懺悔
ルル、わたしを、こなごなにした。
浮遊する幽霊みたいに、あのひとたち、さまよっている。母星を失って、かなしいのだ。泣きたいのだ。泣いて、かなしんで、でも、生きていることをやめない。ばけものになる頃に、もう一度、ルルをあいしてあげたかった。あいしてあげたいとかいう、エゴ。嗤う。
いつも、そう。冬のはじまりの、一年のおわりの、このときに放送される音楽番組の、デジャヴュ。わたしのからだのなかから、ルルが欠けて、わたし、というただひとりのにんげんになったことの、不安感は夜ごと、その質量を増してゆくばかりで、いまにも千切れそうな、みぎうで。となりで、やさしい歌ばかりを口遊む、きみ。みんなが、いい歌だねという歌を、ひどく陳腐だと感じる、わたし。ルルと一体だった、あのときのわたしはもっと、乱暴な言い方をすれば、可愛げがあった。
血肉が養分、骨を支柱に、花の苗床である、あのひとたちが、きまぐれに、星の光を摘み取ってしまって、唯一、月明りだけが、わたしたちのあしもとを照らす。
ゆるして。
ゆるして。
ゆるして。
ルルはいまも、そばにいるのに。
懺悔