奈呉生畿者Part1第三版製本版

戸田夫手太

奈呉生畿者Part1第三版製本版

やっとイラストを載せて製本に取りかかれます、細かい設定は無視して、とりあえずそのまま引用します

私は冷たい何もかも、冷めた深い闇の果てに、もはやここに沈む魂たちに気力などない、生前犯した罪と地獄の番人の形相に脅えて、澄み渡るべく心の虚しさが残る、

私は彼らの無惨に残された魂たちに、

こう呪文をかける

オンダラダラヂリヂリドロドロシェエイシェエイハラシャエイハラシャエイクソメイクソバマメイイリシチシリシチハラマシュダジャマライヤサトバマカキャロニカソワカ

そして私は鉦を打った

誰もが心いっぱいの愛、胸をうずき育ていく、だけど、もうわからず弥陀に泣きじゃくるんだ、賽の河原で鬼脅え、生前われがあしらった魂の恨みに足がひっぱられ三途に沈みそうだ。

鉦を打ちスーッと消えて行った魂たち、それに私は数珠を摺りながら、天へ成仏を願うのであった。

あー、人のいき惑い、それは酷いものさ

あたしの、お母さんは、ここ紀伊の国の人で、お父さんもここ紀伊の国のサムライであって、ここ奈呉浜を里にもつ人だけど、どんな人か知らない、まぁサムライだったらしいけど、戦に行ったきり、帰ってこなくなったんだけ。
 あのときは母さんは、一生懸命、魚編みを編んでて、お父さんなくした、お母さんは奈呉浜で暮らす場所ないから実家の紀伊の国の下った場所で暮らしてる、あたしはなご浜で父型のお婆ちゃんに、奈呉浜で育ててもらってる、
 でもあたしって、素直な子で魚は大好きだし、他の男の子にも、負けないくらい、駆け足は強いし、おまけにカワイイんだからね、あのときは数えて8さいだったけど、地元のガキ大将も、あたしにはメソメソ、気に入られるように、モジモジしてたんだからさ、地元じゃ有名なべっぴんさんね。
 だけどあたしがなぜ、忍び里の伊賀でいま、数えて13さいにもなって、瞑想してるかと言うと、それは、ある不動明王の祠に行ったとき、そこで偶然、托鉢していた旅僧があたしに、
 「ここ丹敷山に妖魔が居るの」
 するとあたしの婆さんが、
 「なぁお坊さん、ここらで変死体となって見つかった遺柄たぇねーばさ、何か払える方法はないでば」
 すると、この坊主たら
 「ここは夜が廻れば黄泉と繋がり、化け物が出てしていっそう危険になる、不用意に夜に出歩かないことじゃ」と言ってね
 その坊主があたしに
 「このおなごも、やんちゃでカワイイの、なかなかの妖力も、もっておる、このおなご、私の伊賀の方の寺子屋に預けないか」
 すると婆さんが「何で、こんなカワイイ子を人里離れた所に預けなちゃならないんじゃー」と言うと
 「この子の、冷めた感情、ここらの法を揺るがしておる、この子を、ここで畏怖させてれれば、妖魔が空間の冴えの合間を塗って、なご浜に蔓延る」と言うんだから、あたしはそこらのガキ大将とも、泣く泣く離れて、あたしは泣いてなかったけど、ここ伊賀で朱子学を習うようになちゃったの。

私は紀伊の国の里である、なご浜から、数えて8さいのとき、旅僧に拾われて、伊賀の里の寺に預けられ、気がつけば寺子屋で朱子学を学ぶ女子として、もう数えて13さいであった、私は、ここらの領主たち押さえた、百姓たちとの寄贈で、こしらえた木造釈迦如来を本尊とする寺で、日夜、禅の瞑想におやしみ、毎日、金剛般若経を法会因由分から、合わせて32分の応化非真分まで、分割を意識するように、羅什訳と玄奘訳を音読みしたり、読み下したりして、勤しみ、また阿弥陀経も羅什訳と玄奘訳とともに、時々読んだりして、毎日を読経と写経との読誦と、禅や念仏をおやしんでいた。そして毎日、数珠を持ちながら南無帰依佛や南無釈迦牟尼佛、南無阿弥陀仏と称え、何か木造釈迦如来に心は奪われ迷いを断ち切った念を入れられた、仏像に言葉できない無上の安静の念と魅力が、あたしには感じられた。

そして、あるときの今日は、私が入ってる寺子屋の能禅和尚の縁によって、京の遊楽念仏と風流踊りを観覧できるのと、能禅和尚との計らいで三千院の往生極楽院へ参拝が許され、私は京師までの遊学を許されたのであった。
 そしてあたしは
 「能禅さま、ありがとう」無邪気な子供みたいに素直に京までの遊学を喜んでいた。
 能禅さまは
 「よいよい、あやめ、あんたの龍笛も見事な腕前じゃ、あんたの得意芸もたっぷり自慢してこい」
 とあたしに話された、そしてあたしが遊学する用心棒を和尚が呼んだ
 「柳次(りゅうじ)この娘の用心たのんじゃぞ」と言うと、
 柳次は
 「ハイハイこの娘さんを京まで…」
 そう口どまってるのを見てあたしは
 「こっここのひと、昔、あたしの里に金まいてた野良侍」
 「野良侍とは失礼な、それに昔と言っても、六・七年前だが、まぁとてもカワイイおなごになったものよ」
 是を聞いてさあたし、なにこの気味悪いサムライがあたしの用心棒のわけ、何それ、ッケ、あたし外れ籤、引いちゃったマジで最悪ッケ。

