うすのろ
藁人形引っ掴んですり抜けて 五寸釘親指に突き刺さった
大嫌いなあの人の写真 燃やしたっきりの思い出
夜中のからす どこ行くそこ行く鳴け鳴け嘴を開け
亀だってもうちっとはマシだろうに ナメクジだってもうちっとはマシだろうに
丑三つ過ぎても街灯り消えず 真っ暗空を見下ろして
空っぽの頭トンカチかち割っても空っぽのまんま
血垂れたところで地にも這えずに
血止まったところで宙に飛べずに
像だってもうちっとはマシだろうに 老いぼれだってもうちっとはマシだろうに
丑三つ過ぎても街灯り消えず 消えず 消えず
叩いても叩いても空っぽのまんま
丑三つ過ぎても街灯り消えず 消えず 消えず
叩いても叩いても空っぽのまんま
夜中のからす どこ行くそこ行くおれも連れてけ
大嫌いなあの人の写真 燃やせなかった思い出
叩いても叩いても空っぽのまんま
うすのろ