さよなら世界

まこと

さよなら世界

拝啓

初めまして

貴方は…いや、貴女なのかな。どちらか分からないけど、初めまして。

この世界にひどく恨みを持っていますね。
つまり、僕が生み出した存在ってわけだ。

さよならをさせてくれるほど【あなた】は優しくはないんでしょう。
でも、2018年に僕は死ななかった。だから大丈夫なんだろうな。
そう思ってても…いいよね。

僕はね、いろんなものを背負ったんだよ。
【あなた】はそれも放棄するというのかい?
僕は今日、眠るのが怖いよ。
年末までに僕を殺すんだろう。なんとなく分かるよ。

2018年の時は…【あなた】じゃなかったよね。
今回の【あなた】は本気だ。なんとなくわかるよ。

願わくば…僕の本音を聞いておくれ。
僕はね…消えたくないよ。失いたくもないよ。
僕は僕でいたいんだ。何者でもない。僕は僕でいたい。
でも…【あなた】もそうなのかい?
やはり【あなた】も僕なのかい?

【あなた】は…僕を二つの方法で殺そうとしているね。
一つは精神的に、もう一つは肉体的に。

最近はベッドで寝たはずなのに、浴槽で起きたり、玄関前で起きたり、ベランダで起きたりしている。
僕が寝ているすきに溺れ死ぬきかい?
僕が寝ているすきに外に行くきかい?
僕が得ているすきにベランダから飛ぶきかい?
肉体的には簡単に殺せるだろうね。君が本気を出すだけだ。
でも【あなた】はそれをしない。なぜか。
…消えたくなんだろう。

だから【あなた】は僕ごと奪う気だ。
僕の1日は24時間の中の18時間。6時間が【あなた】だ。
最近はうたた寝でさえも【あなた】の時間だ。しかも意図的に行える。そうだろ。

だから僕は、今この場所に記そう。
さよなら世界、と。
僕が僕でなくなってしまう前に記そう。
さよなら世界、と。

こんな結末を、僕は望んでいない。
どうか、どうか話を聞いておくれ。届くのであれば届いてくれ。

僕は死にたくも消えたくもない。

さよなら世界

敬具

さよなら世界

またねが言えたらいいのにね

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-11-17

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