依頼屋

「聞く者、静聴にせよ。」


これは私の叔父が言った言葉である。

「隅野…依頼、来てた。」

そう片言で話す少年の手には一枚の封筒がある。

「………これ。」

少年はそう言うと手に持っていた封筒を差し出してきた。

「ああ、有難う。早速読んでくる。」

そう言うと、黒色のマスクを付けてる少女は封筒を受け取り自室の方へ向かった。

自室に戻った少女は机の上に置いてあるランプをつけると机の棚の中にあるナイフを取り出す。
そして封筒の開け口を切ると中に入っていた物を取り出した。

入っていたのは1枚の便箋と押し花で作られているしおりだった。

少女はしおりを保管棚に入れ、便箋を読む。


拝啓、依頼屋様

初めまして、依頼屋様。

私はマルノ・トルテと申す者でございます。
今回はご依頼の件で連絡させて頂きました。

1/6~1/7にかけて其方に向かわせて頂きますので、宜しくお願いします。


マスクの少女は「ほう。」と一言吐くと、リビングに居るであろう少年の方へ向かっていった。

第一章

リビングについた少女は周りをキョロキョロと見回した。
少年を探しているのである。


探し始めてから5分が経った時、少女の使い魔が少年は暖炉の前に居ることを伝えてくれた。
早速、暖炉の前に行くと少女はその暖炉の前に置いてある椅子をジッと見つめた。
そして、その椅子に一言。

「しろ、依頼だ。」

少女がそう一言言い放つとその椅子にはっきりと人の形が浮き出てきた。
先程探していた少年である。

少女はしろと呼んでいた少年に先程の手紙を差し出すと、しろはそれを受け取り淡々と読み始めた。


しろが手紙を読んでいる間に少女は庭にハーブを取りに行く。
ハーブを取りに行く理由は紅茶を作ったりデザートの材料にしたりと様々だが、醍醐味はポーションを作るためである。

ハーブの畑に着いたところで少女は腰に装着しているポーチからオノシラスというドラゴンの革で出来ている袋と手袋を取り出した。
早速装着しハーブを摘み取っていると南の方角に煙が立っていることに気づいた。

少女はテキパキとハーブを摘み取り、使い魔のフクロウを其処へ向かわせた。
そして直ぐ様、しろに知らせに行く。


南の戦争が始まったと。



ポーション解説

ポーションの材料は主に植物だ。
植物と言っても全ての植物が使えるわけではない。

毒があるものや実がなっているものは、ポーションにすると腐敗したり人体に有害なものが出来てしまうので使えない。
実がなっているものの、実などは使えるのだが実以外は使えないので余り意味はない。

上記のものを省き、植物の使える部位を細かくいえば、木の皮や葉、花や根元などである。

葉などは匂いがあるものは使えるのだが無臭だったり虫がついていたり食べられたりしていたら、それは使えない。
虫や動物の唾液などがついていたりするとポーションが爆破する原因になってしまって危ないからだ。

依頼屋

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-01-03

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  1. 第一章