氷点下
氷点下と大晦日に囲まれている
数年間痺れがおさまらなくて
日向で濡らしている
素手で雪をつ噛むと
忘れていたものが落ちてきた
無感覚のその手
切り落としてしまえばなにかわかるかもね
そう無責任に言って君は去った 君も去った
切り捨ててしまいたい記憶など
本当はないのかもね
全部白銀の中に埋め込んだのさ埋め込んだのさ
もう二度と陽風が来ないのを知っていて
ここにずっといると凍ってしまうのに
このままここに突っ立っていたい
つらら眺めたい
吹雪の粒子を眺めたい
それだけで楽しいから
氷点下