drive(原版)
JIN
持つものと持たざる者
数年前に起きたOVER DRIVEと言われる強烈な電磁波異常により…全ての人間の脳が一時的に一つへと繋がった。その時に見えた情景は…これから起きる未来の一端の出来事を我々に見せた。
持つものと持たざるもの存在。これから起きる犯罪とその被害者たち。
数年前…大阪北新地
ニュースキャスター「番組の最中ですがニュースをお届けします。今朝未明4時過ぎに強烈な空間異常が発生致しました。繰り返します今朝未明4時過ぎに強烈な空間異常が発生致しました。この事による影響は現在のところ確認されておりませんが…政府高官は早急に対応すべしとの事で…軍が編成され大阪北新地ビルの1室に住む一人の男を拘束した模様です。男の名はジェフ・ベック。関西在住の英語講師で」
TVからそんなニュースが流れ…青年はため息をついていた。
?「はぁ…んな事しても無駄なのに?」そう言うと青年はリモコンに触れる事なくTVを消した。
OVER DRIVEによって引き起こされた空間異常によって持つ者と持たざる者と言われる者たちが出現した。持つ者と呼ぼれるDriveChildrenは脳に膨大な情報が蓄積され一つの特殊能力を得るに至った。
彼らの中には空を飛べる者…念力を使える者…炎を自在に操れる者が居て…その力を使い世界を掌握して行った。持たざる者と呼ばれる…旧人類は彼らに抗う為に…地下に渡り数年の月日が流れた。
柊終夜(しゅうや)もDriveChildrenの一人で…地上に残る事を許された新人類であった。
??「シュウちゃん!!?まぁーたそんなとこでTV見てんの?」
シュウ「ん?姉貴か?何だよ急に?」
??「何だよ?じゃないでしょ?今日あんたの通う中学校の入学式でしょうが!!?何のんびりくつろいでんのよ!!?」
シュウ「大丈夫だよ。俺にはとっておきがあるから」そう言うと終夜(しゅうや)はパンを口に加えながらコーヒーを一口飲んでパンを飲み込む。時刻は午前9時25分。あと数分で入学式が始まる時間である。
シュウ「しやぁねぇもう行くか?」そう言うと終夜(しゅうや)は一瞬で消え入学式の行われる学校の体育館へとテレポートしたのであった。
同日地下に造られた旧人類の居住区では…一人の少年が汗を流し労働に明け暮れていた。
少年の名は柊雪斗(ユキト)表向きにはしゅうやの兄で超能力を得られなかった取り残された者たちの一人である。
?「坊主。そっちは良いからあっちを頼むぜ」
ユキト「はい!!わかりました」
ここはDriveChildrenによって造られた地下居住区で超能力を持たない人類は奴隷のように強制労働を強いられている。通称(レクト)と呼ばれるそこはまさにDriveChildrenの監視化にあった。
ユキトの妹である柊未来はその現状を打破する為に旧人類居住区から…西に200kmほど離れた地下に造られた郊外の街でひっそりと暮らしていた。
??「ねぇねぇ未来お姉ちゃん…一緒に遊ぼう」
未来「フフっ(笑)いいわよ何して遊ぶ?」
??「んっとねぇ~?」
?「未来ちゃ~ん…ご飯の準備出来たよ」
未来「え!!?もうそんな時間??」
未来「ほんとだっ!!?ごめんねトワちゃん先に食べといてすぐに行くから」
トワ「OK了解(笑)ニヒっのんびりしてると未来ちゃんの分まで食べちゃうぞぉ~!!」
その頃…旧人類居住区のB5エリアでは…とある者たちが集まり密やかに会話していた。このB5エリアはDriveChildrenが唯一干渉できないエリアで立ち入り禁止区域の一つであった。
??「イーサン。奴らの動きはどうだ?」
イーサン「今の所変わりなしだ。」
?「あのサイコ野郎どもほんまむかつくわ。超能力使える事がそんなに偉いんか?」
??「しっ(汗)ラファエル静かにしろ。奴らに聞かれたらどうするんだ?」
ラファエル「心配する事あらへん。ここはわいが作った装置で守られたエリアや。サイコ野郎がこの街に入った瞬間…即袋叩きや!?」
?「イーサン聞こえる??」
イーサン「サキ吉か?どうした?」
サキ吉「東の要塞で動きがあるみたいなの…ちょっと来てくれる?」
イーサン「了解した」
時を同じくしてユキトは(レクト)上空の空に一筋の閃光を見ていた。
??「何だい?ありゃ?」
ユキト「……心の声(時透粒子?何であれがこんなところに?)」
?「あら!!ヨシさん知らないんですか?時透粒子ですよ」
ヨシ「時透粒子??」
?「ええ別名「別名(時の砂)」私たちの希望の光です」
その日の深夜‥ユキトはとある場所に来ていた。
カチャカチャカチャっ
ユキト「トキトキ…区の上空で目撃された時透粒子の行方を探ってくれ」
トキトキ「かしこまりました。マスター」
?「何か?わかった?ユキト?」
ユキト「いや…まだ何も…それよりこれを見てくれ」
?「ん?」
そう言うとユキトはとある映像を女に見せる。映像には時透粒子が何かに衝突して時空に切れ目ができる所が映されていた。
?「これって??まさか!!?」
ユキト「おそらくそのまさかだ」
トキトキ「ピピっ解析完了…解析完了」
トキトキ「場所は(レクト)最北部…B8エリアでございます。マスター。」
ユキト「あそこか?」
?「B8エリアだと…東の最果てに研究所がある所ね?」
ユキト「だな?」
?「どうするつもり?」
ユキト「どうするもクソも行って確認するしかないだろ!!?」そう言うとユキトは立ち上がり…Pocketからキーを取り出しボタンを押す。
数秒後…何処からともなくバイクが走ってきて…ユキトの前に停車する。
?「い!!?行くって正気なの?あそこにはあの男がいるのよ!?」
ユキト「あんなタコ野郎…恐れてたら何もできねぇーよ。」そう言うとユキトはバイクに跨がりエンジンを吹かせ始める。
♪♪♪♪
?「あんた馬鹿なの?殺されるわよ?」
ユキト「はぁ…心配しすぎなんだよ!?あみかは。それよりこれ持っといてくれ」そう言うとユキトは小瓶をあみかに投げつける。
あみか「ちょ!!…ちょっと」
ユキト「その時の砂。ぜってぇ無くすなよ。」そう言うとユキトはバイクを走らせ研究所があるB8エリアへと向い始める。
あみか「な!!?てちょっ!!ちょっと待ちなさいよ!人の話しは最後まで」
同刻…レクト研究所内では…
研究員「片側。進化に必要な量の人体の採取が完了しました。進化します。」
シルバル「くくくっいよいよか?」シルバルがそう呟いた直後に先程まで巨大な猿のような姿をしていた片側モンスターの身体がみるみる変化していき人間の姿へと変化する。
片側モンスター「ここは…俺はいったい何を?」
ハンニバル「ここまでは上々。いかがいたしますか?シルバル様?」
シルバル「新しく出来た次元の歪に排出したドローンの映像を映すんだ」
ハンニバル「かしこまりました」
西暦400年…中国山間部
?「父さん…捕まえてきたよ」
??「ご苦労。休んで良いぞ」
?「うん。」青年はそう言うと…テントを出て行く。
この時代の中国山間部に位置するこの里の名前は片側の里と呼ばれており…片側モンスターが西暦200年頃に出現した事で生まれた平行世界の里である。
甲子園球場75個は入る程の雄大な土地を治める片側の里の人間は生まれながらに不思議な力を宿していた。
?「周方!!狩りは上手くいったの?」
周方「ん?当たり前だろ?笙鈴(ショウリン)俺を誰だと思ってんだよ!!」
笙鈴「誰ってドジで間抜けな李周方でしょ?」
周方「はぁ…お前なぁ(呆)」
笙鈴「何よ??」
?「ねぇねぇお姉ちゃん見てよこれ。」
笙鈴「ん?どうしたの?洛洋?」笙鈴がそう問い掛けると洛洋と呼ばれた少年は青年の姿へと変身した。
洛洋「どう?凄いでしょ?」
笙鈴「変身能力?そっか?洛洋ももう10歳だもんね?」
笙鈴「うん(笑)凄い凄い」
3人のそんな会話をドローン越しに見詰めるハンニバルは被検体365通称(片側モンスター)の遺伝子を人間が受け継ぐ事を確認していた。
ハンニバル「スキャンしろ!!」
研究員「スキャンします」研究員がそう言った直後に透明化した小型ドローンは3人をスキャンし身体構造を調べ始める。
研究員「これは…!!?」
ハンニバル「どうした?見せろ?」
ハンニバル「心の声(骨がない…?こんな事が可能なのか?)」
研究員「博士。これが被検体365の性質を受け継ぐ子孫たちの遺伝子サンプルの配列です。」
研究員「アデニン×チミン×グアニン×シトシンの保有量が我々の2倍の数値を示しており…2本鎖では無くそれ以上の本数からなっているものと推察されます」
ハンニバル「何だこの(x)と表記される物は?」
研究員「わかりません。ですが…これが突然変異へと繋がる何らかのきっかけとなっている事は間違い無いでしょう。」
ハンニバル「この遺伝情報を元にクローンの作成は可能か?」
研究員「可能です。ですがそれには彼らのDNAサンプルの採取が必須となります。」
丁度その頃…ユキトはB8エリアの地下深くに到達していた。
ユキト「トキトキ…時透粒子はありそうか?」
トキトキ「はい。ここから東に2km程進んだ所に粒子反応を検知しました。」
ユキト「なら行くしかねぇな?」
ザザザぁーーーー
あみか「待って!!ユキト」
ユキト「あぁ??んだよ?あみか?」
あみか「それ以上は危険よ。これを見て。」そう言うとあみかは先行させていたドローンから入手した映像をユキトが付けるヘルメットに転送する。
映像を見ると今は使われていない旧施設の入口を警備ドローンが封鎖しているのが見えた。
ユキト「いよいよきな臭い雰囲気だな?」そう呟くとユキトはバイクのハンドル部分に備え付けられた赤いボタンを親指で押した。
すると先程までは激しかったエンジン音が消えてユキト事透明になった。
ユキト「あみか。ナビゲーションを頼む。」
あみか「了解よ。そこから東に1Km進んだ地点に今は使われてないHOTELがある筈よ。まずはそこまで向かって。」
ユキト「OK。了解したぜ。」
その頃…未来とトワは隔絶されたレクト内部の映像をあみかから転送された映像で確認していた。
未来「うー…ん?今お兄ちゃんがいるのがこの辺りで‥粒子反応があるのはココ?なーんか腑に落ちないんだよなぁ…?」
トワ「何で?そう思うの?」
未来「いや?何でって別に特に理由はないんだけどさぁ…」そう言うと未来は…念力でコーヒーの入ったコップを宙に浮かせ自分の手元に引き寄せて飲み始める。
?「お前の気にし過ぎだよ」その言葉と共に部屋の中に一人の男が突然現れる。
未来「ん?ジュン…くん?」
ジュン「おっす久しぶりだな?」
トワ「ジュン兄どうしたの?急に?」
ジュン「ちょっと色々あってな(汗)?」
ジュン「それよりこれを見てくれ」そう言うとジュンは1枚の地図をトワたちに見せる。
トワ「何これ?」
未来「Rewriteの地図じゃない?これがどうしたの?」
ジュン「一見はな…がこの地図が本当に示してるのはそこじゃねえ」そう言うとジュンは電気を消してリライズと呼ばれる特殊な機器の光を当てる。
