濡れ衣
言葉は刃だと人は言う。
そして人は当たり前のようにそれをあたかも考えて、気を付けて、配慮していると思ってる。
そうやって無自覚に振るって、殺している。
そうやって誰もが無自覚に殺してる。
そして、言ってしまえば相手はまるで、被害者になって、そして知らずの内に僕は加害者になってしまうので。
それが恐ろしいから我慢する他ないのだ。
言葉の濡れ衣は重く、そして強く社会に根付いていて。
いずれも主観でしかなく、客観的に見ようとはまずしない。
だから自分は思いやりがあると宣う人間は、どれだけ無神経なのかを自覚しない。
その言葉の重みを知る人間ではないから自覚しない。
そうやって、みんな毎日殺している。
無責任に人の心を殺してる。
知らなかったから
言ってくれないから
心が弱すぎるから
人は何かと理由を付けて否定する。
何度言っても加害者と認めず
そうやって加害者を己の内に作り上げ
声高に僕を加害者に仕立て上げる
理解しようとしない、遠回りすらも食わず嫌いに楽をする。
そうやって今日も誰かを殺している。
無神経な君は殺している。
けれど見えて見ぬふりをして今日も平静が続いてる。
濡れ衣