崇 高

あおい はる

 都会で、くずれおちた。ほねぐみ。焼き切れた、シガレットのフィルター。好きなひとを、なぐってるやつを、ぼくはゆるせなくって、なぐってやった。暴力は連鎖する。花の棺で、ねむるのは、うつくしいあのひと。カシオペヤ座の鼓動がきこえる。あのひとたち。土星の環をなぞるように、その輪郭にふれたい。怪物はずっと、みている。甘やかな窒息。
 せんせいのために、いきることをやめないでいる。
 ひさしぶりに飲んだインスタントのカフェオレが、おもしろいくらいにまずくて、ちょっと笑った。街をうごかしているものがバグをおこしている。ソーシャル・ネットワーキング・サービスに夢中のひとびとが、あふれている現実におどろきはしない。ひとは、ひとりではないし、ひとりでもいいし、ひとりをこわがってもいいし、ひとりをえらんでも、たぶん、本能的に、ひとりではいられない、いきものであるし。
 宇宙の底が存在するのならば、いつかみてみたいと云っていたのは、うつくしいあのひと。
 ガーベラの花に埋もれて。永久(とわ)に。

崇 高

崇 高

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-25

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