すると地図からレクト内部へと繫がる秘密の通り道が記された抜け道が浮き出てきた。その道中にあるXと表記されたエリアに赤いバツ印がついており…何か別の物の在処を示していた。
未来「これって?もしかして」
ジュン「あぁそのもしかしてだよ」
トワ「何々?どういう事?話しが見えないんだけど(汗)?」
ジュン「まっ!!?頭の悪いトワにはわからねぇさ。それより…」
トワ「それよりじゃあなーい!!!わかる様に説明なさい!!!」
ジュン「はぁ…お前なぁ(汗)?」
未来「トワちゃんこれあの幻の都市に行く為の転送装置の場所を示してる地図だよ。」
トワ「幻の都市?」
未来「そ!!!移動都市リバイヴって聞いた事ない?」
移動都市リバイヴとは常に深海を移動しながら海の奥深くに存在するという幻の都市であり…誰が住んでるかも生物がそもそもいるかもわからないとされる幻の都である。一説には超能力を得られなかったとある国の大富豪が作ったとされる移動要塞でDriveChildrenに対抗する為に様々な国の研究者を集めていると噂される信ぴょう性の乏しい伝説級の代物である。
トワ「知ってるけど…んなもんある訳無いでしょーが!!!?馬鹿なのはそっちじゃん!?」
ジュン「はぁ…たくお前は浪漫がねぇなぁ?」
未来「そうだよ。トワちゃん。移動都市とか何かワクワクするじゃん!?」
未来「私はリバイヴの都にあるとされる移動図書館が結構気になってはいるけどね?何でも世界中のありとあらゆる図書館と扉と扉で繋がってて特定の条件を満たしたら開かれて中には先人が持ち去ったとされる国宝級のお宝が眠ってるらしいわ」
トワ「んなのある訳ないでしょ?(呆)だいたい図書館とお宝ってミスマッチだから…。」
ジュン「んな事ねぇーよ。リバイヴに保管されてるとされる失われた7つの書を売れば時価総額200億はくだらねえ。俺たちそれを見つけたら一生安泰なんだぜ。」
トワ「はぁ…(呆)ジュン兄の妄想に頭がおかしくなりそうだわ。私…」
ジュン「何だよ?その言い草?つか何見てんだよ?」
トワ「レクト内部の映像よ。」
ジュン「ユキトの奴まだレクトに潜り込んでんのか?つか、彼奴も超能力使えるのに何で使わねぇのか不思議でならねぇんだが?」
未来「あっはは(汗)多分レクト内で生活する為だよ!!お兄ちゃんの能力派手だから使ったらすぐに超能力者だとバレてレクト追放されちゃうもん」
ジュン「なるほどねぇ?まっ!!俺らの目的は同じ人間を奴隷の様に扱う上層部のゴミ屑どもを懲らしめる事だししょうがねぇか?」
トワ「そーよ!!その為にレクト内部の協力者を募って…上層部とレクトを切り離す為の策を練ってるんでしょーが!!!?」
トワ「あ!!とゆーかジュン兄ちゃんレクトの組織図とか調べて来て無いでしょ?」
ジュン「調べてきたに決まってんだろ!!?いいかまず…」そう言うとジュンはレクトの組織図について語り始める。
ジュンが言うには…(DriveChildren)上層部の一部の白人階級通称【LLL】が現在のこの世界を牛耳っている。彼らは…超能力を得られなかった者たちを一つの地区に閉じ込めた。いわゆるそれがレクトである。日国を統治する現在の首領(安本)は【LLL】と対峙すれば北米国との全面戦争は避けられないとし…日本の地下にレクトを作る案に合意し彼らの指揮指導の元に超能力を得られなかったカースト層の人間たちに強制労働を従事させている。
このレクトは北米国の傘下に入る全ての国の地下に存在し…社会的な問題となっている。一部の白人はその現状に立ち向かう為に民間団体【LHS】を創り上げた。LHSの組織図は白人男性のマークウィリアムズと黒人男性のニックコペルトンを頂点とし北米国のレクト(奴隷)解放運動を展開し国と【LLL】上層部と戦っている。
ここまではこの国の人間なら誰もが知る歴史だがジュンは続けてこう言う。日本のレクトを統治しているのは…米国陸軍中将の「アレン・ウォルトナー」という男で…組織図は以下の様になっている。
日本レクト統治責任者
(アレン・ウォルトナー)
日本レクト所長(ニックス・ペイン)
日本レクト所長補佐(滝本蓮太郎)
統治管制官(リック・アレン)
人事部部長(安本剛)
総務部部長(石井隆)
管理調整部部長(安岡真)
基本的にはこの7人が日本のレクトを統治運営をしておりその下に約50万人の部下がいる。
アレン・ウォルトナーとニックスペインは軍人で陸軍中将と陸軍大佐を兼務しており…彼ら2人の意見にそわない部下は国家反逆罪という名目の元軍会議にかけられてその多くがその後一生刑務所の中で過ごす事になる。
瀧本蓮太郎は50万人の部下の中から選び抜かれた生え抜きの部下で彼ら2人が不在の場合の最高責任者である。
だが実際にはアレンは不在の事が多く…重要な会議がある時以外は顔は出さない為実質的にはニックス・ペインが最高責任者である。
指示系統としては所長のニックスと所長補佐の瀧本が会議で今後の事について話し合い議論の末でた結論が統治管制官であるリック・アレンの元に伝えられる。リックはレクトの運営方針に基づいて各部の部長と連携を取り部下の育成からカースト層への住居までを決定している。またレクト内部で働く労働者(カースト層)には1日(2500円)が支給され彼らはこれしきの金額で1日15時間という長い労働を強いられている。
それ以外のレクト社員は月間概ね20万~2500万までの間の金額が支給され超能力を持たない者と持つ者との間に大きな溝を作っているとジュンは言う。
トワ「ふ~んジュン兄にしては珍しく勉強してきたんだね?だいたい合ってるよ。」
ジュン「たりめぇだろ!!!?舐めんなよ!」ジュンがそう呟いた直後にあみかから通信が入る。
ザザザぁーーー
あみか「未来ちゃん聞こえる??」
未来「聞こえるよ?どうしたの?」
あみか「トワちゃんに1つお願いしたいんだけど良いかな?」
未来「トワに??」
トワ「あみちゃんどうしたの?」
あみか「トワちゃんの能力でユキトくんをサポートしてあげて欲しいの?できるかな?」
トワ「私の能力で??」
あみか「うん。だからジュン君をそっちに向かわせたの。詳しい話しは後で。」そう言うとあみかは通信を切る。
ジュン「なるほどな?俺がココに来るように言われたのはそういう事だったのか?行くぞトワ」そう言うとジュンはトワの手を握り目を閉じる。
トワ「ちょ!!!!行くって何処に??」
ジュン「細けえ事気にすんなよ。行けばわかるって」ジュンはそう言うとトワを連れてとある所にテレポートした。
その頃…ユキトは潰れた廃HOTELの部屋の一室からドローンを操作し研究所周辺を探っていた。
ユキト「なるほど…警備は厳重だな?」
ユキト「どうしたもんか?コイツは容易に近付けねぇぞ…。」ユキトがそう呟いた直後にトワとジュンが現れる。
ジュン「ユキト元気してたか??」
ユキト「ん?トワとジュンか?どうしたんだよ?急に?」
トワ「あみちゃんに頼まれて来たの」
ユキト「あみかに?」
トワ「うん」
ユキト「あぁ!!!そういう事か?確かにトワとジュンの能力があれば簡単だな?」
ジュン「何の話しだよ?」
ユキト「これを見てくれ」そう言うとユキトはトキトキの目を光らせて研究所周辺の映像を映して見せる。
ユキト「光学迷彩探査ドローンで施設全体をスキャンして探らせた所…施設の西側と北側の入り口に警備ドローンがいて…施設内部には少なくとも数十人の人間がいるようだ」
ユキト「1番奥の部屋から強い時透粒子の反応があるものの…そこまでたどり着くには幾重ものシャッターとドアをくぐらなければならない」
ユキト「また…各部屋の入口や施設の廊下には警備ドローンがいて見付かればすぐに警報装置が鳴り響くシステムになってるみたいなんだ」
ジュン「それだと…よしんば俺の能力で施設の中に潜入できても…すぐにドローンにバレるんじゃ?」
トワ「あぁ~なるほど。だから…あたしな訳ね?」
ユキト「ご明察…話しが早くて助かるよ」
ジュン「ん?ちょ!!ちょっと待てよ?そこで何でトワが関係してくんだよ?」
トワ「ふふん(笑)そう言えばお馬鹿なジュン兄にはあたしの能力言ってなかったかなぁ?」
ジュン「何だよ??」
ユキト「ジュン悪いが今は戯れてる場合じゃ無いんだ。そんな事行けばすぐにわかるさ」
トワ「そういう事。ほらジュン兄早くテレポートしてよ」
ジュン「あのなぁ…人を便利な乗り物みたいに言うなよ。テレポートすんのも結構疲れるんだからな(汗)」
その頃…ジュンたちが所属するエリクシル本部の宿舎に隣接するバトルフィールドでは来たるべき決戦に備えて模擬訓練を実施していた。
ザザぁーーー
?「隊長ターゲットは森の南西8Kmのポイントで走りながら移動しています」
??「了解した。ラビットで引き続き尾行し目標地点までターゲットを誘導してくれ」
?「了解です。」
ゆん「ヴァンビくん敵の居所はわかったの?」
ヴァンビ「もちろんだよゆんちゃん。俺に任せとけば万事解決。今回のバトルフラッグスも俺らの勝ちで間違いないぜ」
ゆん「ねぇ?それほんとぅ〜??前もそう言って負けてたじゃん?」
ヴァンビ「任せときなってすぐに部下のみゆから連絡が入る筈さ。」
ヴァンビたちがそんな会話をしている頃…森の南西8Km地点では…
??「はぁ…はぁ…はぁ…」
??「心の声(たくっしつこいなあのうさぎ何度倒しても煙が元に戻るように再生しやがる)」
?「ターゲットB地点通過。間もなく狙撃ポイントに入る。」
???「了解した。罠の起動準備に入る」
ノエル「ひひっ(笑)ぎし君もこれで最後だよ。僕お手性の特性フラフープの威力をとくと味わうと良い」
♪♪♪♪♪ドドォーン
隊員がそう言った直後に地面に大穴が開き走っていた人物が地面に吸い込まれていく。
ぎし「なっ!!?くそこうなったら」そう言うとぎしは地面に落下しながら目を閉じ力を溜め込み始める。
次の瞬間…ぎしの姿がドラゴンの姿へと変異し空中に舞い上がろうとする。
ノエル「にひっ(笑)そう来ると思ったよ。」ノエルがそう言った直後にフラフープが急速な速度で収縮しぎしを羽ごと抑え付けて拘束する。
バシィッ♪♪♪
ぎし「心の声(これ…は力が抜けていく何だ?)」
ドぉンっ
ノエル「にひひ(笑)ぎし見動き1つ取れないだろ?」
ノエル「これは僕が創った君専用の拘束アイテムだよ。そのフラフープにはドラゴンの力を弱め吸い取る力が備わっている。」
ノエル「もうそろそろ変身状態を保っておくのも辛いんじゃないかな?」
シュウ…ウウウウ♪♪♪♪
そんな音と共にぎしはみるみる人間の姿に戻っていきそれに呼応してフラフープも収縮しぎしの手と腕をより一層強く縛り付ける。
ぎし「ひっひ卑怯だぞ…」
ノエル「戦いに卑怯もクソもないよ罠にかかった君が悪い」
ノエル「それよりぎし君は本当に美味しそうな顔をしているね(笑)?」
ノエル「僕!!君のその姿を見る度に興奮してしまいそうだよ」
??「ノエルさんそんな奴食べたら吐きますよ」
ノエル「ん?やぁみゆ出て来たのかい?」
