紅と白
もうすぐだね。
あなたたちは、どうかそのままのあなたたちで、いて。
やさしい獣だけが、星にいることをゆるされる世界が、ぼくはすこしだけきらいだ。だれかのために歌うひとびとが、きらきらした光と、あたたかい愛をつたえようと、つむぐことばにひそむ、矛盾に、気づかないふりをして。それで、笑っていられるひとになりたい。
しろくまがゆでてる、そばを、ふたりで食べる頃は、おわりと、はじまりのあいま。
あいして、たいね。
あいされて、たいね。
たいせつにしたいし、されたいね。
でも、なにはともあれ、きみがいれば、それでいいよと、ぼくは祈るように思いながら、キッチンに立つしろくまのせなかに、ひたいをおしあてた。
紅と白