時は慶長、荒れ狂う戦国の末期
 江戸幕府が始まろうとしてたころ、ある風来のサムライがいた。
 ある丹敷山の周辺にある浜の部族たちがすむ、ところで、ある風格が良い
 風来の男が、やってきて、金を舞いた。
 「ほれ、お年玉だ」
 そう言えば、この浜のガキどもが、競うようにオレのものだオレのものだと言わんばかりに、舞いた金を奪いあった、そして是を見ていた大人どももコレコレと思いながら、子供が拾ってきた金を、何やらの言いがかり、あとで金を預かろうとニヤニヤしていた、そのとき
 「こりゃ、拾っちゃいかん」と
 この、なご浜部族長、声を張ったのであった。
するとその男が
 「人のご親切に素直じゃないって子供の心が濁るぜ」と言うと。
 すると族長が
 「その言葉のナメよう、京からの旅のものだな」
 するとその者が
 「なかなかの気のとがめよう、わしゃ、京からのサムライよ、此処らの山賊を打つために、此処ら近隣の寺から、ワシのほうに手回しがきて、山賊どもを懲らしめたまでよ」
 すると族長が
 「何処の寺じゃ」と聞くと
 こやつは
 「そりゃ、教えられない、何て坊主を生坊主にするわけにはいかんからな」
 すると族長が
 「じゃこの金は」
 そやつは
 「ご名答、是は山賊を懲らしめたときに、貯めていたものよ、女を買ってたらしく、寺に使えるサムライとしては悪鬼そのものだが、彼らを三途に流されないように、せめてもの御名祷よ」

そしてあたしはあの時を思いだして、
「柳次、あんた、あの時は無用心にお金、バラまいてたでしょ、あんたサムライとして、気がどうにかしてるんじゃないの、べー」とあたしは、柳次の気を煽てるような仕草を、見せたら柳次たら、あたしのオツムを撫でて
「まぁそう、イヤがんなよ、オレがちゃんと京までおくってくんさかい」
それを聞いたあたし、柳次の手を払って
「なっなによ、あんたみたいな無用心なサムライ信用できるってんのねー」
 すると柳次は
 「意気のええ、ねぇちゃんだな、それなら、京まで、気づかいせず、楽にご依頼を達成できる宜しくな」そう言って柳次は手を握るように手のひらをあたしに捧げたが、あたしはその平手をパチって、ソッポ向いたのであった。
 すると柳次は
 「まぁ良いじゃんかよ、嬢ちゃん、それにあのとき、食い意地張って、開き直って拾っての、おめーだろ」
 それを聞いたあたし、なんてイヤらしい、告げようなのっと思って。
 「あのときはねー…」と思って
 言い返す言葉を思い浮かばず、ッチって舌打ちした。

そうあのときね確かあたしったら。

族長が盗賊を弔うカネと聞いて一人のガキが
 「あんな奴らを弔うカネなんていらないじゃい」
 とこぞって、カネを投げ捨て、その銭を踏んづけまわってた。
 それを見て、その風来のサムライは
 「まったく、よしみってことを、知らないのかよ」
 とあきれてると、一人の幼いカワイイおなごが、その踏んづけてる金にわれものに、集めてた、すると
 「あやめ、ここの邑をいじめてた、山賊どもをかばうのかよ」
 言うと
 「そんなことは知らないじゃい、これで美味しい鯛でも買うんじゃい」と言って。
 そして「いっぱい勝手たらふく食べるの」
 するとガキが
 「そっそうだな、俺もたらふく食うぞ」と言ってまたカネ取り合うのであった。

 そのことを思い出してた柳次は
 「おいおい、あのとき食い意地みせたガキがお前だったんだぜ」
 「食い意地って失礼ね、いーっ」たら
、それにね!、まだあのとき数えて7才だったんだからね、それにお魚なたらふく食べたかったんだもん。

そして、あたしは柳次につれられ、京までの旅にでた、そして、少し曇り空の中、ある程度、歩いて柳次は、
 「さぁ、ここまで、めげずに歩きとおせたとは見事なものだぜ、あやめ、今日は此処に泊まって、明日は京師まで歩きとおそうなさかいに」
 そう言われあたしが
 「ねぇね、明日は京の都まで、いけるんだよね」
そう言っちゃってあたし、もう、うずうずでワクワクなんだからね、ワーイ
 柳次は
 「はぁ、其れは良かった、だがな、俺は座りながら、寝るから、あんたが夜中に用があるとき、絶対、俺を起こして用をしろ」
 するとあやめが、なにこの、あつっかましい言い方、失礼しちゃうわと思って、あたし。
 「あんたあたしのおまわり、だもんね、あんたこそ、ちゃんとあたしに見守りなさいよ」と言ったが
 柳次はその言葉を聞き流し
 「ック」
 と何か勘でも働いたような、そぶりに、何よあんたべーったら
 しかし柳次は、空を眺め、なんだか悪い予感がするぜと心中に渦巻き、その曇り空、丑の刻ごろには、大雨が降るだろなと覚ったのであった。

