reborn
連続性のない肉体が夜が来る度に死んで
蜻蛉の死骸がベッドの下に積もってさざめく、から
朝日のまぶしさに目を覚ます
陽光のなかに忘却しながら路をゆく、はらはらと
十一月の葉に、遮られながら、かんじている
夕景までの時間をぼくらは動物園で過ごす
きみは変な鳴き声で愛の話をした
チャイムがきこえる頃に
ぼくらの記憶たちがぼくらを家路へと招く頃に
夕景は昏くとけていく
ポプラ並木で 白いシーツの夢を見ながら
重い足を引きずる 昼間の影はぼく一人だが
夜の影は夜すべての重さがある
だれかの部屋に帰ってだれかのベッドで寝る頃に
おやすみ、っていうと
ラヂオのなかで天使が返事をしてくれる
きょうを死ぬように眠って
いつか眠るように死にましょう。
reborn