短々落語「シャカリキ」
400文字以内のショートショート落語臭
「シャカリキ」
おい虎太郎、ボーっと突っ立ってねえで、あちらのお嬢ちゃんを見てみろつーんだよ
どこだい、お父つぁん
ほら向うで、自転車の練習をしているお嬢ちゃんだよ、虎太郎いいかい、小六にもなって、補助輪付きを乗ってるのは、お前だけだよ、ちとはお嬢ちゃんを見習えっつーんだよ、あんな小さな体で補助輪なしを、シャカリキになって練習しているじゃねえか
お父つぁん
何でい
シャカリキって何だい
バカだねー、お前は。シャカリキを知らねえのかい
うん
シャカリキってのはね、シャカのリキだよ
シャカのリキ? お父つぁん、そのシャカのリキって何だい
シャカのリキは、シャカシャカ頑張る力だよ
じゃ、お父つぁん、シャカのリキってどんな漢字を書くんだい
虎太郎、お父つぁんに漢字を聞くんじゃないよ
どうして
お父つぁんは、お釈迦様じゃないから力にはなれねーつーんだよ、そういうもんは自分で調べな
どうやってだい
そりゃ決まってるだろ、シャカリキになって調べるんだよ
短々落語「シャカリキ」
お後がよろしいようで。