そして食事時に柳次みたいなアホらしい用心棒といっしょにお食事するのって、気が引けちゃう~
それに柳次は、あやめに
 「これおいしなさかいに、食いなされ」と
 お魚に、お吸い物、それに麦飯が、あたしの前にならべられてて、
 柳次は手を合わせることなく、なんなく魚を、つっついていた、私はそれをみて、この生き物に失礼な食べ方と思って。
 あたしは柳次を気にしないように、お手を合わせ、少し深い瞑想状態にハイってから、パッとなるべく礼儀よくつつしみもって、配膳に感謝した。
 そしてあたし、お膳を持ちながら、なるべくお膳立てに失礼のないように食べてて。
 あたし柳次に言ったの。
 「あたし、お魚はいい、お椀と茶碗だけで十分よ」
と言うと。それ聞いて柳次ったら。
 「おいおい、生坊主みたいなこと言うなよ」と言ってなにコイツ、あっあたしはねホトケにお椀立ててんだからね。
 と思ったら柳次
 「気色わるい、あんたのために出されたさかいに、ちゃんと食いなされ」
 「えっぇ」もうあたしの戒めが~
 そう言われて、あたしお膳立てを崩しちゃって、魚の腹をつついてしまちゃったあらま、
 何か生類の哀れみをやぶってなんだか気味わる~い。
 そしてあたし塩魚に身を補食いちゃった、なんてあたし貪ってるんだろ、お天道様すみません。
 しかし塩魚の身をパクっと食べちゃうと。なんだか、昔、生まれ育った、なご浜で獲れたお魚、たらふく食べてたの思いだして、思わず、あの幼かった時の記憶がよみがえった。
 そしてあたし「むっむかし、ばあちゃんと魚を食べてたとき、思いだしちゃった」
 そう言ってから、こうあたしはそぶりを
 「でもあたし、殺生しないように戒められてるのに」
 すると柳次が
 「まぁ美味しいんさかいにもっとお食べなされ」と言うと
 あたしは
 「でも和尚さんすみません…」と口をつぐんだ。

あたしのために布団が曳かれているのにね、
 柳次が同じ部屋に要ることに、もー気味悪いそしてあたしが、
 「あんた、なんであたしと同じ居室」 
 「俺はサムライだ、あんたを守るために、この居室で誰かに襲われないか、あんたを守るのが務めなんだよ」と言ってると
 なんだかナットクいかない、だからあたし。
 「あんたがあたしを襲わないでしょうね」
 すると「サムライの面汚しはしねー、から温和しく寝てろよ」
 そう言うと、あたし、チョー腹がたつんだけど、そう思ってあたし、
 「そう、なんかあたしに不愉快なマネしたら、あたしの和尚さんに言いつけて、国中の笑いものしてやるんだからね」
 そう言いあたしが言いつけると
 柳次たら小声でつぶやくように「ッチ」と舌打ちしたのに、あたし少しおじけて。
 サッと布団に潜ちゃった。
もうだから、あんな性が悪い男嫌いなのよッケ、
 べーっだてんの。
 もうイヤイヤと思ってると。
 気がついたら、あたしは眠っていたらしく、目が覚めたら、灯籠に火が薄明るく灯ってて、あたしは、便をしたくなった、柳次に便したいからなんて、絶対言えないし、ちょっと雨模様だけど、少し、野草まで、行って便でも、足してこようと思って恐る恐る襖を開けると、
 ビューっと肌寒い、水滴が含んだ夜風がアタシの心を締め付けた。