みゆ「ええ。もう隠れておく必要なんかありませんから」
ぎし「…ちっ…くしょうみゆてめぇ?」
みゆ「はぁ…ノエルさんがあんたのその姿のどこに興奮を覚えているのか私にはわからないけどこれだけは言える。」
みゆ「ぎし。チェックメイトよ!!!」そう言うとみゆはぎしの眉間に銃口を突き付ける。
ノエル「にひっ(笑)そういう事んじゃぁね?」ノエルが不敵に笑った直後に銃声が鳴り響きバトルフラッグス専用アイテム(雷撃銃)がぎしの全身を黒焦げにし気絶させる。
その途中で言葉にするのもしんどいぎしの断末魔の叫びがフラフープの影響で開いた大穴の中に響き渡るがみゆは躊躇しなかった。
ザザザァーーー
みゆ「隊長。ぎしの捕獲完了しました。」
ヴァンビ「了解した。森の様子はどうだ?」
みゆ「森の南西に5人。北西に1人。中央地点に3人いてラビットソルジャーと交戦中の模様です」
ヴァンビ「ならば今度は北西にいる1人を狙え!いいか?くれぐれも油断するなよ」
みゆ「了解しました。」
ノエル「ねぇ?みゆぎしの事僕に預からせて貰っても良いかな(笑)?」
みゆ「良いですけど?何するんです?」
ノエル「何って?そりゃもちろん解体だよ。僕は龍神化できる人間の構造がどーしても知りたくてね?」
??「却下だ!!捕虜はこちらで預かる」
ノエル「ええ〜!!?何でさぁケチっ」
??「お前に預けるとロクな事起きねぇだろーが!!?」
みゆ「シルバさん珍しいですね?こんな所まで?」
シルバ「みゆか?まぁな?」
シルバ「それよりそいつ貰ってくぞ」
みゆ「え…ああ!!?」みゆが呆気に取られているとシルバがぎしを肩に抱えて大穴から物凄い脚力で駆け上り走り去って行った。
その頃…ぎし訃報の知らせを聞いたぎしチームの隊長は焦っていた。
??「くそっ何やってるんだ!!?」
?「隊長落ち着いて下さい。まだぎしくんを取り戻す方法はありますよ」
隊長「そうは言っても森本?どうするつもりだ?」
ルナ「どうって?それ…は?」
???「隊長。その件に関しては僕に任せてみてくれませんか?」
隊長「佐々木?何か策があるのか?」
佐々木「ええ僕に任せて下さい」
その頃森の南西ではルナチームのメンバーたちがラビットソルジャーと交戦しながら森を移動していた。
?「くそったれ。どうなってる!!?」
??「落ち着けオルガ。よく見ろ奴らに実態はない」
オルガ「んな事わかってんよ。どうやって奴らを倒せば良いのかわかんねぇから焦ってんだよ」
???「さぁ僕にもわからない何処かにいる術者本人を見付けて倒すしかないだろうね?」そう言うと青年はラビットソルジャーの攻撃を躱し宙に舞い上がる。
??「そういう事だ。オルガ行くぞ」
オルガ「ちっしょうがねぇな!!?」オルガという男がそう呟いた直後に何かを投げ付けると周囲に黒い靄のようなものが立ち込み始める。
???「どうやら…ラビットたちは僕らの姿が見えてないみたいだ。今のうちだ僕に掴まれ」
シュン…♪♪♪♪そんな音が響いたかと思うと先程まで居た3人は姿を消し何処かへと消えてしまった
同刻…森の北西付近
ザザザぁーーー
みゆ「隊長。南西にいる3人の姿を見失いました。どうしますか?」
ヴァンビ「今は追わなくて良い。とりあえず北西付近にいるターゲットに集中しろ」
みゆ「了解しました」
ノエル「逃げられちゃったかぁ~(笑)向こうもやるね?」
ノエル「まぁ予想はしてたけど‥?」
ノエル「そろそろ目標地点に到達しそうだね?みゆ君はそこの崖の上からターゲットが来るのを待つんだ。僕は下に行って…準備を整えてくる。」
みゆ「わかったわ。ノエル頼んだわよ」
ノエル「にひっ(笑)任っせておいて…」
ノエル「さてさてさぁ~て(笑)新作を試す良い機会だ。」そう呟くとノエルはまたも地面に珍妙なアイテムを設置し始める。
その頃…ルナチームの柊こと柊和歌は夜の夕闇の中完全に気配を消していた。
柊和歌「心の声(さて…そろそろかな?)」
柊和歌「心の声(ん?あれは?)」
??「しっかしゆん課長ほんとに可愛いよなぁ?」
?「バカっ声がでけぇぞヴァンビさんに聞かれたらどうすんだよ?」
??「あっははは(笑)バッカだなぁ?心配しすぎだって!?」
柊和歌「心の声(敵チームの下っ端か?)」和歌はそう心の中で呟くと…耳に付けてる通信機でルナに敵を発見した事を伝える。
ルナ「了解。ワカちゃんは暫く敵の監視を続けておいて。周囲に旗はありそう?」
柊和歌「…ない…でも」
ルナ「そっか‥でも?なに?」
柊和歌「敵の身体を使えばわかるかも」
ルナ「身体を!?って何するつもりなの?ワカちゃん?」
柊和歌「僕の擬態虫を奴らに飛ばす」そう言うとワカは通信を切り…静かに目を閉じてフッと息を吐く
ルナ「ちょ!!?ワカちゃんワカちゃん」
ルナ「だめっ通信が切れた!?」
隊長「どうした?森本?」
ルナ「ワカちゃんが何かするつもりみたいなの?」
隊長「何か?」
ルナ「うん何か?擬態虫がどうのこうの?って」
隊長「あっははは(笑)森本ヒイラギを信頼してやれ!奴はああ見えて案外エリートなんだぞ」
ルナ「はぁ…」
森の南東…ゆんチームの本部近く
??「ヴっヴァンビさん…どうしてこんなところに?」
擬態虫(ヴ)「何でってそりゃ作戦の為だよ」
擬態虫(ヴ)「それより怪しい奴はいないか?」
??「今の所は怪しい奴の姿は確認しておりません。」
擬態虫(ヴ)「そうかなら頑張れよ」擬態虫扮するヴァンビがそう言い部下の背中に手を回した時服の袖元から一匹の虫が静かに出て部下の耳元に近付くと体内へと侵入した。
次の瞬間…部下の様子が少しおかしくなり沈黙する。
擬態虫(部)「エリクシル所属認識番号11281…ディン・マクレガー。好きな物はラーメン。いちご。それから」
突然意味不明な事を喋り始める部下の様子を見て擬態虫は確信する。
擬態虫(ヴ)「どうやら上手くいったみたいだな?」
擬態虫(ヴ)「あっちも上手く行ってるといいが」そう言うとヴァンビに扮していた擬態虫は既に拘束したゆんチームのもう一人の下っ端に姿を変えてその場を後にする。
その頃…ゆんチーム本部の近くでは…
♪♪♪♪ブゥーーーン
??「何だ?この虫はええいうっとおしい」
バシっ
??「くそ逃げられた!?何処に行った」
ヴァンビ「何やってんだよ?ユアン?」
ユアン「いや…隊長それが虫がうっとおしくて」
ヴァンビ「虫なんかいねぇじゃねーか?」
ユアン「いや…さっき迄は確かにいたんです」
ヴァンビ「まぁーたぁ?どーせゆんちゃんの可愛さに見惚れて仕事サボってたんだろ?」
ユアン「そんな事してませんって(汗)」
ゆん「どうしたの?ヴァンビくん?」
ヴァンビ「いやそれがゆんちゃんこいつゆんちゃんの可愛さに見惚れて仕事サボってやがったんだよ」
ゆん「あははっ(笑)もう駄目だよユアン」
ユアン「だからそんな事してませんって(汗)」そう弁明するユアンの耳から一匹の虫が体内に侵入し彼の脳を支配していく。
ユアン「………」
ヴァンビ「ん?どした?ユアン?急に黙りこくって」
擬態虫(ユ)「いえ(汗)何でもありません」
柊和歌は無事に2人の中に虫が侵入し自身の支配下になった事を確認すると目を開きフゥーーっと息を吐く。
柊和歌「…第1段階クリア」
その頃森の北北東付近では…激しい戦闘が行われていた。
キィーーーーーン
??「やるねぇ?シルバ」
シルバ「あんたもな?」そう言うとシルバは男の刀を弾き返すと…蹴り飛ばす。
ヒュウーーーーーン
??「フックク君とのバトルは本当に楽しいよ」男は吹き飛ばされながらそう呟くと手から何かを飛ばして攻撃する。
シルバ「八咫烏か?厄介だな?行け霊冥王」
霊冥王「…~~~~承知した」霊冥王は一言ポツリと承知したと呟き八咫烏を迎え撃つ。
♪♪♪♪♪
ほんの少しの間‥八咫烏と霊冥王の激しい戦闘が続いたかと思うと…八咫烏が一歩引いて突然カラスの姿から人形に変わり始める。
八咫烏「やっぱり君相手じゃカラスのままじゃキツイや…」
霊冥王「………」
八咫烏「相変わらず無口だねぇ?」
八咫烏「行くよ霊冥王」そう呟くと八咫烏は物凄い速度で一気に間合いを詰めると霊冥王もろともシルバを斬ろうとする。
シルバ「こいつぁ貰ったらヤバそうだ…」シルバは一歩下がると…ガードを霊冥王に任せて地面を思いっきり拳で殴った。
すると地面に大穴が開き…周囲の地面が揺れ始める
??「うあわっとっ」
シルバ「そこか!!?」そう呟くとシルバは足に力を込めて一気に間合いを詰めて男を背中の大剣で斬ろうとする。
ギィィーーーンンングクゥー
??「相変わらずバカ力だねぇ。まさか僕が隠れてる所までバレちゃうなんて?」
シルバ「貴様の気配は感じていたからな?」シルバがそう呟いた直後…男の髪の色が黒髪に戻り始める。男は髪色が戻り切る前にシルバの大剣を弾き返して一歩下がると呟く。
??「残念(笑)時間のようだ?」
??「八咫烏戻っておいで」
八咫烏「何だよ?尚久。良いとこだったのによ」
尚久「まぁそう言うなよ八咫烏。」そう言うと男は八咫烏と共に次元のひづみへと消えてしまった。
シルバ「何だったんだ奴らは?」
その頃…ゆんチーム特殊監房では捕虜となったぎしが目を覚ましていた。
ぎし「…ん?ここは?」
ノエル「やぁぎしお目覚めかい?」
ぎし「ノっノエルてめぇ…」そう言うとぎしはノエルに掴みかかろうとするが手がすり抜ける。
ノエル「残念でしたぁ…(笑)これはホログラム映像だよ」
ノエル「僕が君の側にいると思った(笑)?」
ぎし「てんめぇ…バカにしやがって」
ノエル「にひひっ(笑)確かに君の身体を解剖したいなぁ!!?とか思ったけど…今は」そう続けるとノエルは延々と自身が知りうる龍の身体の構造について語り始める。
ノエル「それでさ…ってぎし聞いてる?」
ぎし「聞いてねぇーよ」
ノエル「もう釣れないなぁ…あ!!!そうそう本物の僕から伝言。その指輪そろそろ新しいのに変えた方が良いかもね?だってさ」
ぎし「指輪を!!?」
ノエル「そ!!その指輪もう黒くなってるでしょ?後2、3回ドラゴンに変身すると壊れちゃうよ」
ぎし「買い替えたいのは山々なんだが…」
ノエル「お金がない?」
ノエル「そう言うと思ったよ(笑)そんな君に特別大奉仕。今なら何とこのアエンデ石の指輪を特別価格でご案内!!?」
ノエル「本来ならば…指輪と能力付与代込みで7000万ルピーっと言いたい所だけど…現品限りにつき700万ルピーでご案内」
ぎし「お前絶対ぼってるだろ?」
ノエル「バレたぁ(笑)?ウソウソ団員の君からお金なんて取らないよ」
ノエル「そこの引き出しを開けてご覧(笑)僕からの細やかなプレゼントがあるよ!!んじゃあね(笑)!?」そう言うとノエルのホログラム映像は消えて特殊監房の引き出しの鍵が解除される音が響き渡った。
ぎしは引き出しを開けて指輪を手にはめるとポツリと呟く。
ぎし「サンキューな…ノエル」
