Ice age

あおい はる

 永久的に、氷河期の国で、静かに暮らしていたかったのに、森を燃やそうとするひとがあらわれて、彼らは武器を取ったのだと言う。夢のなかだけで生きている、こどもたちが、花で洋服を編む。蔓と花弁。綿をつめて、からだをあたためるためのものをつくっている傍らで、世界という規模のうちのほんの一部の些末とも思えることに絶望しただれかが、ひつじの群れを想像しては、やわらかなぬくもりをもとめている。泣き叫ぶ声が、胸を裂くものだから、もう、なんだかすべてにおいて、ずたぼろだった。ぼくは、とにかく、しろくまのオムライスがたべたくて、はやく帰りたいと思った。氷のしたで、オルカが眠っているけれど、いまは、ごめん、しろくまのあの、包容力が恋しいのだ。森を燃やそうとしていた、月からの新人類が、氷河期の国の彼らと、ほんとうは、なかよくしたかったのだと、凍えそうなほどに冷たい、酷寒の国を、どうにか溶かしたかったのだろうと想うと、ちょっと、こころ、うごかされるものがあるなぁと思いながら、ぼくは、薄暗い地下鉄に乗り込む。

Ice age

Ice age

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-15

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