便の用を足し終わって、
「あーあ、せっかく風呂で、といた髪が濡れちゃった」
 もーぉぉぉ~
あたしたらシゲシゲとは恥ずかしいめながら、肌寒い水気が茂った、雨の音走りが聞こえた
 そしてビューっとあたしの肌を奮わせる水風に身をチヂミながら呉服を肌に締めた。
 そしてあたし、あたりを見渡して近くに薄気味悪いけど井戸があったので、そこで手を濯ごうかなと思って、あたしはそこにソーッと近づこうと意識を井戸に向けたとき、雨脚が聞こえてビューっとあたしの肌に冷たい靜けが飛んであたし。
 「何よもー薄気味わるー」て身震いがした。
 意識を向けた先の井戸は異様に薄気味悪く、井戸の水の底から気味悪い音が雨脚に滲んでポツポツと、異様な真夜中を深く廻った、雨音を刻むときが静寂に包まれる中、滑車を取り、井戸水の桶を、たくし上げようとポツリと音を発てた、そしてアタシ頑張って滑車でつっかえるまで上げてると何かギーギーと滑車がうごめいてるようだった、上げおわると、アタシは、その桶を掴んで、手を濯ごうとしたとき、
 井戸の中から手がアタシの手首を掴んだ感じが冷やりと神経を走った、そのときぶんっと、あたしは井戸の中に落とされるように手首に強い握力がアタシを呪っていた、そしてアタシの手をひっぱられそうになったとき。
 あたしの腰を掴んで誰かが、あたしを井戸の外側に投げ捨てた、アタシは物凄く心がすくみそうな思いに、涙がにじみでてると。
 そして「オン、ッカッカッカ」と柳次の声が聞こえ、意識が半分戻ってるところで。
 井戸のほうを見ると、鬼のような婆の霊が手を下げて、あたしをみていて、あまりの怖さに意識が飛んでいた。
 そして気がついたら座敷の外張りに雨音の中、居て柳次が「気がついたか、よかった」と言った。
 その声にアタシは柳次の、モノ優しい顔をみて、柳次の着てる裾に、顔を押し付け、
 「うぇーん」と泣いてしまった。
 外は丑刻を回り、外はザーッと、雨足が物凄くなびいてた。
 そして、柳次は激しい雨足の中、
 「だっだいじょうぶか、あやめ、怖がらせしゃ、悪いと思ってだまってたが、あの井戸は昔から妖怪がすむって、言われてたんだ、誰が呪ったか知らないが、俺も妙な因縁を感じてて、あやめがあそこに足引っ張られないか、座敷の中でも、心配だったんだ、雨足が聞こえてきたから、目を覚ましたとき、あやめがいなくて、声にでなかった、井戸に近づいてないか、急いで見にいったとき、あんたに亡霊が取り憑いてて、焦って、井戸から、あんたを放り投げたんだ」
 そう言われると、アタシは雨音がいっそう激しくなる中、泣きわめくように
 「りゅーじ、こわいよー」と、数えて13のおなごとは思えないほどに、アタシは柳次の胴体にすがって、泣きわめいてた。

柳次は「よしよし、俺もあんたに、話し忘れてて悪かったさ」とさすってくれてると、気がついたら朝日が射して、アタシは丁重に布団に上布団を被せてあって、目が覚めたのであった。
 その雨空が明けた肌を焦がすようなコッテリとした日照りに、アタシは布団が湿ってることに、あの真夜中のことを思いだし、身震いした。
 すると朝の目覚めに柳次が
 「おいおい、だいじょうぶか、朝メシ、食べっくぞー」と言ってるのに夜中のことはキッカリ、覚えが曖昧だった、
 そしてアタシ柳次に「ネェ柳次さん、昨夜はお寝になったんですか」と聞くと。
 柳次は「あやまって寝てたら、あんな状況で冷や汗もので、あれ以降、安心して寝られなかったよ」
 それを聞いてアタシ「そっそう」と返して
 アタシ「夜中ぅは…」と言おうとしたとき
 柳次「あーあんたの袖り、夜中めちゃくちゃだったぜ」
 と言われ、なっなになによ!って赤面して
 「ちゃっちゃーー」ってアタシ呉服の締めが弱いことに思わず枕を投げたのであった。

柳次と私、一山抜け、京の歓楽街に、いた戦国の世が終わり澄みやかな復興の兆し、そして柳次は
 「あーいつもの京の街だ」
 と言って歓楽街を通り抜けると、
 柳次はこの街なみを、見て、柳次は母さんの事を思いだしていた、
 京どくとくな風の茂りに柳次は
 「おっオヤジ」と呟いていた
 柳次の親父は京の武士であり、母さんは京の円町あたりで、切り盛りをしていた、親父はいつも、京都所司代に入る年貢を勘定していた。
 柳次は幼少期は舟丸(ふなまる)と呼ばれ、よく独楽を回して、よく兄弟と遊んでいた。
 柳次が剣術を学ぼうとしたのは、親父の家業をつく兄さんと、放逸で他の女にふてくされてた、弟の存在を思って、京都の鬼門である比叡山にいけば僧兵から剣術を学べる聴き、比叡山にこもりでてきたとき、弟は何処かの剣士に殺されていた。
 そのとき、柳次は
 「女から嫌われてたと、いえそれと言った悪事を成してないのに殺されるとは」
 と孤独に弟に花を手向けてやり、女から気色わるがられ、世情に殺される思いに、いっしょの母さんの胎から生まれたきたものとしてやるせなかった。
 そう心が病んでると、
 「ねぇ…ねぇったら」とあやめの声が聞こえた、
 それに気づいた柳次は
 「あぁネェさん、ご無事に京について何よりだ」と言ってると彼女からハツラツに
 「ここが京なのね、何て風びがあるんだろう、わーい」
 それを聞いて柳次は
 「ソッソウカ」と軽く受け流すと
 ここは山城、あらゆる魂が配流された地、幕府の復興とともに箇箇も気の色が澄むであろう。

柳次はあやめが、京の街並みに夢中なってるさかいに、冷めた雨が降り
 「おっとお雨どす」と柳次が言った、涼しげな雨が街並みを抜けた。
 そして柳次が
 「今日は、わいの家に泊まっていくさかいに」
 とそう言うとあやめが
 「っえ、柳次って、本当に京の人なんだ」
 柳次は
 「あー、生まれが京なさかい、よろしくどす」
 そう言って、柳次の円町あたりの家に案内されて。
 すると、おばさんが
 「ふなまる、また用心棒の仕事引き受けたんだってね、だいじょうぶさかいに」
 そう言われると柳次は
 「母さん幼少の名前で呼ぶのは、よしてくれなさかい」
 そう言うと、あたしが失礼ないようにと思って。
 「わっわたし、柳次さんに、この京への旅路を用心されてるあやめと言います」
 すると、柳次の母さん
 「あらカワイイ、玉のような子ね、今日は鍋でも、良いなさかいはるな」
 すると柳次は
 「そりゃいいぜ、なぁ、あやめ、鴨鍋でも食っていけなさかい」
 そう言うと
 アタシこんな殺生を喜ぶのは、アタシはちょっとと思いながら。
 「はい、おもてなし感謝いたします」
 と言いたまった。