その後…ぎしは暫く部屋を見渡して考え込み始める。特殊監房はドラゴンの力を封じ込める造りになっていて能力を使おうとしても使えない。おまけに扉は鋼鉄製の金属の重い扉。窓は無く…灯りはあるものの…薄暗い照明が付いているのみでここが森の何処かも掴めない。扉の外に1人の男が立っており15分毎に看守があたりを見渡しているようである。
ぎしがそんな事を考えていると…ふと扉の外から話し声が聞こえてくる。
??「おい聞いたかよ…この森の何処かにお宝が眠ってるらしいぜ」
?「ばーか!!んな事信じてんのか?ある訳ねぇだろ!!?んなもん」
??「はぁ…たくお前は浪漫がねぇなぁ?移動都市リバイヴって聞いた事あんだろ?」
?「知ってるけど…それが何だよ?」
ぎしは耳を済まし話しを聞こうとしたが男たちはぎしの扉の前から遠ざかっていく。
その時だった…ドォーンという激しい音と共に監房内が揺れ始める。
??「何だ!!?」
?「わからん。とにかく監房Aへ向かえ。音はそっちからする」
ぎしは少しビビったが…目を閉じて再び瞑想を始める。瞑想を始めてから数分後…ぎしの足を何かが引っ張る感触を察知して目を開く。
ぎし「心の声(ん?ネズミ?何でこんな所にネズミが?)」
ネズミ「チュチューチュー」ネズミは必死に何かを訴える様にぎしを突いていた。
ぎしが少し視線をそらすとネズミの脇に一本の鍵が落ちていた。ぎしはそれを手に取り呟く。
ぎし「これは…扉の鍵なのか?」
ぎし「心の声(いや…待ておかしいこの扉に鍵なんて無い。だとしたらこれは…)」ぎしがそんな事を考えていると突然時空の裂け目が出現する。
ぎし「なっ!」
次の瞬間…ぎしは裂け目に吸い込まれていき時空の彼方へと姿を消した。ぎしが目を開くとそこは…見た事もない場所で…何処かの図書館の中だった。
ぎし「何だよ?ここ?図書館?」ぎしがそう呟いた直後に…突然後ろから声が聞こえてくる。
??「おや?お客人とは珍しいね??」
ぎし「えッ!!?いや客って訳じゃ?」
??「ふぉっふぉっふぉ(笑)良い良い」そう老人が言うと…1冊の本がぎしの前に現れる。
ぎし「えっとこれは?」
??「手に取って本を開きなされ。主が求めてる事はそこに書いてある。」老人がそう言うと…再びぎしは時空の裂け目に吸い込まれて…監房の中で目を覚ます。
起きたぎしが辺りを見渡すと先程半ば強引に老人に渡された書物がそこに置かれていた。
ぎし「何なんだよ?この本??」ぎしはそう呟くと本を手に取り…開こうとする。が…鍵でもかかっているのか本は開かなかった。
ぎし「だぁ~もう意味わかんねぇ!!?」そう叫んだぎしの脳裏に先程…見付けた鍵の事がフラッシュバックする。
ぎし「あっ!!?そうか?」そう言うとぎしはポケットの中に手を突っ込んだが…先程確かにポッケに入れた筈の鍵が無くなっていた。
ぎし「ない!!!?どこにやったんだ!!?」ぎしのその様子を遠目から見守る何者かが思わず笑い始める。
??「ぷぷあははははははっ(笑)見て見てあいつめちゃくちゃ焦ってるよ」
?「うん!!めちゃくちゃ焦ってるね?」その言葉にカチンとしたぎしが声の方に目をやるがそこには誰もいなかった。
ぎし「おかしいな…?確かに?」
ぎしがそんな不思議な体験をしていたちょうどその頃…永遠はその能力をフルに活かして研究所を大混乱させていた。
警備ドローン「緊急通報緊急通報。A塔東側に侵入者あり…職員の皆様は…」
職員A「ええいどうなってる!!?何だこの警報は?」
職員B「わかりません…警備ドローンの故障かと?」
職員A「故障したドローンの警報を今すぐ止めろ。耳障りだ!!?」
職員B「既にやってます!!?」
職員A「だったら何で止まらないんだ!!?」
職員B「わかりません!!!」
少し前の事…ジュンのテレポートで施設に侵入したトワとユキトは…光学迷彩スーツで透明になると…施設内を探索していた。
ザザザァーーー
あみか「ユキト…施設内のFの6と書かれている部屋に入ってみて。何かある筈よ」
ユキト「了解した。」そう返すユキトを傍目にトワはゴーグルに映された施設全体の地図を見ながらこう呟く。
トワ「ユキト。地下15階にあるこの空間って何なのかしら?」
ユキト「ん?さぁな?気になるのか?」
トワ「どう考えても不自然じゃない?」その時だった…施設の廊下を数名の職員が通りかかる。
ユキト「しっ静かにしろ!!」
職員F「おい聞いたかよ。ハンニバル博士の実験?」
職員L「あぁ聞いたぜ!!何か得体の知れない化け物使ってんだろ?」
職員F「片側モンスターな!!?」
職員L「で?その片側がどうしたんだよ?」
職員F「何でも聞いた話じゃ…ハイブリット種を作るのに成功したとか何とか?」
職員L「ふ~ん?あの博士も毎回毎回しょーもなさそうな実験してるね?俺だったらもっと意味のある実験するぜ」
職員F「例えば?」
職員L「例えばそうだなぁ…?」職員たちはそんな会話をしながら遠ざかって行く。
トワ「はぁ…」
ユキト「行ったか?冷や冷やしたぜ」
トワ「片側モンスターって何なんだろ?」
ユキト「わからん。がヤバいブツではある事だけは確かそうだ!!?」その時だった通信機でジュンから連絡が入る。
ザザザぁーーー
ジュン「トワ!警備ドローンの隊長機はもう操ってるんだろ?」
トワ「うん。もうとっくにね?」
ジュン「良い頃合いだから…そろそろあれやっとけよ」
トワ「え!!?まだ早くない?」
ジュン「大丈夫だろ!!?」
トワ「OK。ジュン兄がそう言うならやってみるよ」そう言うとトワは目を閉じて光学迷彩探査ドローンで把握している全てのドローンの場所を心の中で強くイメージする。
数秒後…施設内全体に警報音が鳴り響く。
警備ドローン「侵入者あり…侵入者あり…A塔東側に武装した男たちが侵入しました。職員の皆さまは直ちに避難シェルターへ移動して下さい」
警備ドローン「繰り返します。侵入者あり…侵入者あり…A塔東側に武装した男たちが侵入しました。職員の皆さまは直ちに避難シェルターへ移動して下さい。」
その警報音と共に施設内の全ての警備ドローンがトワたちがいる方向とは真反対に位置するA塔東側の入り口に向かい始める。
ユキト「相変わらずお前の能力すげぇなぁ?どうやってんだ?」
トワ「ん?どうって感覚かな?頭の中で操りたい機械の事を強くイメージするの。」
トワ「例えばユキトがいつも使ってるそのゴーグルをバグさせたい時はこうやってするの」トワがそう言った直後に…ユキトのゴーグルが真っ暗になりショートする。
ユキト「わっ!!?辞めろってお前壊れたらどうすんだよ?」
トワ「大丈夫だって壊れてないから。それより早く行こ。もうここいら一帯にドローンはいないよ」そう言うとトワは進み始める。
ザザザァーーー
あみか「待って!!その奥の部屋に誰かいるみたいだわ」
あみか「私のベアーを先行させるわ。大丈夫になったら合図をだすから暫くそこで待機しといて」
ユキト「了解した」雪斗のその返事を聞いたあみかはベアーハンズを先に行かせて…奥の部屋を探る事にした。
ベアーはロックされている(S5)と書かれた部屋のドアをすり抜けて中に潜入する。
あみか「心の声(ふーん?ここは研究室になってるのか?)」あみかはベアー越しに見えた景色を見ながらそう心の中で呟くと…乱雑に置かれた書類に目を通す。
あみか「心の声(何かしらこれ?T5×片側モンスター×格納庫?)」
あみか「心の声(他にもある。被験NO112,レッドファルクス…牛のDNAから創り出した…人工生命体。)」
あみか「心の声(被験NO162,戦死して亡くなっていたDriveChildrenの脳の一部から創り出した生命体)」
あみか「心の声(何?このバカみたいな情報?これが本当だとしたらこの研究所では何かの生命体を人工的に創り出している。と言う事かしら?)」
あみかは少し考えてベアーでさらに部屋の中の探索を始める。すると…とある職員が突然こんな事を呟き始める。
職員K「はぁ…正直こんな事やりたくないぜ。そう言えば…被検NO432はその後どうしているだろうか?」職員は意味ありげにそう呟くとタバコに火を付けてふぅー…と息を吐く。
あみか「何の話しかしら?話しが見えないわね?」あみかはそう呟くと咄嗟にメモに被験NO432と記入する。
あみか「心の声(とにかくユキトくんに報告しなくちゃ…)」
ザザザぁーーーー
あみか「ユキトくん部屋の中に時透粒子に関する情報は無さそうだわ。」
ユキト「ほんとか?その部屋から1番強い粒子反応が出ているぞ。」
ジュン「計測機器の故障なんじゃないのか?」
ユキト「んな訳ないだろ?俺が造ったメカ舐めんなよ」
ユキト「とにかく何かある筈だ。もう少し情報を探ってみてくれ」
あみか「わかったわ。」あみかはそう答えると再びベアーハンズを自動操作から手動操作に切り替えて部屋の探索を始める。
あみか「それにしても散らかってるわね?」あみかはそう呟くとベアーハンズで辺りを見渡す。
あみか「心の声(部屋には研究員が1人で…画面とにらめっこ中。けど椅子が複数あって…何かを途中で辞めた様な感じになっている)」
あみか「心の声(部屋には少なくともあと2、3人は出入りしているわね?他の人は何処に行ったのかしら?)」
あみか「心の声(ユキトくんはこの部屋に時透粒子に関する手がかりがある筈だって言うけど…それらしい物が見当たらない。)」
あみか「こういう場合大抵は部屋の中に手がかりがある筈なんだけどなぁ…?何で無いんだろ?」あみかはそう呟くとベアーを操作して…部屋の中をさらに調べる。
あみかはLCO端末を操作する職員の画面に注目してよく注視する。
カチャカチャカチャッ
あみか「心の声(これって時透粒子の波形グラフじゃない!!?)」
暫くグラフとにらめっこした職員は手を止めてこんな事を呟く。
職員K「はぁ…カナ会いたいよ」そう言うと引き出しの中から1枚の写真を見て…どこかもの悲しげな表情をする職員。
あみかはその様子をみて直感する。
あみか「心の声(なるほどね?何となく話が見えてきたわ)」そう心の中で呟いたあみかは…再び通信機でユキトたちに話しかける。
ザザザぁーーー
あみか「トワちゃん…一つ頼めるかしら?」
トワ「ん?どうしたの?」トワがそう聞き返すとあみかはトワとジュンにとある事を話し始める。
ジュン「何かよくわかんねぇけどわかったよ」そう言うとジュンはテレポートしてトワの前に現れるとトワの手を掴み再びテレポートして職員がいる部屋に潜入する。
ジュン「あとは任せたぜ。トワ」
トワ「任せといて!!?」
トワの少し前には写真を見て眺める1人の男性が…タバコを吸って息を吐いていた。
トワ「心の声(何だか落ち込んでるわね?)」
トワ「心の声(ちょっとこれを使うのは忍びないけどごめんね(汗)職員さん)」トワは心の中でそう弁明すると…トワだけに見える職員の身体から出ている糸の様な物を断ち切る。
次の瞬間タバコを吸っていた職員が突然蒸せ始める。
トワ(職)「ゴホッゴホッゴホっ何なのこれ?」
少ししてトワの身体がグッタリしたのを確認したジュンがテレポートでトワの身体を連れて別の場所へと移動する。
