マツケン奮闘記・・?!④
一夜明けた今朝・・・。
朝一に、何しに来たんだか真子が、まだ寝てた俺の部屋にノック無しに入って来た。
そんで、何考えてんだか、いきなり俺の耳元で叫んだんだ。
「兼兄ーーー!!起きてーーー!!」
ってな・・。
訳分かんねぇよ、まったく・・。けど真子の奴、何気に、俺の顔を覗き込んでニコニコ笑ってるんだ・・。
(なんなんだかなぁ・・意味分かんねっ・・)
すると真子は・・・。
「おはよ?兼兄ー!ごめんね?こんな朝早くに、でも兼兄、起きるの遅いから早い方がいいかと思ったの、ああ、
それでね?今日の事なんだけど、あたし一人で行く事にしたの、だから兼兄付き合ってくれなくて大丈夫よ?
だからもう来なくてもよくなったの、色々ありがとね?そういう事だからよろしく・・あ、でももう寝たりしないで?
じゃぁね」
と、言いたい事言って出てったんだ・・。
(何言ってんだか、まだ六時になったばっかだろうがよ、まったくー!)
てな訳で、俺は、また寝しちゃったんだけどさー。
けど俺、何気に寝過ごしちゃって、何時もの兄貴のズズキ、まともにもらっちゃったって訳だ・・・。
まったく情けないっつうか、なんか泣けてくるよな・・。
まっけど、それでも真子のお伴が無しになっただけ、俺の最悪も多少は、救われた気もしないでもないけどな・・。
そしてついに、真子がラブレターの返答を返す日時・・・。
真子は指定の公園で一人、吉野が来るのを緊張してるのかソワソワしながら、待ってた・・。
そんな真子は・・・。
(兼兄に断ったのって早まったかな、もうドキドキ・・。でも手紙書いたんだし、それさえ渡しちゃえば、後は・・)
とその時、そんな真子の処へと吉野がやってきた・・。
「好かった、ホントに来てくれたんだね、ありがと、嬉しいよ、あ、そんな怖がんないでよ、僕は噛みついたりしないよ」
「あっそんなんじゃ・・、あっあの・・これ、上手く言えそうにないから、返事書いてきました、だからこれ・・」
「あ、ああっそお?・・ありがと・・」
「それじゃあたしはこれで・・・」
「ああちょっと待って?そう急いで帰んなくてもいいんじゃない?それとも僕のこと・・いや・・なのかな?」
「あ、それは・・・返事は手紙に書きましたから・・それにあたし、もう帰んないといけないの、ごめんなさい・・」
「ああっそうなんだ・・?それじゃもう少しだけ・・、それも駄目・・かな?」
「あ、いえ、少しだけなら・・」
「そっ?ああ良かった・・、ああ、えっと?こんなこと聞いて、怒んないでほしいんだけど、あの、真子さん、西田
って知ってるよね?あ、西田もまあ、僕の友達なんだけどさ・・、真子さん、西田とは・・、もう付き合ってたり
してるのかな?・・・ああああいや、ごめん、変な事聞いて・・・いいんだよ応えなくてさ、ごめん忘れて?・・ねっ?
ああっええっと?・・はあ~、駄目だ・・、悪かったね?引き留めちゃって・・、でも好かったらまた・・あ、いいや
それじゃ・・今日はホント来てくれてありがと?マツケンに、よろしくね?それじゃ気を付けて帰って・・」
「えっ?あっはい・・、それじゃ・・」
と、小首をさげた真子は、帰り道を急ぎ足で歩きだした。
(いいんだよね、でもどうして西田さん?なんかあるのかな・・まっいいわ、もう終わったんだし、帰ろうっ)
と、その途中・・。
「真子ー?!・・ねえさっき会ってた人って、真子の彼氏?」
って、いきなりだったけど声をかけて来たのはあたしと同じクラスの飯塚美穂・・。
たまに家に遊びに来てるの、でもあたしとは違って、凄く明るくて人懐こいって感じ、だから何時の間にか
兼兄とは仲良くなってたりして、ちょっと抜け目ないって感じかな・・。
「まさか?そんなんじゃないわよ、それより美穂はどうしたの?まさか今まで学校って訳じゃないでしょう?」
「そんな訳無いじゃない、ねぇそれよりさぁ、真子に話しがあるんだけど、ちょっといいかな?」
「ええっそうなのぉ?・・あ、それじゃあたしの家来ない、ねっ?」
「えっほんとー?ヤッター?!それじゃお邪魔しちゃおっと・・よかったぁ?!」
「何よそれー?まっいいけどね・・それじゃ行こっか?」
その頃、俺は渋谷と待ち合わせのカフェに、今辿りついたとこだ・・・。
店の中に入ると、渋谷は腕組みしながら椅子にそっくりかえってるのが見えた。
(なんてカッコしてんだかなぁまったく、まるでどっかのオッサンだろ・・あ、言い過ぎか・・まいいや)
「よぉー渋谷!なんだよその疲れたような顔はさぁ・・」
すると渋谷・・。
「よぉ?まあこの顔は生まれつき・・ってそんな事どうでもいいんだよ、それより桜井の事なんだけどよ・・」
(って、何、いきなりかよ?・・)
「なに、桜井がどかしたのか?まさか喧嘩売られたとか?ああ、ま、それは冗談だけどさ、何、なんかあんの?」
「なに言い出してんだかなぁまったく・・ま、いいや、あのさぁ?お前、小池が東京に行くって話し聞いてたかぁ?