私は鴨鍋を食べて、愉しい宴に泡沫の如くよひて、気がつけば、布団にくるまって、寝ていた。
 しかし雨音の、滴り落ち音に、冷むけ感じ、何か鬼のような、バァがあたしをうなして、冷や汗を書いていた。
 そして、目をあけると、鬼のようなバァがあたしをギロと睨でる感じをして。
 体は震えたが、金縛りにあったかの用に、ガタガタと体は動かなかった、そのとき
 「だいじょうぶなさかい」
 と柳次のが声をかけてくれた、パッと目をさまし、上半身が起きあがった、わっわたしはあたりを見ると、柳次が、一人ポツッと身を縮ませ坐りながら、寝ていた様子から目を拭い。
 「ねぇあたしって」と言うと。
 柳次は「カッカッカ、あーあんたは、あのとき、亡霊に冥土に落とされそうになった時から、あんたはその霊に地縛してるよ」
 あたしは
 「なぜ取り憑いてるの」と聞くと。
 すると柳次はあやめの肩をさすって
 「ビザンマエイソワカ」と唱えて、こうアタシに告げた。
 「その霊も、ホトケさんとこに往きたいのさ」
 と
 あたしはあの時の怖さを思いだして、柳次の袖を強く握ってると柳次は「オンアビラウンケン」と唱え、アタシはスーっと眠りに落ちていき。
 そして闇深い京は、雨音が静けさ伝えるかのように、幽霊がさすらってるかのような、静けさをシミジミと感じた。

あやめは朝、目覚めたとき、京の町はザーッと冷めざめた、雨脚がシゲシゲと時が静寂の中、過ぎ去って行くのを感じた、そして私は柳次が膝を立て肩に剣を支えながら寝てるのを気づかってか。
 「ねぇ柳次さん柳次さん」と声を掛けると。
 柳次「おお、あやめちゃん、ごゆっくり寝られましどうなさかいに」
 そう聞いたあたし、「心配は無用です」そう言うと、彼はあたしの手をとったので。
 あたしったら「なっなによ!」となれなれしくする、彼に反感したら。
 彼は「手が冷たいな」そう言って居間の囲炉に火を付け水を沸騰させた。
 そして柄杓で急須にお湯を入れ、緑茶を差し出してくれた。
 そしてあたしは彼の親切に感謝をし礼儀をわきまえ、お茶を啜った。
 なんだか、こう靜けな早朝に出される、お茶を嗜むことに、なにか胸中にぬくもりを感じホッカホカに体がぬくんだことを、自律神経から体中の神経が発火して神経が極だった。
 そしてあたしは肌寒い外張りで座禅を構え、瞑想をした。

そしてあやめが速やかな瞑想の境地から目を開けると京の町は雨がスコールのように強い雨脚が走っていた、柳次とあたしはスコールの中、傘を差して、三千院に向かっていた、そんなとき。
 京の街を歩いてると芸者の遊女たちが、にこやかに、シャレてるのを柳次は見て、
 あたしは、「ねぇ柳次、京の人ってオシャレだね」
そう言うと 柳次は「いやこれは不知火だ」
 それを聞いてアタシ「シ、ラ、ヌ、イ?」
 と不思議そうに言うと。
 柳次は「あーこれは雨の冷めた霊気が京の賑わう未来をコックリさんが見せてくれてるんだ、普段はこう灯籠が点ってるのはおかしい」
 アタシはこの化かされてることに気味悪さを覚え
 「りゅーじー…」っとヨワヨワしく言うと
 彼は「オン・シャレイ・シュレイ」と唱える、雨が小雨になった。
 そして柳次はこの靜けさに弟のことを思いだしていた、
 「あーあの時だ、弟が酷く親父に怒られていたとき」
 そしてまたシゲシゲした雨空をみながら
 「親父、もういねえが…」
 と一人ごとを呟き、人の情緒を思った。
 その時、雨に濡れながら着物姿の女性をみかけ。
 柳次が「おい、ねぇーちゃん、こんな雨の中びしょぬれで、つったてら、危ないぜと言うと」
 スーッとその女性はニコっとして消えて言った。
 柳次は
 「ッチ、キツネにダマされちまった」と悪態をついた。