トワ(職)「心の声(上手く身体を乗っ取れたのは良いけどもう最悪…タバコなんか吸わないでよ)」トワは心の中でそう呟くと…タバコを灰皿に捨てて写真に目を通してあみかだけにわかる様に合図する。
あみか「どうやら上手くいったみたいね?」あみかはその様子をベアー越しに確認すると…トワ扮する職員にだけベアーハンズが見える様にするとベアーを使いトワに話しかける
あみか(ベ)「トワちゃん聞こえる?」
トワ(職)「ん?聞こえてるよ。」
あみか(べ)「このLCO端末の画面を開いて欲しいの。パスワードは(wqーーX145)よ」
トワ(職)「了解。」
カチャカチャカチャ
ちょうどその頃…B5エリア北区のとある地域ではサキ吉が何者かと会話していた。
??「黒薔薇…奴らの様子はどうだ?」
サキ吉「どーもくそもいつもどおりよ」
サキ吉「いつもどおりあのくそ親父が能力者を差別してイーサンたちがそれに協力してるだけ」
??「普段と変わらず…か?」
サキ吉「ええ。まぁ強いて言うなら…ラファエルのくそ親父が最近B5エリアの地下格納庫に使えない物資を集めてるくらいね?」
??「使えない物資?」
サキ吉「そ!!?…弾薬の無い拳銃やら大砲やら動かなくなった戦車やらそれはもう使えない廃品の集まりよ」
??「なるほどな?つまり奴はそれらの廃品を修理して使おうとしている訳か?」
サキ吉「まぁおそらくそんな所ね?」
??「情報提供感謝する。黒薔薇…貴殿にはこれからも奴らの仲間のふりをして内情を探ってもらいたい。金はいつもの口座に振り込んでおく」
サキ吉「OKわかったわ」そう言うとサキ吉は…その場を後にする。
サキ吉のその会話をイーサンは盗聴器で聞いており…ホッとした顔でため息を漏らす。
イーサン「はぁ…万一の為に格納庫を二重仕掛けにしといて良かったぜ。」
イーサンやラファエルが所有する格納庫は表向き要らなくなった廃品を集める倉庫として使われているが…とある一部分だけを使われなくなった廃品を山のように集めてると見せ掛けたホログラム映像があり…奥に進むと…修理工房があり…その更に奥にもう一つの倉庫へと繋がる扉がある。こちらはイーサンが発行してるIDカードを持ってる者以外は開けれない仕組みで…万一の事態が起きて侵入者等がいた場合はシャッターが降りて催眠ガスがでる仕組みとなっている。
そこには…最新式の装備や武器が多く置かれており…その殆どが武器の密売を生業とする…とある組織から買い取った物である。
ザザザぁーーーー
ラファエル「サキ吉の様子はどや?」
イーサン「いつも通りっすよ。それとこちらの格納庫の位置がバレたかもしれません。」
ラファエル「何やて!!?それほんまか?」
イーサン「ええ…サキ吉がさっき何かを渡してる所を追尾させてたドローンの映像に映ってましたから」
ラファエル「そりゃまずいな?」
イーサン「けど…大丈夫でしょう?サキ吉にはただの廃品工場としてか紹介してないですし本人もそう思ってるみたいです」
ラファエル「なら安心やな?レクトの監査班が来たらわいが対応するわ」
イーサン「了解です。お願いしますよ」
時を同じくして…ユキトたちは
ザザザぁーーー
ユキト「あみか…部屋に誰か入ろうとしてるぞ。一旦作業を中断するんだ」
あみか「了解。トワちゃんにそう伝えるわ」
あみか(べ)「トワちゃん作業を中断して。誰か来るみたいなの!!平静を装って」
トワ(職)「了解。わかったわ」
♪♪♪♪♪♪
カチャカチャカチャ
??「杉本…作業は順調そうか?」
トワ(職)「ええ!!順調ですよ。佐々木課長」
佐々木課長「あっははは(笑)そんなかしこまった呼び方するな!!いつも通りで良いよ」
トワ(職)「心の声(いやいつも通りって何なのよ!!うっざいわねぇ~)」
トワ(職)「何か課長にのせられてるみたいで嫌です。」
佐々木課長「変な奴だな…?敬語なんか使わなくて良いって言ってるのに」
トワ(職)「今日は敬語を使いたい気分なんです」
佐々木課長「どんな気分だよ(汗)?」
2人のそんな会話聞いていたもう1人の部下が課長に耳元で呟く。
??「課長。今日は杉本さんの奥さんの命日ですよ」
佐々木課長「…あ!!!そういう事か?すまなかったな?杉本」
トワ(職)「いえ…わかってくれたらそれでいいんです」
トワ(職)「心の声(ふぅ~何とか乗り切った)」
安堵する…トワにあみかがベアーハンズを使って空に文字を書く。
トワ(職)「心の声(ん?こっ…ち…を見て?)」ベアーが指を指した方を見ると外部との連絡用の耳に付ける小型通信機があった。
よくよく周囲を確認すると自分以外の全員が耳に小型通信機を付けており…誰かと会話している様だった。
ザザザぁーーー
職員N「博士…実験結果のレポートをそちらに転送します」
ハンニバル「うむ。頼んだぞ!」
ハンニバル「それよりも杉本の奴めはどうした?さっきから声をかけてるのに奴め何も答えよらん」
職員N「すいません。杉本に言って聞かせます」
職員N「こら杉本…通信機耳に付けろよ。博士が怒ってるぞ」
トワ(職)「え!!?はいすいません。今すぐ付けます」そう言うとトワは促されるまま通信機を耳に付ける。
職員N「たくぅっ頼むぞ」
その頃…未来はあみかから送られてくる情報をまとめていた。ベアーが見た者は全てあみかの目に筒抜けになっておりあみかはこの施設の内情を知る上で特に重要だと思えるデータを未来に転送していた。
未来「ふーん?何か怪しい施設だね?」
あみか「結構ね(汗)?」
未来「トワちゃんは今手が離せなさそうなの?」
あみか「まぁね(汗)」
未来「それよりこれ本当なのかしら?」
あみか「ん?どれ?」
未来「これよこれ」そう言うと未来は…送られてきた情報の中から…クローンについてという記述を指してあみかに伝える。
未来「この記述が本当だとしたら有り得ない数値を示してるわ」
未来「アデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)の量が普通の人間の2倍でしかも第5の物質で(X)と表記されてる謎の物質」
未来「これ何なの?」
あみか「私にもわからない。ただ人に近い何かしらの生物のDNAの構造という事だけはわかるわ」
あみか「これを見て…」そう言うとあみかは…メモに取っておいた…被検No432のDNAの構造を図にして表した物を添付して未来に送り付ける
あみか「普通の人間のDNAの構造を表した図と比べると明瞭な違いがあるのがわかるでしょ?」
未来「そうね?…普通の人間ならば二重らせん構造の筈だもの。けれどもこれは」
あみか「ええ…四重らせん構造…いったい何があったらこんなふうに変異するのかしら?」
未来「わからないわ。けど…彼らが染めてはならない実験をしている事だけはわかる」
未来「送られてきたデータによると被験No432は人であって人で無い生物。ヒューマノイドゼリーと記載されていて文字通りゼリー状をした人に近い生物と書かれてるわ」
未来「人に近い知能を持つゼリー状の生物なんてまるで本や漫画に出てくるスライムみたいね?」
2人がそんな会話をしていると…ジュンが横から割って入る。
ザザザぁーーー
ジュン「何の話ししてんだよ?」
未来「ヒューマノイドゼリーの話し」
ジュン「ヒューマノイド…って何だよそれ?新発売のゼリーか?」
あみか「だったら良かったんだけどね(汗)?」
ジュン「違うのか?」
未来「ええ!!!まだ確証は無いけど…資料によると人に近いゼリー状の生物らしいわよ」
ジュン「はぁ?お前らそれ信じててんの?バッカだなぁ…?んな生物いる訳ねぇじゃん!!?」
あみか「何でそんな事わかるのよ?確かめてもないのに?」
ジュン「いやいや常識的に考えろよ。人がゼリー状になんてなれる訳ねぇじゃん?」
未来「私もそう思うけど…?」
あみか「私はそう思わない!!そんなに言うなら純弥君今からこの被験No432がいるとされている地下18階フロアを調べてきてよ」
ジュン「良いぜ行って来てやるよ」そう言うとジュンは通信を切る。
その頃…コードネーム黒薔薇ことサキ吉は…家路に急いでいた。
サキ吉の仕事は偽の情報で相手を信頼させて…ターゲットに近付き暗殺する事にあり…その為に訓練を受けてきた。
表向きはイーサンたちの情報を調べ…レクトに売る女スパイを演じ…裏ではレクト幹部と身体を重ねて得た情報をイーサンたちへ売る。その繰り返しで財を成し気が付けばかなりの資金を蓄えていた。
集めたお金の5割をB5エリアにある教会に寄付し恵まれない子供たちを救う一方…残りの5割で贅沢な暮らしを堪能する何とも言えない二面性を持った人物である。というのも…サキ吉は調査費と命名し毎回毎回…高額のHOTEL代や…車代等を請求しており…それだけで数億の調査費用を請求していると噂されており…その世界では知らぬ者はいない女スパイである。
使用人「お帰りなさいませお嬢様」
サキ吉「只今。パパはどうしたの?また仕事?」
使用人「はい!旦那様は今日も仕事でございます」
サキ吉「OK。とりあえず私は地下に籠もるから誰か来たら通してちょうだい」
使用人「かしこまりました」使用人のその言葉を聞いたサキ吉は地下へと籠もり衣服を脱ぎ捨てて下着姿になりおもむろにあそこに指を突っ込み始める。
サキ吉「んっあっはぁ」
♪♪♪♪♪♪
ジュクジュクっという何とも言えない音がなったかと思うとサキ吉のアソコから小型の音声レコーダーが出てくる。
サキ吉「んっはぁはぁはぁはぁッ」音声レコーダーを荒々しい息で取り出したサキ吉は…LCO端末に小型レコーダーを取り付けて中のデータを転送し始める。
サキ吉「ハロハロ…来なさい」サキ吉がそう言うとハロハロというペット型人工AIが出てくる。
ハロハロ「お呼びですか?お嬢さま?」
サキ吉「ええ!!今朝渡した資料の調査は終わってる?」
ハロハロ「もちろんでございます。」
サキ吉「OK。じゃあ今すぐ私のLCO端末に転送してちょうだい」
ハロハロ「かしこまりました」
ハロハロ「転送を開始します。30秒程お待ち下さい」ハロハロのその言葉を聞いたサキ吉は下着姿のまま…LCO端末を操作して音声データの解析を始める。
解析が始まると…ベッドを離れ部屋の本棚から本を1冊少し下にズラす。すると…本棚が動き後ろからライフルやマシンガンなどの銃火器が置かれたスペースが出てくる。その奥にある暗証番号式の金庫のロックボタンを解除して網膜で本人認証を終えると…床部分が突然動き出し…階段が出現する。
サキ吉は下着姿のままで…階段を降りていくと…簡素な空間の中でとある機器に手の平をのせて本人認証を終えてさらにその奥にある扉を開ける。
ちょうどその頃ハロハロがLCO端末にデータを転送し終えてそれとほぼ同時に…音声ファイルの転送も完了する。
すると突然…仕掛けが元に戻り始めて…階段が消えて本棚が閉じる音がこだまするとLCO端末と音声レコーダーをメイド型ロボが部屋に備え付けられてる収納スペースへしまい込む。
部屋に入って椅子に座ったサキ吉は…タバコに火を付けてフぅーっと息を吐くと…口を開く。
