星流

雪水 雪技

星流

星流

川上から流れてくる
星々は抵抗することなく
流れに身を委ねて、きらめく

星々を一目見ようと
川下に人々が集まる
皆、輝きに手を合わせ
何かを祈っていた

それを子供が不思議そうに見ている
そして大人たちの足の間から
星の輝きを見つめていた

海には星が溢れている
熱を持った星々が
海水温度を上げて
世界は未曾有の危機

星を消そうとする人たちと
星を保護しようとする人たち
話はいつも平行線のまま

星々は海水浴を楽しんでいる
子供たちはあたたかい海に入る

ヒトデを見つけて
星に見せてあげる

星は笑っている
子供は、はにかんだ

波は穏やかに揺れている
星々は帰る日を決めていた
子供たちはそれを聞いて、
さみしいと思っていた

大人たちは相変わらず騒いでいる
子供たちは冬の海水浴を楽しんだ
星々は色々な惑星の映像を空に浮かべた
子供たちは目の色を変えて見つめていた

星々の帰る日は
とても静かな
新月の夜

子供たちが寝静まる頃に
皆、一斉に空へと飛んだ

翌朝からは何事もなく
別の事件で大人は騒ぐ

子供たちは夢が現実か定かではなく
あの冬の海水浴のことがぼやけていく
大人に話せば信じてもらえなくて、
ますますぼやけたまま大人になる

あの温度を忘れられずに
それでもぼやけていく
思い出が、夢が、
形を保てずに、

流れていってしまった

星流

星流

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-15

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