私と柳次は、空が涼しく曇気な小雨の中、傘をさしながら、三千院に来て、
 柳次が「オッサン、例の伊賀から遊学しゃでっせ」そう彼は挨拶した
 そしてアタシも「よろしくお願いします」とお辞儀をした。
 すると和尚は
 「ここまで来るまで色々なオバケに化かされたようじゃのう」
 静けな雨がポツポツと滴る音に心に静寂を感じながら柳次は
 「あーオッサンここまで来るまで、色々化かされたさかいに」
 すると和尚はアタシを見つめ
 「あなたは、あの伊賀から参拝にきた、あやめちゃんかい」
 そう言われあたし
 「アッハイ、おっしゃるとおり、あやめと言います、まだ未熟ですが笛の武芸、見て貰いたくて来ました」と言い
 そこの和尚にお辞儀をすると
 すると和尚は私に
 「なかなか可愛げな、おなごじゃなの、往生極楽院に御拝覧、願いに来たのであろう」
 すると私は
 「ハイ、よろしければ御拝覧をいただけると」
 すると和尚は
 「この去来現、あらゆるところで佛の御加護がある、こっちに来なされ、キット、君なら宇宙のあぶきが来ることも去ることもない、空を覚る事をできるであろう」
 そう言われアタシ、喜んで
 「ほっホントですか、それは嬉しいです」
 アタシはそう言うと和尚はこう告げた、
 「まぁよい、まぁその前に湯に使っていかなされ」
 そう言われ、アタシ
 「だれに焚かせるのでしょー」と聞くと
 「この寺の小僧だよ」
 そう言われアタシ「えっえー」、あたしの湯舟姿、小僧に見られるなんてモー。
 すると柳次は、「小僧がイヤなら俺が炊いてやろうか」まぁこんなゲセ男に炊かれるよりましねと思い。
 そう言われ「いえお気づきかい感謝します」と湯舟の準備をさせてもらった。

アタシ湯舟で、
 「へへへ、ネェさん湯加減はどうなさかい」
 そう言われアタシ
 「こっちみないでよ」
 すると小僧は「へへへ」とせせら笑って
 アタシほんとに、こんな立派な寺で修行をはげむ沙弥なのと思い、
 それでも、なんだかポッカポカで
 きっもちーそう思って、冷えた肌に熱が染み込むよう、そして十分、体に熱が浸透して。
 そしてアタシたら
 「ナムアミダブ、ナムアミダブ」とつぶやいてると、小僧は「どうじゃい、もう少し温度あげますぜ」そう言われ「ありがと、とても気持ちいいわ」と言うと、
 「アタシ湯からあがるは、拭いと呉服を持ってきてちょうだい」
 「ハイ分かりましたぜネェさん」と言って
 小僧は襖の奥に行ってもらいアタシあたたく汗が滲んだ肌に、水を被り汗をながした。
 そうすると「ネッネェさん」とあの小僧の声
 あっアタシ、アタシの素っ裸な姿みられっちゃったじゃない、ちゃ~!ぁぁぁぁ
 そしてアタシ「襖を開けるときくらい声かけなっしよね、もっもーいっいやーぁぁぁぁ、あっち見てて」
 小僧はハイハイと言って、襖を閉めてもらった、そしてアタシは呉服を羽織り帯びを締めた。

 私はお堂の前で、深くお辞儀を使て、往生極楽院の弥陀三尊の拝覧をした、それを見たとき、宇宙の紫雲から、ゆらゆらと、私を出迎えに来たような、優しさ、足之が幾たびも去って行き僕が、ポツンと残されたような静寂さあたしには、その鏡移しに私を誘った。
 優しさに心を打たれ胸中から妨げる事のない無音の響きを感じられた。
 あたしは南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と称え念仏のご利益を願ってると。
 ここの和尚が「どうじゃ見事であろう」と言うと、アタシ、「ハイ、言葉にできないほど感無量です」、私は異空を旅してる感じになり、あらゆる足之がスーっと弥陀の胸中うずいてること。
 やっぱり阿弥陀様は心の居られるんだと、安楽の念に、足之のざわめきが去られ虚空に消えて行く優美が、あたしの胸中にうずくまった。
 そして弥陀たちは無数に分裂して、数え切れない数何億のホトケが一々、宇宙をざわめかせ、強大な愛を感じられた。

 そして私は居室に似て、龍笛で皇麞急を御披露目に、和尚は御神酒を飲み、あたしの技量を計っていた。
 そしてトボトボ部屋に燈籠が揺れ点る和尚は
 「なかなかの武芸お見事じゃったぞ」
 そう言われあたし「ハイ、あたしとても嬉しいございます」と言うと。
 和尚は「もっと、いい笛を使ってみないか」
 それを聞かされアタシ「ハイ是非を使わせて欲しい
モノです」そう和尚に告げると。
 和尚はある座敷の棚を開けてアタシのもとに持ってきて軽く数珠を持ち手を合わせ
 「ノウマク、サマンダ、ボダナン、バク」と唱え、包んである布をほどき、アタシに差し出した。
 そして和尚は「此を差しあげようと」言って、あたしは口元を隠し、その笛を取って鑑賞した。
 そしてあたしは、とても上等な材木が使われていそうだと思い。
 あたしは「あっあの…これ吹いてみて、よろしいでしょうか」
 と言うと和尚は、袖をサッと肘までたくし。
 数珠をかけ「オン、アラハシャノウ」とあたしにお辞儀をした。
  そしてあたしは「ハイ、此で皇ジョウ急でも吹いてみます」そう言ってあたしは、その笛に口をあてると、時間が滞り、あらゆる亡霊がこの笛に口寄せされた、あたしは途中この響きに怖くなり、笛の吹き口をあたしは離した。
 そしてあたしは、「とても響きが良い、笛であります、しかしその響きゆえに、この笛に地縛してる亡霊の数も測りしれません」
 すると和尚は「そうであったか、楽器と言っても、曲を演奏する、曲は曲げるとも書く、これは空間の彎曲にも通じ言わば歪を生む、その歪に亡霊たちは集まるのじゃ」
 そう聞かされアタシは「御説法ありがとう、もう夜も遅いので、アタシの用心棒が居る居間まで、私はこの都度で帰らせてもらいます」
 すると和尚は「そうじゃの、でも今夜の冥土からのお迎えに気をつけるのじゃぞ」
 そう言った和尚にアタシは「それはどう言う意味でしょう」と聞くと。
 「詳しくはゆえん、まぁ愉しみにしなっされ」何かアタシはこの事に気味悪く思えた。