サキ吉「ハロハロ。B5地区北エリアのカメラの映像をモニターに映してちょうだい」
ハロハロ「かしこまりました」サキ吉は人口AIが割り出したカメラに怪しい人物が映った瞬間の映像をチェックし始める。
それと同時に部屋に備え付けられた少し大きめなLCO端末をカメラ映像を見ながら右手で操作し始める。
カチャカチャカチャカチャ
そうして暫くして映像と音声を照合して…改めて先程の自身のやり取りをチェックし始める。
カメラ映像
??「黒薔薇…奴らの様子はどうだ?」
サキ吉「どーもくそもいつもどおりよ」
サキ吉「いつもどおりあのくそ親父が能力者を差別してイーサンたちがそれに協力してるだけ」
??「普段と変わらず…か?」
サキ吉「ええ。まぁ強いて言うなら…ラファエルのくそ親父が最近B5エリアの地下格納庫に使えない物資を集めてるくらいね?」
??「使えない物資?」
サキ吉「そ!!?…弾薬の無い拳銃やら大砲やら動かなくなった戦車やらそれはもう使えない廃品の集まりよ」
??「なるほどな?つまり奴はそれらの廃品を修理して使おうとしている訳か?」
サキ吉「まぁおそらくそんな所ね?」
??「情報提供感謝する。黒薔薇…貴殿にはこれからも奴らの仲間のふりをして内情を探ってもらいたい。金はいつもの口座に振り込んでおく」
サキ吉「OKわかったわ」
一通り先程のやり取りを見終えたサキ吉は自分たちが話している所から西に100m程行った所からサキ吉たちの方を見詰める1人の男に目を向ける。
サキ吉「何か言っているわね?」
サキ吉「ハロハロ…この男がいる部分を拡大してちょうだい」
ハロハロ「かしこまりました。」
カメラ映像(B5地区北エリア)
??「~~~~」
不審な男はサキ吉たちの方を遠目から見詰めると一言何かを呟きその場を後にして行った
サキ吉「誰かしら?これ?でも何か見た事ある顔ね?」
サキ吉「ハロハロ。この男が誰だかわかる?」
ハロハロ「少々お待ち下さい。解析します」そう言うとハロハロはレクト近辺に住んでる300万人はいるであろう膨大な市民のデータから1人の男をピックアップしてサキ吉に伝え始める。
ピピっ♪♪♪♪♪
ハロハロ「ダンク・ケッペル。レクト東地区に住んでる非能力者地区の男だと思われます」
サキ吉「根拠はあるの?」
ハロハロ「はい。役所のLCO端末にハッキングして彼が以前にレクト役所に姿を現した時の監視カメラの映像と照合しました。」
ハロハロ「ほぼ100%ダンク・ケッペルで間違いありません。」
その時だったイーサンから通信が入る。
ピピ♪♪♪♪
イーサン「その男についてなら俺も知ってるぜ」
サキ吉「本当?」
イーサン「あぁ…確か東の労働者地区の土工業者の男でDriveChildrenに強い怨みを持ってる男だ」
サキ吉「ふーん?そんな男がどうして私を?」
イーサン「お前をじゃ無くて…恐らくお前が一緒にいた男を見てたんだろ?確か名前は…」
サキ吉「瀧本総司」
イーサン「そうそうそんな名前だった。瀧本総司。父は日本レクト所長補佐…瀧本蓮太郎で母はレクト囚人病院看護部長…瀧本康子」
イーサン「俺が掴んでる情報によると奴は…ダンク・ケッペルの娘…セラ・ケッペルを強姦し殺害したが…父親のコネで証拠不十分で不起訴となっている。」
サキ吉「ふーん?娘の仇が瀧本って事なのね?」
サキ吉「ハロハロ…その時の事件の事詳しく教えてくれない?」
ハロハロ「かしこまりました。」
ハロハロ「セラ・ケッペル23歳…。彼女は労働者地区に住むダンク・ケッペルと現在は別の地区で暮らしてる旧姓サラ・ケッペルとの間に2085年2月に誕生しました。」
ハロハロ「セラは売春婦として14の頃から身体を売って生計を立て…事件が起きる2年前の2106年4月に瀧本総司と出会う」
ハロハロ「その後…瀧本は複数回に渡り…彼女を抱いて2人はすぐに男女の仲となります。所が事件が起きる数ヶ月前に突然瀧本からの連絡が途絶え…その3ヶ月後の7月5日東地区のゴミ捨て場から遺体として発見されました」
ハロハロ「レクト市警は瀧本総司を第1容疑者として疑い一時は逮捕したものの…僅か3ヶ月後に充分な捜査が行われないまま…滝本は不起訴となっています」
ハロハロ「その後…事件はダンクの友人である吉岡幸雄という労働者地区で働く男が首謀者とされ事件の幕は閉じています。」
サキ吉「なるほどね?」
イーサン「ちなみに…コイツが当時事件を捜査した刑事の捜査ファイルだ」そう言うとイーサンはサキ吉のLCO端末に数ページに及ぶファイルを添付する。
サキ吉「何よ?これ殆ど黒塗りされてるじゃない?」
イーサン「あぁ…しかも瀧本を逮捕した当時の刑事は事件から2ヶ月後に変死している」
イーサン「そのすぐ後に瀧本は証拠不十分として不起訴になっている」
サキ吉「怪しさしかないわね?」
イーサン「どうするつもりだ?」
サキ吉「ダンクさんには悪いけどもう暫くの間彼には…普通に生活して貰うを予定をしているわ」
サキ吉「ただ…その時が来たら私の手で必ず始末する」
イーサン「OK!!サキ吉がそういう考えならこれ以上何も言わねぇ…ケッペルの方は俺に任せとけ」
サキ吉「うん。ありがとうイーサン。」
イーサン「礼には及ばねぇーよ。あっそうそうラファエルにはサキ吉の正体が気付かれないように適当に誤魔化しといたから何も心配ねぇーぜ」そう言うとイーサンは通信を切る。
サキ吉「ほんとはラファエルのクソ親父にも私の正体明かした方がやりやすいんだけど…でもそれしたら彼奴は絶対私をのけ者にするだろうし…」
サキ吉「もうほんとに面倒臭い状況」そう言うとサキ吉はため息をついてタバコを口に加えてふぅーーっと息を吐く。
それから数時間後…レクト監査局はラファエルがいる工場を監査をする為に工場の前まで来ていた。
??「ここの責任者はいるか?」そう言うと男は入口前の特殊端末に話し掛ける。
?「失礼ですがどちら様でしょうか?」
??「レクト監査局の石田と言う者だ。至急この工場の責任者と話しがしたい」
?「少々お待ち下さい。」
数分後…男の野太い声が端末からする。
ラファエル「監査局が何の用や?」
石田「この工場にて不穏な動きがあるとのタレコミがあった。中を確認させてもらおうか?」
ラファエル「ええよ。好きにしたらええ」ラファエルがそう言うと工場の入口が開く。
その直後ゴゴゴゴォォッっと音が響いたかと思うと1体のロボが石田を出迎える。
ロボ「本日はお忙しい所当社にお越し頂き誠にありがとうございます。どーぞこちらへお越し下さい」石田はロボに無言でついて行き客室に通される。
石田「心の声(全くなってない工場だ?来賓にお茶1つ出さないとは?)」石田がそんな事を考えていると…部屋に1人の男が入ってくる。
??「石田さま。お待たせして申し訳ありません。私はこの工場で工場長を務めております。西脇と申します。要件は社長より承っています。ささこちらへどーぞ」そう言うと西脇は石田を工場の中に案内する。
西脇「石田さまここでは…レクト中より集めた廃品を溶かしています。」
西脇「溶かされた廃品はあちらの装置の中で純正な金属と不純物の混じった金属とに分けられて…新たな製品の材料として生まれ変わります」
石田「ふむ。あれは何だ??」
西脇「廃品を効率良くこちらまで持ってくる為のロボでございます」
西脇「何せ廃品と言っても大小様々です。動かなくなった大型トラックから旧型の古いLCO端末まで色々ありとても人力だけでは運ぶ事はできません」
石田「なるほど!ここはもういい次だ。」
西脇「かしこまりました」
西脇「こちらでございます」そう言うと西脇は工場内のB2エリアを案内する。B2エリアは…リサイクルした部品を使い新たな産業機器を作っているエリアでロボによる作業を主体としている。
西脇「石田さまこちらは先程リサイクルした部品を再利用し産業用ロボットを造っているエリアでございます」
西脇「基本的にロボによる作業が主流ですが…ああしてロボットを管理する為に数名のオペレーターを設置しています」
石田「ここは特に問題なさそうだな?」そう呟いた石田をラファエルは工場内の監視カメラでチェックしながら…西脇に通信機で指示をだす。
ラファエル「その調子や。西脇。ええかB5エリアだけは案内したらあかんで。わからんかもしれんけど監査局の連中は目にホログラム防止コンタクトを付けとる。」
ラファエル「案内したらすぐに違和感に気付かれてまうわ」
ラファエルがそう言うと西脇は…ラファエルにだけわかる様に自然に合図を出して返事をすると淡々と石田に工場内を説明して回る。
西脇のその合図を確認したラファエルは…修理工房があるB7エリアのチーフをやっている…根津という男に通信機で連絡を取る。
ラファエル「根津。仕事中悪いな?」
根津「いえ!?どうしたんですか?社長?」
ラファエル「もう時期監査局がそこ通りよる。あれを用意して待機しとくんや」
根津「もうですか?エネルギーが充填するまで少なくともあと1時間必要ですよ」
ラファエル「わかってる。心配すな」
ラファエル「西脇には…B5だけは紹介したらあかんで言うて伝えてるからB5だけ紹介しようとせぇへん露骨な西脇の反応みたら石田の事や食い付きよるやろ?」
根津「はぁ…?そんなに上手くいくものでしょうか?」
ラファエル「お前はいつも心配し過ぎやねん!!?ええからはよ通信切って準備に取り掛かれや」
根津「かしこまりました」ラファエルのその会話を傍受して聞いていたイーサンは一抹の不安を覚えて…LCO端末を操作し始める。
イーサン「やっぱこっちはこっちで万が一の時の為に準備しといて良かったぜ」そう言うとイーサンは通信機でとある人物に連絡を取り始める。
ザザザァーーーー
イーサン「聞こえるか?ケースケ?」
ケースケ「あぁ聞こえてるぜ!何だ?」
イーサン「いや…一つ頼みたいんだが?良いか?」そう言うとイーサンはケースケという男にとある事を依頼する。
ケースケ「フッ(笑)お前が俺に頼み事とは珍しいな?」
イーサン「うるせぇーよ。受けんのか?受けねぇのかどっちなんだ?」
ケースケ「もちろんやるさ。ただ報酬はたんまり用意しとけよ」
イーサン「OK交渉成立だ。」そう言うとイーサンは通信機を切ると再びLCO端末を操作し始める。
カチャカチャカチャカチャ
数分後…西脇と石田がいる工場のB3エリア全体に警報音が鳴り響く。
警報音「警告!!警告!!社員の皆さま今すぐ作業を中断して直ちに避難して下さい」
警報音「繰り返します。社員の皆さま今すぐ作業を中断して直ちに避難して下さい」
西脇「何事だ!!?」
社員B「わかりません。とにかくここに居ては危険です。工場長も今すぐ避難して下さい」そう言うと社員Bは足早にその場を去って行く。
西脇「くっしょうが無い。」
西脇「石田さま…ここにいては危険です。私共とこちらにお越し下さい。」
石田「わっわかった。」石田のその言葉を聞いた西脇はここから1番近い避難所の方へと向けて歩き始める。
