半月を買う男

大坪勝博

自分でもなにが書きたいか形になってない状態で書いたので本当に何がしたいのかわからない。

「失礼、いきなりで悪いんだが、そのォ、爪を見せてもらってもいいかな。」

 友達もろくに居ないため一人で水族館に来ていた私にいきなり話しかけてきたのは40代くらいだろうか、しっかりと整髪料でセットされた刈り上げのヘアスタイルに、整えられた髭、着こなされたスーツの腕からチラリと見える高そうな時計、まるで経営者のようなダンディな男だった。それに比べて私は20代の割には老けて見える顔、もう半年以上美容院に行っていない髪型は薄汚い茶髪になっており、おそらく数年前に買ったワンピースを着ている私は、彼とは真反対のような女だった。
 「えっと、すみません、私の聞き間違いかもなんですけど、爪を見せてくださいって言ってました??」、男のことを無視してもよかったのだが、彼の魅力的なオーラと好奇心に負けてしまった私は男に返事をした。
 「そう、爪だよ、といっても正確には爪のハーフムーンを見せてもらいたいんだが。」と、男は顔色一つ変えずに普通では考えられないことを言ってきた。
 「、、、はぁ、その、何の意味があるんでしょう?」
「おっと、自己紹介が遅れてすまない、私はこういうものだ」、男がスーツの内ポケットから取り出したのは名刺ケースだろう、そこから一枚とり、私に差し出した。そこには社名と代表取締役という役職の後に記載された男の本名があった。どんな会社かはさておき、なぜそんな役職の男が私に声をかけ、しかも爪を見せてくれだなんていうのだろうかと疑問を感じていた。
 「まあ細かい説明は後でさせてもらうが、私は君の爪にあるハーフムーンを買い取りたい。」
「あの、あまり意味がわからないんですが、細かく説明してもらえますか?」、私が質問すると、分からない部分は多かったものの、男は意外にも丁寧に説明してくれた。その内容を要約すると
・男は爪にあるハーフムーン(白い部分)を買い取る商売をしている。
・買い取り方はまずその人の左の親指のハーフムーン(左手の理由は特にないらしい)状態を見て値段を決める、そして、その爪の写真を撮れば買い取りが完了、指定した金額は後日口座に振り込まれる。
・写真で撮った爪のハーフムーンは3日後には消えており、その後再生することはない、なぜ消えるのか、再生しないのかという質問に対しては企業秘密。
・女性の爪でなければいけない
・これをしたことによる体の害は全くない。
・顧客は一定層いる。
というものだ、その他わからないことを色々聞いてみたが、「企業秘密」の一言で終わってしまった。
 「どうだい?売ってみる気になったかい?」、絶対に怪しすぎるが、安心感のある男の口調と、自分の価値をはかりたいという気持ちから、私はなぜか「はい」と言ってしまった。(後日談だが、なぜこの時に「はい」と言ってしまったのかは今でもわからない。恐らく怖いもの見たさだろうと推測する。)すると男は私の爪をじっくりと見た後に、「すばらしい、こんなにも綺麗なハーフムーンは初めて見た。400万でどうだい?」と、私の爪に400万という価値をつけたのだ。
「400万円ですか!?」
「当たり前だよ、それほど君の持っているものは素晴らしいものなんだ。不満かい?」
「不満なんて全くないですよ!逆にいいんですか??」
「もちろんだとも。じゃあ契約成立ということでいいかな??」
「はい!お願いします!」、すると男はポケットから携帯を取り出し、私の爪の写真を撮った。
「これで終わり、後日振り込むから口座番号を教えてくれるかい?」、すんなりと終わってしまったが、買い取ったということでいいのだろうか。私は困惑と興奮が収まらないまま男に口座番号を教えた。
 「ありがとう。じゃあ振り込んどくよ。またどこかで会えるといいねェ。」と言うと男は出口に向かい歩いて行った。嵐のような人だった。
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後日、本当に400万円は振り込まれていたし、なんとわたしのハーフムーンも消えてしまっていた。が、今のところ体に影響は全くない。でも、一つ変わったことがある。それはハーフムーンのなくなった爪を気にするようになったことだ。今まで全く気にしてなかった爪の白い部分は、無くなった途端、頭の片隅にもやもやがずっと残っている。
 今も彼はまたどこかで女性に声をかけているのだろうか。そんなことを考えてると、左の親指の爪が痛んだ気がした。

半月を買う男

結局なにがしたかったのか。
何だこの作品??

半月を買う男

短編、小説の「し」の字も分からないバカのくせに小説を書いたから自分でも何が言いたいのかよくわからない。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-11-22

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