無題

22年間生きてきて、恋人という存在がひとりいた

居酒屋で飲んでいてたまたま隣にいた彼とは酔った勢いで仲良くなって、何回かデートを重ねて付き合いはじめた。
初めは毎日会いたくて、大好きで、たまらなかった。
彼の家まで車で1時間半。早く会いたくて何度も高速に乗り、車を飛ばした。
彼の部屋で過ごした初めての夜。あの夜ほど幸せな夜はなかった。
求められる幸せ、抱きしめ合える幸せ、愛せる幸せ。すべてが愛おしかった。

「君みたいな人と結婚したいと思った」
その言葉に浮かれて、結婚しようって笑いあった夜。
若かったね

今、私の隣にはあなたはいない。
喧嘩したわけではない、何があったわけでもなく、どちらかともなく離れていった。

あなたに離れてから、あなたに対する嫌なこと。たくさん思い出します。
もっとLINEしてほしかった。もっと会いに来てほしかった。もっと頼ってほしかった。
インスタにも載せて欲しかった。私はそんなに恥ずかしい彼女でしたか?

ああ、今更だよね、楽しかった思い出より、「こうして欲しかった」が先に出てくるんだもん

あなたと別れてから、違う男の人と寝たよ。
でもね、なんか違うんだよね。好きなはずなのに、別れたあなたのことを思い出してしまう。

どこで私たち間違えたんだろうね
もっと、甘えればよかった?もっと、伝えればよかった?
もっと、もっと、って今更だよな

あの時のたくさんの、遠慮がこの恋をだめにしたんだろうね

さようなら

無題

無題

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-19

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