その頃…一仕事終えたあみかはぐったりしていた。
あみか「疲れたぁ」
ユキト「お疲れ。お陰ではかどったよ」そう言うとユキトはあみかにコーヒを手渡す。今トワたちがいるのは…ユキトとあみかが造ったエリクシルの地下基地の1つでレクトの海上地区から最も近い場所に位置する(リライム)と呼ばれる海底都市の中に存在してる。
レクト内部において日本なのに…英語表記の名前が多い理由の1つとしてはLLL上層部がレクト内全ての都市の名前を決定している為である。
海底都市リライム(エリクシル第2秘密基地)
トワ「ユキト君これが…研究所から見付かった(時の砂)の粒子の一欠片とそれに関する調査データよ」
ユキト「ふ〜ん?彼らもかなり調べているみたいだな?」
ユキト「未来の元には転送したのか?」
トワ「うん…もうしたよ」
あみか「はぁ~何であんたたちそんな元気な訳?私なんかこんなクタクタなのに…」
トワ×ユキト「「何でって何でだろ!!?」」
トワ「うーん?まぁ私の身体は実質途中からほぼ寝てたからかもね(汗)?」
ユキト「俺は2人のお陰で楽出来たからかもな?」そんな話をしているとジュンが差し入れを持って現れる。
シュウゥッン♪♪♪♪
トワ「ん?ジュン兄どうしたの?」
ジュン「どうしたの?ってさっき朝ご飯買いに行けつったの?誰だよ(汗)?」
トワ「誰だったかなぁ(笑)?」
ジュン「んな?冗談良いから選べよ。」そう言うとジュンは東京のコンビニで適当に買ってきたコンビニ弁当を見せる。
トワ「あ!!あたしのり弁が良い」
あみか「私はパス。今食べたら吐きそうだからまた後で食べるわ」そう言うとあみかはソファーに横たわって眠り始める。
ユキト「じゃあ?俺はこれにするかな?」
ジュン「つか、お前らレクトで仕事しなくて良いのか?潜入してんだろ?」
ユキト「んっ?あぁその質問の答えの秘密はこいつさ」そう言うとユキトは数匹の虫が入った小瓶を見せる。
ユキト「この小瓶はうちの錬成士のノエルに造って貰った特別性でな?中に様々な物を入れる事ができる」
ユキト「で…この小瓶の中にいるのは和歌の能力で創り出した(擬態虫)」
ジュン「なるほどな?そいつを使ってもう1人の自分を複製したって所か?」
ユキト「ご明察。話しが早くて助かるよ」
ユキト「和歌の擬態虫は通常3時間で死ぬが…この小瓶の中の時間は止まってる。」
ユキト「理由は単純明快で時透粒子の残思による影響だ。」
ユキト「しかも残思の影響で小瓶の中に入った生物の時は止まり歳をとらなくなる」
ユキト「和歌の擬態虫に有効かどーか微妙だったが…結果はこの通りさ」ユキトはそう言いコーヒーを一口飲むとレクト労働区の映像を見せ付ける
そこにはユキト扮する擬態虫が労働区で働く姿が映り込んでおり…その脇にはソファーで寝ているはずのあみかも映っていた。
キャラクター紹介
【エリクシル】
柊雪斗(ひいらぎゆきと)
能力名(???)
エリクシルのメンバーでレクトの内情を調査するDRIVECHILDRENの1人。ユキトはその能力の派手さからレクト内部で能力を使えずにドローンや光学迷彩スーツと言われる特殊なスーツを身に纏って調査対象のアジトに潜入する事が多く…(時透粒子)と言われる時を越えるとされる砂を集めている。彼の主な任務は潜入×調査×先導で…先導と言われる任務では非能力者たちを焚き付けて先導し内部反乱へと誘導するのが彼の主な任務であり…その為に必要な情報を精査し調査している。またユキトがいつも時透粒子を入れる為に使っている小瓶は錬成士のノエルが造り出したモノで…予備も含めてかなりの本数を持っており…その内の1本に和歌の擬態虫を保管している。…また小瓶の中に残ってた時透粒子の残思の影響で和歌の擬態虫の時が止まっており半永久的な生を手に入れており…和歌が最初にだしたレクト内部に潜り込み柊雪斗に成り済ませという命令を忠実に守り今も尚ユキトとしてレクト内で1日15時間の労働に従事し続けている。
柊未来(ひいらぎみらい)
能力名(念力)
エリクシルのメンバーで後方支援を担当するユキトの妹。普段はレクトから200km程離れた地区に住んでおり…遠方から様々なサポートしているが…レクト内で反乱が勃発すると自らが陣頭指揮に立ち…念力能力を用いて敵を粉砕していくのが未来の主な任務である。またユキトが集めた【時透粒子】の成分を調べるのも未来の仕事の一つで…後に偉大な発明をする事になる科学者の1人でもある。
柊和歌(ひいらぎわか)
能力名(擬態虫)
エリクシルのメンバーでユキトと未来の従兄弟。ユキトの叔父である柊流星と二条雪の長女で名を柊和歌と言う。能力は二条の血が強いのか操作系の能力者で擬態虫という虫をターゲットに飛ばす。擬態虫はターゲットの耳から入ると敵の脳の中枢を支配して和歌の傀儡へと変わる。擬態虫はターゲットの記憶や仕草などの全ての情報を読み取り敵に気付かれる事なく敵陣地へと侵入でき…ターゲットの脳に卵を産み付けておく事で…万一の事が起き擬態虫が敵の体内から出されても卵が孵化し正虫が再び脳を支配する事で1度体内に侵入した敵を再び操作できる様になっている。また擬態と呼ばれるにはもう1つ理由が存在し…擬態虫は1度体内に侵入した敵のデータと情報を読み取る事でターゲットに成りすまし変身する事ができる様になる。その為ワカの擬態虫は数十人分の人間のデータを蓄えており…ワカの意思で自由自在にジョブチェンジできるようになっていて潜入には持ってこいの能力である反面擬態虫の寿命が短く…3時間ほどしか生きられない。それでも産み付ける卵の量が多い為…1度体内に侵入すれば半永久的に敵を操作し続けられる。だが…3時間で正虫が死んだ後に孵化するまでに30分のログが発生する為その間に解除系能力者によって能力を解除される事も稀にある。
柊終夜(ひいらぎしゅうや)
能力名(アビリティーノート)
OVER DRIVEの直後…能力に目覚めたDrivechildrenの1人。エリクシルに所属する未来や雪斗の弟で…自身の本当の能力に気付いていない中学生。本人はとある男から無意識に奪い取ったテレポート能力を自身の超能力だと思い込んでいるが…本当の能力は他者の能力を盗み奪い取る力である。但し盗める能力には制限があり…能力発現中‥本人が無意識の内に出現させている…アビリティノートと言われるノートの中に封じ込めた能力だけである。本人は力を使おうとすると出てくる書いても書いても減らない便利なノートと思っており…普段から授業でもこのノートの中に習った事を記入している。但しテレポート能力を使う際等はノートが出てくることは無く…代わりに終夜の胸元にネックレスの様な物が出てくる。そしてノートに書かれた文字は1日で消えるが不思議な事に…終夜(しゅうや)の頭の中に直接蓄積されてテストの成績も上がるのだとか?その理由も単純でアビリティノートは終夜(しゅうや)の脳そのものを物体化した存在と言っても過言ではなく…シュウは普段から自分の脳の中に習った事を直接記入している為だ。その為通常のノートを使うよりもテストの成績が上がり…終夜(しゅうや)の学園生活に大いに役立っている。ただノートの目次部分に書かれたテレポートという目次欄はノートをめくってもめくっても見当たらずに終夜(しゅうや)自身もどういう訳かわからないままでいる。その謎が解き明かせた時にシュウは全ての真理を理解して…自身の能力を100%使える様になる。
二条純弥(にじょうじゅんや)
能力名(テレポート)
OVER DRIVEの直後…テレポート能力に目覚めたDRIVECHILDRENでエリクシルの創設メンバーの1人。エリクシルはレクトと言われる非能力者たちを解放する為のLHSの下部組織で…潜入や調査を主な任務としている。基本的にはレクト内部の内情を探るのが仕事で…彼らを解放する為の最善策を常に模索している。ニ条はそのテレポート能力を活かし…組織のメンバーを敵のアジトに送り届けたり…物資の運搬を担っている。追い込まれた際は煙幕を使い敵の視界を奪いテレポートして戦線を離脱するのがニ条のお決まりの戦術で基本的には後方支援を担当しメンバーをアジトまで送り届けた後は通信機でメンバーと会話をし様々な機器を駆使してサポートするのが彼の役目である。
二条永遠 (にじょうとわ)
能力名(物体操作)
ジュンの妹でエリクシル創設メンバーの1人。永遠の能力は機械や人間に問わずありとあらゆる物質を操作する能力で…この能力を駆使しドローンや施設内の職員に至るまでを操っている。発動条件は2パターン存在し…機械の場合は心の中で強く機械の場所をイメージする事で位置を把握しているドローンしか操れない。人間を操作する際には永遠だけに見える人の心と身体を繋いでいる(糸)を断ち切る事で相手の精神と身体を分離して支配し乗っ取る事で対象者を胃のままに操れるが人間を操作している時は自身の身体が無防備になる為…能力が発動し永遠がぐったりするとジュンがテレポートで家のベッドまで連れて行き寝かせる様にしている。一見不便にも思える能力だが機械の方は無尽蔵に操る事を可能としており…これは他者の身体を乗っ取った後も有効であるが予めプログラミングした簡単な動きしかさせる事はできない。例えば歩けならただロボットは歩き続け…施設内を荒らして回れならひたすら荒らしまくる。ただこの場合も能力の発動者である永遠が作成したプログラミングは有効で永遠が襲ってはイケないと予めプログラミングした相手には興味も示さない様になっている。永遠はこの能力で警備ドローンを乗っ取る事で施設内を荒らして回り誤作動で警報を鳴らしたりして施設の人間たちを大混乱させる事に一役買っていて施設に潜入する際には最も有効な能力とも言える。
とあ×のあ
能力名(貸付×利息)
エリクシルに所属する双子の姉妹で能力は貸付と利息。とあが貸し付けのあが利息を付けて敵を追い詰めると言うものである。例えばとあが対象者に自身の善意を貸し付けた場合はのあが利息を付ける事でとあが貸し付けた倍以上の事をしてとあとのあに返さなければいけない。これは敵に塩を貸し付けて一方的に相手に送った場合も有効で敵は送られてきた塩以上の物を返還しなければならない。期限までに敵が返還しない場合は利息が加算されていきそれに応じて相手は五体不満足になってゆく。例えば返還期限を1日過ぎた場合は味覚と聴覚を失い…最後には能力が使えなくなり…とあとのあが他者の超能力を貸した利息の分だけ自由自在に使える様になると言う能力である。普段は後方支援を担当しており捕えた敵のテレパシー能力で味方をサポートしている。戦闘の際は入念な準備を重ね対象者に貸し付けた上で用意周到に敵を追い詰めて行くのが彼女たちのバトルスタイルである。
折本あみか
能力名(ベアーハンズ)
