個人的パラドックス

雪水 雪技

個人的パラドックス

一点から複数のものが派生する
途中で消えてしまうものも
記録だけは残っている
中心は記憶している

何処で何が起きたか
今この瞬間に既に知っている
起きたことは知っていることだけ

人は一生を簡単に使い込んで悩む
殆どを考え込んで生きている
そうして生まれる幻想は
既に存在する世界だった

神様と呼んだ存在のことも
大元と捉える概念のことも
全ては一つという考え方も
全ては無為という思想も
在ると無いという二択も

全部正しくて
そして逆でもある

正解なんてない
しかし間違いはある

世界にルールは無い
しかしタブーはある

こうして私たちは自らの神になっていく
こうして私たちは自由意志を手放していく

流されることは必要
しかし溺れてはならない

前ばかり向いてもいられない
しかし振り向いていては進めない

こうして私たちは納得して生きていく
こうして私たちは感覚を鈍らせていく

派生系の私は大元を探そうとする
しかしそれは私のことでしか無い
永遠に私のことは私の中にしか生まれない
内と外を分けても内も外も私自身だった

何処から私が来たのかわからなくなっても
結局戻る場所は今居る地点に他ならない

手を合わせて
繋がるのは
右手と左手

私が居る場所
そこにしか
世界は無い

個人的パラドックス

個人的パラドックス

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-05

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