星の欠片
始まり…
俺は目を覚ました…
ここは見覚えのない部屋。
俺が寝ているすぐ横には赤い液体が流れていた…
俺が起き上がると、その液体の正体がわかった。
『血』だ。
「いやぁぁぁぁ!!やめて!痛い!!!痛いィィィィ!!!」
子供の泣き叫ぶ声。
(やめろ…やめろ…やめてくれ!!)
俺が口にしたいはずの言葉が、口から出てこない。
恐怖からなのか。
それとも、夢だからなのか。
わからない、これは夢なのかさえもわからない。
子供を噛みちぎる、これは一体何だ…何なんだ…
「ゴリッ!ガギッ!!ボキ」
ポタポタと子供から大量の血が流れる。
子供は力尽きた。
次に目を付けられたのは、男の子を見てガチガチと震える俺と同じくらいの少女だった。
「いやぁ!こないで!!やめて!!」
そいつは少女に近づいていく。
「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」
やっと俺の口から声が出た。
俺は少女の元へ駆け寄り、少女の腕をつかみ逃げ出した。
全力で逃げた。
ここはどこなのかもわからない。
どこへ逃げれば安全なのかもわからない。
でも、俺が寝ていたその建物から出ると、怪物はおってこなかった。
それでも俺は走り続けた。
少女の腕を引いて。
「はぁはぁ」
息が切れてもこけそうになっても走った。
その時、大きな橋を見つけた。
そこへ少女を連れて隠れた。
少女を抱き寄せて、隠れた少女は震えていて少し小さかった。
少し時間が経ち少女も少しずつ震えが収まってきた頃、俺は少女に話しかけた。
「大丈夫か?!痛いところとかないか?!」
少女はビクッとはねたあと、小さく
「はい…」
と返事をした。
俺はホっとしていた。
少女が無事なこと、あの怪物がおってこないことにほっとしたのだろう。
「君名前は??」
俺は少女に訪ねた。
おずおずと困ったようにした少女は少ししてから口を開いた。
「私はマリネです」
マリネと名乗る少女。弱々しく、静かな少女。
「えっと…あなたは?」
少女が弱々しくふんわりした声で聞いてきた。
フッと少し笑顔を見せて俺は答えた。
「俺はナイトだよ」
こんな時に何をしているのだろうか。
でも、聞いておいたほうがいいと思った。
よろしくね。とつぶやく少女はやっと笑顔を見せてくれた。
そのあと二人でいろいろな話をして。
いい感じになってきていた。
これが始まりだとも知らずに…
第2の死者…
「マリネ~。お前どこ言ってたんだよ。」
俺とマリネはあのあと色々話して、友達になった。
マリネは意外と明るい子で、あの弱々しい姿がウソだったかのように思えてしまうほど明るい。
「どこだっていいでしょ~。ナイトだって遊んでんじゃん。」
図星だ…
俺はいいんだよ
なんたって俺はお前より強いから。
マリネは弱いくせになんでもしたがる。
俺の寿命が縮まっちまうぜ
星の欠片