三 僕

 パパは少し、驚いているみたいだ。なんとなく雰囲気でわかる。多分、パパの頭の中は、今も、嵐が吹き荒れているのだろう。僕のささやかな問いかけに対して、一生懸命応えてくれているのが手に取るようにわかる。今のパパは、僕の手のひらの中。そのコップの中で、渦が巻き起こっている。パパ、もう少し我慢してね。僕に、付き合ってよ。だって二人は名コンビなんだから。
「ほらね、パパ、こんなに大きくなっちゃって」

ハイリ ハイリホ(6)

ハイリ ハイリホ(6)

パパと僕の言葉を交わさない会話の物語。二―三 僕

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-11

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