『ひとりとひとり』
セブンスターとマルボロの煙を
口の中で混ぜ合わせた後
あの子への贈り物に悩む横顔
『ひとりとひとり』
そうね、人の心は
いつでも理にかなうわけじゃないから
惹かれる気持ちも仕方ない
悪いお酒って美味しいもの
そう、悪い夢なんだ
君の部屋に漂う彼女の残り香も
アタシは煙草の煙で誤魔化す
手持ち無沙汰で胸を揉まないでよ
その無神経とマメさは好き
アタシの中の空虚を
少しだけ埋めてくれるから
あとはもうちょっと黙ってて
天秤にかける程の情もなく
白ける嘘を君は言わない
アタシは未だ恋を知らぬまま
君のベッドで目を閉じる
クリスマスのあの子は今年も
新しい男と過ごすだろう
君はプレゼントだけ用意して
待てをされた犬みたいに
ここは確かに地獄だけど
今はまだ心地いいから
いつか抜け出せる日が来たら
君の顔も思い出せなくなる
「絶対叶う夢と絶対叶わない夢は等しく嫌い」
『ひとりとひとり』