ぜんぶ

テディは目が覚めて、全てが現実だってことを知った

忘れてた記憶も、なかったはずの夢も、楽しかった思い出も、全部全部がほんとうだったって分かった

うっすら開けた目から見える世界はまだ暗くて、うっすら差し込む光がまるで、手を伸ばせば全てをあげるよってぼくを誘ってるみたいだった

今日から全てが現実になったんだってテディは決意した

開けたカーテンから眩しい光と忘れた思い出が沢山はいってきた
揺れるカーテンの向こうに君がいる気もして

夢心地で聞いていた歌も、君も、全部が忘れられない思い出

もうなかったものにしない。
あったものはずっとここに。
後悔なんかしない、誰かを傷つけたらぼくはそれ以上に傷ついて、でもなかったことになんかしない。

君が傷ついたそれ以上に、ずっとぼくはその傷をかかえて生きていくよ。

君が傷ついて、一生癒えない傷なら、ぼくも一生癒えない傷と一緒にいる。

なかったことになんかしない、君が泣くなら、ぼくがずっとそこに

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-06

Copyrighted
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