エリクシルに所属する能力者で後方支援を担当している。普段は雪斗と共にレクト内部へと潜入調査をしており…雪斗と未来たちの中継役を担当している。能力名は「ベアーハンズ」と言うもので…自身が創り出したクマのぬいぐるみのような物を自在に操ると言うものである。このベアーハンズは自身がイメージした場所に出現させる事が可能な為…ドローンで予め確認している敵のアジトの前にも出現させる事ができて…その姿はあみかが任意で見えるようにしている者にしか姿を視認する事はできない。またいざという時にぬいぐるみが巨大化してユキトの盾になったり…視認できないのを良い事に機密資料等を敵に気づかれない様に奪う事も可能であり…その用途は多種多様であり‥ベアーハンズのリボンを解く事でベアーの周囲3m以内の人間を一瞬であみかの元まで強制転移させる事も可能としており緊急脱出にもよく用いられている。またあみかはベアーと視覚を共有しておりある程度の情報はベアーとドローンで確認できてベアーの目で見た情報をあみかがメモを取り…ユキトと共に解析していく事も多々あり…日本における作戦で大きな役割をこなしている。
空条音羽
能力名(影牢)
エリクシルに所属する能力者で…近接戦闘のスペシャリスト。銃剣術に長け軍隊式格闘術のプロフェッショナルでもある音羽の能力は「影牢」というものでその主な力は2つある。1つは影を自在に操り敵の動きを封じたり影から影へ移動したりする能力で…もう1つは自身の影の中に創り出した影の牢獄に敵を封じ込め生け捕りにすると言うもので音羽はこの能力で生け捕りにした敵に拷問を加え様々な情報を吐かせている。元軍人である音羽の拷問に堪えきれずにゲロを吐く人間が多くそんな時彼女は決まってこう言う「よく言ったな?クソ豚。だがゲロを吐くにはまだ早いもっと楽しもうじゃないか?」影の牢獄の中での時間は現実時間の1分程の時間だが…捕らえられた敵には1年以上の時に感じ来る日も来る日も音羽に拷問される地獄の日々に感じる…生け捕りから解放され組織の監獄に入れられる時に皆決まって安堵し…音羽の姿が目に入っただけで恐怖に怯え震えるものまでいるという噂が存在し組織内で彼女を知らない者はいない。
浜辺みゆみ
(ニックネーム(ゆん課長)
能力名(ぷぷパレード)
エリクシルの創設メンバーの1人でありヴァンビの直属の上司。基本的に戦闘に関わる事は殆どないがエリクシルの花の様な存在で男性メンバーからの人気が高い。能力名は(ぷぷパレード)というもので愛犬ぷぷの分身を何匹も創り出した仮想世界へ相手を誘うと言うもので…この世界においては全てがゆんの思い通りになり迷い込んだら最期…犬好きになると有名な世界で…犬を大切に出来る者だけが帰還を許されて自由の身になると言う。途中でぷぷの分身たちを傷付けるような行為を取れば課長の逆鱗に触れ直後に夢の世界は一変し地獄へと変貌し敵の精神がボロボロになるまで相手を追い詰めて夢の世界から出て来た頃には精神は錯乱しており大抵の者が精神病棟行きになると言う。またその際の後遺症で犬恐怖症を患い…ぷぷのような可愛らしい犬を目の前にすると恐怖に怯え土下座する者までいると言われ…部下のヴァンビはそれを見る度に心を痛めているがあいつの自業自得だからしょうが無いといつも呟いていると言う。
ヴァン・ハーネット・クラウン
(ニックネーム(ヴァンビ)
能力名(アビリティリンク)
エリクシルの創設メンバーの1人で…ゆんの腹心でありパートナー的存在で…エリクシル第3部隊の若き隊長の1人。基本的に課長の命令で動き…敵陣地へと攻め入り相手を殲滅するのが彼の任務でレクト内で反乱が起きた際に反乱軍を纏め上げる隊長の1人である。能力名は(アビリティリンク)という能力で他者の経験値と能力を能力を持たない非能力者に持たせる事を可能としており…これにより…念力特化部隊や…テレポート軍団を形成し敵部隊を殲滅していく。これはヴァンビが他者の経験値と能力を型取り創り出したバッジを付ける事で非能力者も能力を得ることを可能としているがヴァンビの都合で200人迄が限度である。ヴァンビは非能力者の中から特に戦闘に使えそうな人選を選定しそれぞれに見合ったバッジを付けさせる事で非能力者の力を最大限に引き出すのに1役買っており…レクト殲滅戦において重要な役割を担っている人物の1人である。
ラファエル
能力を持たない非能力者だが金回りがよく秘密裏に武器弾薬を貯蔵している人物。その秘密はイーサンのハッキング技術によるもので不正にハッキングして得た能力者たちのクレジットカードの情報を盗んでは様々な物を買っている。表向きはOVER DRIVE直前に宝くじに当選しその時の貯金が残っているという設定になっており…DRIVECHILDRENたちが唯一干渉できないB5エリアを根城としている。
イーサン
天才的ハッカーでラファエルの右腕。誰もが舌を巻く程のハッキング技術を持っており警備ドローンをハックして操ったりする事も可能としているが…永遠が操る警備ドローンだけはハックしても思い通りに動かせない為不思議に感じていた人物。イーサン曰く警備ドローンには隊長機という物が存在し指揮系統を出しているドローンさえその手中に収めれば後はチョロいと言う。仮に操れなくても隊長機を操作する事で様々な命令をだし下級ドローンたちを操り戦況を有利に進めていけると言い‥サキ吉のハニートラップと合わせて使いレクト殲滅戦において敵の目を欺く事に1役買っている人物である。
サキ吉
能力名(天來)
イーサンたちの仲間で非能力者を装う能力者で実は能力者を差別するラファエルに嫌悪している人物。その能力名は(天來)と言うもので数秒先に起こる未来を知る事が出来るとされておりサキ吉はこの能力で様々な危機を乗り越えてきた。天来は天からのメッセージとされサキ吉の目と脳裏にあらゆる者の数秒先の動きを見せるとされており…能力発動中サキ吉の瞳の色が変わり…サキ吉はとっさの判断であらゆる敵の動きから最善手を見出してその場を切り抜けている。主な任務はハニートラップであり…敵中枢の幹部から情報を盗み出すのを得意としている。またレクト殲滅戦においては能力者である事を明かしラファエルたちを裏切った様に見せかけて敵幹部に近付いて口に含んだ毒で敵幹部を倒す事に成功する人物で…別名(黒薔薇の魔女)とあだ名されている。
ぎし
能力名(龍神化)
エリクシル特殊殲滅部隊の隊長でその能力は自身の肉体をドラゴンに変化させる事でぎしはこの能力を使い敵部隊を殲滅していく。得意技はドラゴンになったぎしの口から吐くドラゴンブレスで山1つが吹き飛ぶ程の威力を誇り…半妖半人の姿に変わる事も可能としており…この時のぎしは髪色が黒から白髪に変わり目の色が少し変化しその身体能力は通常時の100倍にまで膨れ上がる。ただしドラゴンに近付いた分少し気性が荒くなり口が悪くなるが…手に携えた刀から放たれる闘気だけで…鉄をも斬り裂く斬撃を飛ばす事ができ…その動きは常人に捉える事は出来ない程速くなる。だが…力の代償は大きくドラゴンに近づけば近付くほど身体へのダメージがデカくなり…手に付けてる指輪がダメージを吸い切れなくなった時は数日間動けなくなるリスクも背負っている。この指輪はエリクシルの錬成士であるノエルという人物に作ってもらっており彼女は様々な物に能力を付与する力を備えておりぎしを始め多くの団員に特殊な武器や武具を作成している。
森本ルナ
能力名(ぼーちゃんアイランド)
エリクシルに所属する能力者で…ぎしの上司にあたる存在。ルナの能力は対象者を仮想世界ぼーちゃんアイランドへ誘い閉じ込める事で…ルナは閉じ込めた対象者の超能力を使える様になり大抵の敵は可愛らしい姿をしたぼーちゃんの魅力に取り憑かれ戦意を喪失しぼーちゃんアイランドでの暮らしに満足感を得るようになる。ただし…他者の能力を使用できる回数には制限があり1人につき7回までという制限が設けられており使用回数を過ぎると閉じ込めた対象者は強制的にぼーちゃんアイランドから追い出されて気を失う様になっており…以前ぎしを閉じ込めた際は気を失ったぎしの顔面に落書きをしてみゆとゲラゲラ笑いその後ぎしが目覚めた時はぎしはやられたというバツが悪そうな顔をして天を仰いだと言う逸話が残っている。
みゆ
能力名(ラビットサークル)
エリクシルに所属する能力者でソルジャーラビットという様々な能力を持ったうさぎを創り出し敵を撹乱し殲滅しホーリーラビットと言われるうさぎを用い味方の傷も癒やす事のできる力を備えており通称(ラビットサークル)と呼ばれる能力を自在に駆使して戦うのがみゆの持ち味で…基本的には遠くの狙撃ポイントで待ち構えるみゆがウサギたちを巧みに使いこなしターゲットを狙撃ポイントまで誘導して狙撃して仕留めるのがみゆのお決まりのパターンである。ソルジャーラビットには5つの属性が存在し水×火×雷×土×風の5属性から構成されており…属性に応じて攻撃方法は異なる。基本的にみゆの命令で動き…隠れる場所の多い森や廃墟での戦いをみゆは得意としており…ラビットたちはその敏捷性と属性攻撃でターゲットを徐々に追い詰めていきみゆは全てのソルジャーラビットと視覚を共有しターゲットには見えない位置から狙撃して相手を仕留める。以前ぎしとバトルフラッグスと呼ばれる仲間内の旗取り合戦をした際にはラビットたちがおおいにぎしチームを苦しめて油断したリーダーぎしを雷属性のラビットが背後から強襲し見事に気絶させる事に成功した。
ノエル・ファン・ディーブルハイゼ
能力名(アビリティピエロ)
エリクシルに所属する錬成士で様々な物に能力を付与する力を備えている。まず付与をするにはいくつかの条件が存在し…与えたい能力と同等の対価をノエルが創り出したピエロに支払わければいけない。例えば…自由自在に炎を出せるようになる指輪を作った場合は…ピエロは指輪使用者の生命力の5%を奪い自身の糧とする。その影響でノエルは年を取らなくなり…寿命が少し伸び‥ある一定の生命力が蓄積するとピエロはCrownJOKERの姿へと変異し一定期間無敵に近い戦闘能力を誇るが生命エネルギーを全て使い果たすと再び普通のピエロの姿に戻るというサイクルである。ノエルが創り出した武具の使用者は自身の生命エネルギーを対価とする事で本来は使えないはずの能力を使い戦闘するが…ある意味では諸刃の剣である為ノエルはいつも口を酸っぱく使い過ぎてはいけないと言いこれは便利な道具じゃないと言っている。
シルバ・ゼル・ヴィアス
能力名(霊冥王)
エリクシルに所属する殲滅特化部隊の二番隊隊長で別名「銀髪の冥王」と呼ばれている人物。普段は黒い髪色をしているが…能力発言時だけ銀髪になり瞳の色が金色に変わり全ての身体能力が上昇する。この状態のシルバの周囲には(霊冥王)と呼ばれる得体の知れない人形が立っており…あらゆる敵の攻撃を自動で防御してくれる上に霊冥王の目の色が赤く変わった時には腰に刀が出現しその刀で斬られた相手は魂の断片を斬られ一定期間能力を封じられる。またこの力を応用する事で現世と冥府を繋げ死者の国に行く事ができるとして知られており…ぎしが瀕死の重体に陥った際に見事彼の魂を見つけ出しぎしを救った人物でもある。
drive(原版)