ゆめみる
全身が境目になって 夢にみた熱病に冒されながら
子どもの頃を思い出す それより後をぜんぶ忘れる
ぼくたちいつか屋根裏の部屋で会いましたか
秘密で約束をしませんでしたか
明日にはまたすこしだけ背が伸びてたぶん別の生き物、なら、目を開けたら忘れちゃうのがほんとの秘密なんだろう。今にわかるよ。
夢のあとの時間を、醒めたからだを、現実って呼ぶことまだ嘘みたい。
ぼくたちきっとまた会う、たしかめられないけれど
きっとおんなじ光のなかで眠る
そのときはもう言葉ぜんぶを失くしちゃって
しずかに泣くだろうけど
電球と毛布しかない屋根裏、二人でがらくたになって忘れられてしまうのが、きっとずっと昔から続く約束だったかもしれない、ね。
扉がいっせいに音をたてて閉じる
もう 海は遠く さざなみは微かに
目を擦る 滲むものすべてがきみの憧憬になる
ゆめみる