俺、桜井から聞いたんだけど、ちょっと驚いた事があってさ・・」
そう、桜井 稔・・あいつも同じ高校の時の友達だ・・。
けどあいつは俺より渋谷と仲がいいんだ、何か知んないけど、渋谷とは、やけに気があってるんだよな・・。
まあ俺もつき合いがない訳じゃないけどさ、でもあいつはどう言う訳か俺とは距離をおきたがるって言うか、何だろな、
まいいか。だからそんなに親しくもない友達、って奴だ・・まっ俺は気にしてないけどさ・・。
「ああ俺、小池の話しは、本人から直に聞いて知ってんだよ・・で?驚いた事ってなんだよ」
「へっそうなのか?あ、まいいや、それがさぁ、小池が東京に行くのってよぉどうも小坂井先輩も一緒らしいんだよ、
そんでだ、桜井の奴、どうも先輩に頭来てるみたいなんだー・・」
「まあ分かんなくはないかな・・けど小池は知ってんのか、桜井の事さぁ?」」
「ああ、それは・・どうかな?俺はそこまでは知らねぇんだ?・・ああそだ、なんならお前から聞いてみてくれよ、
その・・小池にさ?俺、どうも苦手なんだよなぁ、何っつうかさぁ、ああいうお嬢様タイプの女子ってのは、身体がこう、
なんか受け付けないっつうか、何つうか・・あ、とにかくだ、苦手なんだ俺・・だからさっマツケン?聞いてみてくれよ」
(なに言っちゃってるんだかなぁ、単に緊張しまくってるだけだろ?まったく・・)
「何で俺よ?それって俺が聞く事でもないんじゃねぇの?小池が知ってるかなんて桜井がその内言うだろう?
それに二人が付き合ってるなら、小池にもすぐに分かるさ・・」
って言うと渋谷の奴、なんか気難しい顔になった。
(なんだよー?それ以上難しい顔すんなっつうの、余計おっさんぽいだろがよ・・)
とか思いつつも俺は、何気に渋谷の顔をマジマジと眺めてしまったんだよな・・。
すると渋谷・・。
「おいマツケン?なに俺の顔、マジに見てんだよ?俺の顔になんかついてんのか?お前にそうマジ見られっと、なんか
俺、逃げたくなって来んだ、だからさ、そのなんだぁ、マジ、見るの辞めてくんねぇかな?ウワッなんか寒けしたな俺!」
(何言ってっかなーまったく、訳分かんねえよ)
「あのなー?そこまで言うかーフツウ、なんか俺が変態みたいだろうがよ、まったく・・」
「へっ違ったっけ?ああっうそうそ、冗談だよ、まあ気にスンなって、なっマツケン?!・・それで、話し戻すけどよー?
ホント言うとさぁ、桜井の奴、なんか先輩に会って話しつけるとか言ってんだよ、そんでな?先輩と連絡つけてくれないか
ってよぉ、俺、なんか頼まれちゃってさぁ?・・でなー?」
と、勢いつけて乗りだして来た・・・。
(なんか嫌な予感すんだけど・・・まさかな・・けど渋谷なんだよなぁ・・・考えすぎかなぁ?)
すると渋谷・・。
「お前、先輩に気に入られてるんだよなぁ、それでなんだぁ、お前からその、先輩にさぁ、何とか話ししといてくんないかな?」
(マジ?俺の嫌な予感、マジ的中ってやつ?・・)
と、その時、唐突に、オジサンが声を掛けてきた・・・。
(はっ?えっとー誰だっけ・・?)