アタシは、すこやかに、寝てたとき、熱にうなされハッと、目が覚めたとき、
 その時、空間が彎曲したように悪霊が空間を歪ませアタシを冥土に葬るような感覚であった私は心中でナムアミダブと唱えていた。
 真夜中を回って淋しげに、ざーっと雨がシタっていた、ザワザワと風が大原の木々を揺らしていていた風走りに心を靡かせると。
 胸中がスーっと心の寂しさに空間は消えてゆくようだった。
 夜闇の不気味さに、アタシはナムアミダブナムアミダブと小声で唱え天井を見ていた。しかし夜闇の不気味さから冷や汗をかいてるので。
 その汗を拭いながら真夜中に起き上がった、回りを見てみると柳次が、瓶にいれた神酒(みき)を升に注いで飲んでいた、それを見てアタシが近づいて
 アタシは優しく「柳次、なんで寝てなかったの」
 すると柳次が涙がらに
 「オヤジ…」と言っていた。
 するとアタシが
 「何で、懐かしいの」と聞くと
 柳次は
 「俺の親父は、りっぱな役員だったさ、母さんもここ、三千院の寄贈した家柄で小さかったとき、よく弟とここ大原に泊まっていたんだ」
 アタシが
 「そう」と相づちしてあげると。
 柳次が何か心に寂し感じてると、そう思ってると狐火がともった

柳次は涙を拭い
 「なぁ、一曲、笛で吹いてくれないか」
 そう言われるとアタシは笛を吹いてあげた、悲しい宴のなか。
 柳次は升に注いだ神酒(みき)を月光に浮かべながら、笛の調律に合わせ、綺麗な女性が座敷の外縁が歩いてくるのが見て取れた。
 その色白さに、まるで泡沫のようなキツネの嫁入りであった。
 その時、和尚さんがきて
 「オン、アキシュビヤ、ウン」と阿閦如来の真言を唱えた、すると、その綺麗な女性がまるで老婆のようになりて、骨と皮だけなようになる。
 和尚は
 「ギャーテーギャーテーハラギャーテーボジソワカ」と唱え、
 塩をオバケにかけ、払い消失させた。
 そして意識が虚ろな柳次に軽く塩を嘗めさせ。
 和尚が
 「おい柳次正気に戻ったか」
 すると柳次が
 「ありがと和尚」と言った
アタシはこのキツネに化かされたことを、よく理解できなかった、そしてアタシが和尚に
 「ねぇさっきの綺麗な女性って何だったの」と聴くと。
 「あれは此処らで自殺した女性の怨念のコックリさんよ」
 アタシは
 「何で柳次を…」
 和尚は
 「おなごは自らの美貌に気づかず恥じらいやすい、さっき柳次を冥府に誘おうとしていたのは、此処らで自殺した霊であろう」
 アタシは
 「このような霊も極楽に往けるのですか」
 すると和尚が
 「往けるわけなかろう、人一倍、愛情込めて育てられた、むずましい娘が、自ら命を絶ち、どれだけ人を迷わせた思う、こうゆう娘は三途の川に沈めようと足をひっぱておる」
 でもアタシは
 「なぜなん、なぜそのような女は救いようがないん」
 すると和尚が
 「無い」とハッキリ言った

私は夜な夜な、夢の中うなされていた、夢の中で、母親らしい、女の声ひしひしと泣きが涙を拭っていた。
 その女の目をそむけた先にあったものは、
 首が伸び、目玉が飛びでていた、死醜に晒されてた女性の姿であった。
 この光景は無情にも無常なこっけいさ、世を張り詰めて、煎るようなこう景であった。
 墨黒の僧侶が
 「南無阿弥陀佛、南無阿弥陀佛」と唱えてるのを聴いた、その言葉の呪詛に私も三途の川にゆらりゆらりと、ただよい、そのとき、あたしを三途に沈めるかのように。
 「あたしを、うつしよに、かえらせて、かえらせて」とギューッと強くあたしの胴体をつかみ、沈んでしまいそうになり、やがて息ができなく、体が真っ青に溺れる恐怖にみあわれた、こうもがき苦しんでると、あたしは布団から上半身が起きて日照さす日射光のひざしが肌を焦がすように、あつく感じた。
 深夜の雨の湿り気を触れるような、湿度がたかい晴ればれしい、晴天の空であった。

