夜明けの馬

 青年は草原を歩いていた
 表情は険しかった
 『村を出たい』
 それが青年の望みだった
 手に持ったランプの火
 消えそうだ
 太陽を待つしかない
 『もう少しだ』
 朝は正確にやって来るのだ

 今日は会えるだろうか?
 白く美しい
 夜明けの馬に

 青年は友達がいなかった
 毎晩独り酒だ
 『終わりを待つ』
 いつも青年は思っていた
 あの日から青年は変わったのだ
 生命を見たのだから
 「会いに来たよ」
 馬は青年に告げたのだ

 今日は会えるだろうか?
 白くて美しい
 夜明けの馬に

夜明けの馬

夜明けの馬

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-03

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