すると・・・。
「あの、お話し中に申し訳ない私ここのオーナーの深山といいます。いつもごひいきにして頂いてありがとうございます。
それで失礼ですが、貴方確か、同総会の件でこられた西田さんって方のお知り合いでしたよねぇ?違いました?」
(へっ?なに、あいつなんか遣ったのか?・・って、まさかな・・)
「ああっそうですけど・・、なにか?」
「ああやっぱり、実はその同総会の事で、ご相談出来ないかと思いましてね?この後宜しければお時間頂けませんか?」
「ああっそうなんですか、それじゃあの、あ、ちょっと本人呼びますんで、しばらく待ってて貰っていいですか?すみません」
っとまあ、とりあえず俺は、西田に電話を掛けた。
プルルルー・・・。
(早く出てくれー頼むからさー!)
すると・・・。
『ああマツケン?どうしたぁなんか有ったのかぁ?』
「ああ大有りなんだよ、悪いけどさ、今すぐ何時もんとこに来てくれよ、待ってるからさ、なっ?それじゃよろしく!・・」
『あっああ分かった、それじゃぁ今から行くよ、じゃぁな・・』
と、俺が電話を切ると、急に渋谷の奴が身支度しだした・・。
(はっ?なに、どこ行くんだ・・?)
すると渋谷は、にんまりと不気味な笑み浮かべながら俺の顔を見た・・。
(ウワッ・・キモッ?!ってか、不気味だろ・・)
とか思いきや、渋谷は・・・。
「マツケン悪い、俺、帰るわ、お前、取り込み中のようだしさ、それに俺はお邪魔だろからな?まあそんな訳だからさぁ?
先輩の事、よろしく頼むな?そんじゃよろしくなっ?じゃな?」
と、そそくさ店から退散・・?
(って、なに冗談言ってんの?訳わかんなくねっ・・?)
「おっおい渋谷?!なに言ってんだお前・・おい待てよ、渋谷ー?!・・まったくよー!」
(何考えてんだよあいつはー!あ、まさかあいつ、最初っからそのつもりだったのかぁ?・・やってくれるよなぁ、まったくよ)
その後、何気に俺は、三十分も待たされて、やっとの事、西田のご到着だ・・。
「やっと来たよ・・遅いだろう、俺、待ちくたびれちゃったよー?」
「ああ悪いな?・・それで、なに?・・」
「ああ、それがさー?・・」
と、まあ取りあえずの説明だけして、その後、俺と西田は、そのオーナーさんの話しを聞く事になった・・。
それで、何とか話しの内容が分かった訳なんだけどさ、どうも店側から同総会の場所を変えてくれないかってことなんだ。
まあ分からなくもないよ、最初の参加人数の予定では多くて七~八人がセイゼイだろうって事で話しついてたみたいだしな。
けど今じゃ更に五六人は増えてる訳で、そんなおっきくもないこの店じゃ、どうしたって無理は出来ないんだろな・・。
(けどこれって今さらじゃねぇ?なにこの土壇場になって言ってくんだよ、もう日もないっつうのにさぁ・・)
けどそんなの急に言われて、はいそうですかってこっちも返事出来る訳もない訳で、そんなんで結局、店との折り合いが
中々つかないまま、話しは平行線・・って、またこれも不味い話しなんだけどさ・・。
けど時間も遅くなっちゃったんでとりあえずは、また明日にでもって事で話しはそこでひとまず話しは打ち切りだ・・。
(とは言っても、どうするかだよなぁー?これからさ・・)
その後、店を出て、西田と帰り道を歩いてたんだけど、なんか西田の奴、俺より落ち込んでるのが丸わかりなんだ・・。
「なぁ西田ー?気持、解かんなくもないけどさぁ?そう落ち込むなって、なんとかなるよ?!あ、そうだ、どうせならさぁ、
明日、店行く前にちょっと打ち合わせって奴でもしてみっか?なっそれいいんじゃねっ?」
すると西田・・。
「ああ、それいいかもな・・、けど何処でやんの?まさかあの店って訳いかないだろ?まあ俺は、何処でもいいけどさ」
(ああもうー何っつう顔して言ってんだよ、まったくー?俺がしらけるだろがよ・・)
「そりゃ俺だって何処だっていいんだけどさぁ・・ああもう分かったよ、そんじゃこうしよー明日、俺電話すっから、そん時
決めよう、なぁ?それでいいだろう?」
「ああ分かった、明日待ってるよ、悪いな、マツケン?正直助かったよお前が居てくれてさ、ありがと、それじゃ明日な?」
「あっああ~そっそう明日な!・・そんじゃな?」
(ってなに、いきなりらしくない事、言ってるかなぁ、俺が調子狂うっつうの、まったく・・)
とは言っても気持はわかんなくは、ないんだけどな、なんたってあいつは俺とは違って真面目すぎるとこあるしさ・・。
そしてやっと家に帰り着いたのは、夜も十時を廻ったとこだ・・。
けど帰ってきたそうそうに俺の部屋の前で、何時から居たんだか兄貴が、ニヤニヤしながら立ってた・・。
(なに笑ってるんだよ、気持悪いなぁ・・)
すると・・。
「随分遅い帰りだなぁ?まっいいけど・・処でさぁ?俺の頼んだあの件はどうなったのかな?急がなくていいとは
言いはしたけどさぁ、一応俺も待ってはいるんだ・・・それで、どうなのかな、聞いてくれたか?」
(ああ、そう言やぁ・・すっかり忘れてたよ・・)
「ああ悪い、すっかり言うの忘れてたよごめん?ああ聞いといたよ、とりあえずは今度の同総会が終わった翌日、
何時ものあのカフェでだってさ、ええっと時間は・・ああ十八時・・まっそう言う事です。宜しくな兄貴?」
って言うと、なんか兄貴、ニコニコ顔なんだよな・・。
(まったく、なんとも正直な人だよねぇ兄貴ってさぁ?!)