しばらく、ボーッとジーンとした、秋の涼しげな風当たりアタシの肌に冷え冷え、肌寒さが身を震わせた、心が虚ろになってると、太陽の陽気な陽射しに肌が焦がされ、胸中の内から、緊迫感がぬけ、リラックスしたような、晴ればれしい感情になり、気が明白になり、心がハツラツとして、体中の神経が冴え、心の内が隔たりなく、空間を突き抜けていく、感情で気は明発に、気分が明るかった。
 回りを見渡すと柳次が、刀の鞘を立てながら、寝ていたので、あたしが、
 「おい」っと肩らへんを足でゆすってやると。
 柳次が目を覚め
 「おっ姫さん、無事でしたけ」
 そう聴かれるとあたしは、
 「無事も何も、昨日の深夜うなされて、何だったか、判らなかったわよ」
 そう言ってやると、柳次が
 「まぁそりゃーいい、あまり思いださないほうが、気がよい」
 そう言われて、あたしはふーんと思い、
 「ねーねー朝食まだだよね」
 と言うと
 「そうだな、ここの精進料理、わっぱの小僧どもが、身をこめて作ってくれるから、うめーらしいぜ」
 そう言われてあたしは
 「へーっ」と食い気がわいてきちゃった

 あたしは、ゆらゆら寺の景観を、ボンヤリ見渡しながら昨夜、起こった不思議な体験にジーっと心をお悔やみ、昨日、授かった笛の呂律を確かめていた、「ピーピーポー」私はこの笛の鳴りが、亡霊の哀しみに軋むようであった。
 そして陽差しがアタシの肌を焦がすのを感じる
 太陽のカンカンの日射がアタシの肌に呪いを印字した、そのとき
 私…
 そう内に籠もっていると。
「ネェっねぇさん、メシでっせ」と小生意気な小僧の声がして
 食事が運ばれてきて
 あたしこの失礼な態度
 「あっあんたね、沙弥なんだから、食べものに対する礼儀くらいたら、あーもー」こやつの指導どうなってるんだか、
 気をとり直して「お食事ありがとうございます」と不躾に凝り固まるように言って、サッサと、この見苦しい小僧どっかに、おいやってよーもーヤダヤダ、
 しかし小僧は
 「ネェさん、あんたの昨日の素っぱだ…」そう言ってる小僧になりふり間髪、アタマに拳を入れてやったはこのエロ小僧。
 「いってて、ねぇさん」と言ってるのを。
 アタシ「早いとこお膳を置いて、立ち去りな」と睨んでやったケケケ。
 「わかったよ、ねぇさん」と言ったので
 あたしは軽く、食事を運んで来てくれた、小僧にお辞儀をした。
 運ばれてきた、朝食は
 しかし出された食事はとても美味しく感じて。
 気が付けばうやもやに食べていた。
 「おいあやめ、あの小僧とどんな関係だ」ととっさに柳次が聞いてきたから、アタシとっさに
 「ふっふろの…あんたには関係ないでしょ」とあの子に風呂焚いてもらった、言えるわけないじゃないそれもあの時、アタシ素っ裸な姿を、モォー、イヤイヤ…

 粥と梅干しに味噌汁と簡素なモノだったが、この風が吹き抜けていきそうな、さむざむしさに、あたし自身、今までの亡霊に可浚って逝かれそうそうな、ジンジンなる心の空白に無常なまでの、時の刻みの虚無信を感じた、何かこう思いながら、風のゆらぎに心がジンジンと、しょぼくれ気がつけば、だされた食事を刻々と食べ終えていて。
 私は庭園にて笛にて蘭陵王を吹いていた
私は、朝の陽気が、テンテンとなり、ほのかなぬくるみの中、あたしは、笛の呂律を曲を吹きながらあわわした。
 そのとき、ある小僧が
 「やぁーい、ここの寺におなご、が泊まりにきたと、聞いたが、あんたのことかい」
 そう聞いてきて
 「ハイ…、特別にここの寺の往生院の拝観を許され、伊賀から、やってきたで参りまする…」ってコイツあのエロ小僧じゃない。
 と思うとしかとしてやったわ。
 小僧は
 「こんな、寺にいると、こんなカワイイおなごに合うことないから、わいが境内を案内してやるぜ」
 そう言ってる小僧は私を誘惑してきたけど、あたしは
 「ケッコー」ってキッパリ言い切ってやると。
 すると小僧が
 「あんたの笛の音色聞きたい人いるぜ」
 アタシが
 「それがどうゆうわけ」
 と受け流すと
 小僧は「まぁこいよ、本当の孤独ってモノみせてやるよ」そう言うと。
 アタシが「そう、なんか意味ありとこ、知ってるの」
 すると小僧が
 「あー知ってるとも、案内してやるじゃい」
 そう言われて、あたしは
 「そっそれなら、教えてくれる」
 小僧は
 「まかせとけー」と言わんばかりに、鼻高々に私のエスコートを誘ったのであった。

奈呉生畿者Part1第三版製本版

奈呉生畿者Part1第三版製本版

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-11-24

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