短々落語「ぐでんぐでんとべろんべろん」
400文字以内のショートショート落語臭
「ぐでんぐでんとべろんべろん」
あの隅にいる女、口紅だして化粧始めたよ、あれ?鬼瓦権造のような赤い口髭になったよ、もう、へべれけ状態だね
いや熊さん、彼女は、へべれけじゃなく、ぐでぐでだよ
あれ?今度は彼氏に「冗談じゃないよ」って右手突き出してるよ
熊さん、お酒は怖いね、ぐでぐでを通り越して、べろべろだ、あっしらは品よく飲もうじゃないか
(二人の楽しい時間は瞬く間に経ち、閉店間際、ご隠居が迎えに行くと…)
これは酷いね、ぐでんぐでんだ、熊さん、起きな帰るよ、八つぁん、お前さんも独り言 言ってないでお開きだよ
ご隠居、バカ言っちゃいけないよ、熊公が頼んだのは(ウィ)、ぐでんぐでんじゃないよ
八つぁん、お前さんは、べろんべろんだ
何いってんだ、ご隠居、熊公が、べろんべろん。で、あっしが頼んだのが、おでんおでん
何がおでんおでんだよ、二人して、ぐでんぐでんとべろんべろん、だ
冗談じゃないよ、耄碌爺、口紅持ってこい、おいらはまだ、へべれけぐらいだぞ
短々落語「ぐでんぐでんとべろんべろん」
お後がよろしいようで。