「そっかぁ、よかった、ありがとな?・・ああ、そういやぁ真子のあれはどうなったんだぁ?お前一緒に行ったんだろ?」
「ああ、いや、俺はついて来なくていいって言われたから行ってないよ、あっそれ聞くって事は、真子は兄貴にはまだ、
話してないのか?ま、けど平気じゃねっ?あいつ何だかんだ言ったってちゃっかり自分の事は考えてるみたいだしさ?
平気だよ、なっ兄貴?」
「ああ、そうだな、けどお前も何だかんだ言ったって良く見てんじゃないのかぁ真子の事をさ?なんだなぁ、これからは
お前に真子の事は任せるとするかな?俺もそろそろ妹から卒業しなきゃいけない歳になってきたしさ、まあ気長に
頼むよ、なぁ兼太?それじゃおやすみー?!ああ、明日ちゃんと起きろよー?!じゃあな?」
(はは、何言ってるかなご冗談でしょ・・俺が死んじゃうっつうの・・まったく・・)
そんなこんなで俺は、何か知んないけど何時の間にか頭を悩ませる事が増えた・・。
けど、小池の件はなんたって、渋谷にいいように押しつけられたって言うのがちょいムカつくんだけどさ。
とは言え、これも邪けにはできないのも正直なとこで、奈津美にも言った手前、何とかしなきゃいけないんだ・・。
(はぁ~ぁ何で俺が、こんな羽目になんなきゃいけないんだ~?訳分かんねぇよなぁ、まったく・・)
そし翌日・・・。
とりあえず俺は、バイトが終わってすぐに、西田に電話を掛けたんだ・・。
けど、待ち合わせの場所が、中々決んなくて、仕方なくと言うか、焦ってと言うか、まあ俺の独断なんだけどさ、
俺ん家って事で決まったんだ。
そんで更に思いつきになるんだけど、これも俺の独断ってやつで、奈津美にも電話を入れてみた・・。
(出るかな?って何気に俺、奈津美のとこ、掛けんの初めてだっけか・・まいいや・・あれ、出ない?)
すると・・。
『はい、なにィ?何かあったぁ?珍しいねマツケンからかけてくるなんて、どうしたのぉ?』
(どうしたのって・・はは、なんだっけか・・)
「あ、ああ、こんちわー?珍しくマツケンだよー!てか?」
(ああ、何言ってんだ俺?初めてだからって何ボケまくってるかな・・)
「ああいやぁ悪い?・・」
っとまあ、俺が動揺しまっくてたら、奈津美の奴が怒り出した・・。
(あっまあ、当然っちゃぁ当然なんだけどさ・・)
『あのねぇ?そんなくだらないボケ言うために電話してきた訳?何考えてんのよまったく、んじゃ切るねバイ』
「ああっちょっちょっと待った!冗談だよ、だからそう怒んなよ、なっ?悪かったよ、ああ、処でさぁ?奈津美、今から
ちょっと時間取れないかな?同総会の事でちょっと話しがあんだけどさ?駄目か?」
『ああ、別にいいわよ?・・ってあのねぇ?それなら最初にいいなさいよねぇ?まったく紛らわしい?!まっいいわ
今から行くから、何時もんとこでいいんでしょ?それじゃあとでね・・』
「ああーちょちょっと待て、奈津美ー?あのさぁ?何時もんとこじゃなくて?俺ん家だ、あっそういやぁお前、
俺ん家知ってたっけか?」
『何言ってるのよーあたし行ったこと有るじゃない、一度だけだけど・・もうそんなことどうでもいいわよ、とにかく?
これから行くから、それじゃ・・』
(うわぁ怖っ?!まいいや、とりあえず来てくれるんだしな・・はは、ああ~ぁ、なんか疲れたなぁ俺・・・)
マツケン奮闘記・・?!④